【三題噺 お題】夕方 お化け 煙 【ゥ゙ィーガンと第六感】
父が亡くなってから五年ほどになる。
ある日の夕方、おじいちゃんというものの存在を知らない、もうすぐ二歳になろうという息子が、
「お化け。でた。お化け。でた」と、ニコニコしながらかけ寄ってきた。
「どこにでたの? こっちの部屋?」ミエはやさしさのつまった声でそう尋ねると、息子は仏壇の置いてある薄暗い部屋の方を指差しながら黙ってうなずいた。
仏壇の置いてある部屋は、家の中でも一際涼しく日差しが直接入り込むことのない北側にある部屋だった。大人からしてみれば、一般的にはお化けというも