見出し画像

【三題噺 お題】 不死身の 契約 果てなき

なんの目的もなく、ただ漠然と悪魔との不死身の契約をしてしまった。そこまでは良かったのだが、果てなき孤独に苛まれてしまうことがわかっていなかった。友人は年老いて、段々と減っていく。妻も子も年老いて先に逝ってしまう。不死身とは孤独を意味するものだったのか。
人は最後は独りだ。などとよく耳にする。これでは、最後は私は独りではないか?
だが、私は最後ではないぞ?
既に人ではなくなっているのだからな。
終わりあるもののほうが美しいだろうか?
それとも、永遠のほうが美しいだろうか?
これはまるで人間の考え方だ。
まぁ、そんなことはどっちでもいいか。さっさと、勇者を倒して、世界征服することについて考えることにしよう。世界征服するにも先立つ物がいるのか。
あぁ、気が遠くなってきた。気を失ってしまいそうだ。
あ!肝心なことを忘れていた!勇者なんて、倒さなくたっていいじゃないか!
ほっとけば、歳取って死んでくか。何せこっちは不死身なんだから。これでもう戦わなくっていいんだ!
さて、畑の手入れでもしてこようっと……。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?