【学校と社会】 書評#77
みなさん、いつもお世話になっております!
本日は、私の投稿の軸とする一つ「本」「読書」に関して書かせていただきます。
自己紹介に書いたマイルールを守りながら、私の大好きな本について書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします!
今回は、岩波文庫、そしてデューイです。
学校と社会の関係性。
重要と言われる昨今ですが、皆様はいかがお考えでしょうか?
ヘッダーは、めでたいこさんの作品を使わせていただきました!
学校と社会の接続。これが本書のテーマだと思っています。
そのイメージに近いをものを選びました。
ありがとうございました!
目次
基本情報
デューイ(著) 宮原誠一(訳)
岩波書店 出版
1957年7月25日 第1刷発行
全190ページ
読書所要期間11日
私が本書に出会うきっかけ
仕事上、子どもの権利や教育、子育てについて考えることが多い。
つまり、子どもに関することを考えるのが私の仕事だ。
だからこそ、必然的にこの本にたどり着くことなっていたんだと思う。
もともと読みたいと思っていたところ、古本として安く出ていたので買うことにした。ラッキーだった!
私の手元にあるのは、今から約30年前に刷られた第47版。
正直読んでいて鼻水(アレルギー反応)が出るほど古臭いし、実際に臭いw
身をもって歴史を感じている。
この本の本質
著者は、学校が本来「小さな社会」であるべきという視点に立っているものと考えられる。
学校は、暗記と試験による受身的な学びではなく、子どもたちの興味関心に基づいて活発に行われることで、より社会生活に即したものであるべきと考えている様である。
さらに、単に活発に行われるだけでは足りず、現代社会の手本としての縮図が学校であるべきと論じているのではないだろうか。
これらの論は、今の日本でも断続的に言われ続けている様に感じる。
著者が本書を著したのが1915年ということであるが、さらにこれの元となる初版は1899年刊行のようで、120年以上もこの課題感は変わっていないということになるのだろうか。
この捉え方は、様々考え方があるだろう。
というのは、社会が学校では相応しくない、理想的ではない態様であるから、それを正すために社会と隔絶すべきという考え方もありうるし、学校が社会へ追いつこうと進み続けているとも考えられる。
これはつまり、
「個々人の心が社会を変えていくのか、社会に根ざす心が個人を変えるのか」
という捉え方もできるだろう。
少なくともここから言えることは、やはり学校と社会は切っても切り離せない関係にあり、元来相互作用が想定され、設計されているということになるのだろう。
当たり前といっちゃ当たり前か。
私が感じたこと
1点目 〜裁縫と料理
著者は、これらを非常に重要視している。
それは、次の様な表現から読み取ることができる。
以前家庭でやっていたことだから、学校で代替してしなければならないとやっている訳ではない。
こうした課業が、生徒たちの心をイキイキとさせるからやっているのだ。
ただし、他の課業との連絡なしに、しばしば本腰を入れないで行われている。
木工、織物、裁縫、料理などを個別的な学科と捉えず、生活及び学習の方法と捉えなければならない。
これらはすなわち、現代社会における「探究型学習」そのものではないだろうか。
今、新しい学習指導要領において積極的に進められようとしている。
今こそ著者のメッセージを活かし、120年以上の時を取り戻すチャンスが到来している。
私はどちらかと言えば、その様な考え方に立っている。
2点目 〜重力の中心
著者は、本書において従来の教育を「旧教育」と表現した上で、旧教育の重力の中心は、教師や教科書など、子ども自身の直接の本能と活動以外のところにあると指摘している。
旧教育・・・
では、いったい「新教育」とはどこにあるのか・・・
今の教育は、どの程度「新教育」に迫っているのか。
あるいは「新教育」そのものなのだろうか。
ぜひ著者に直接聞いてみたいと心から思う。
現代日本では、こども基本法ができ、こども家庭庁ができ、そのスローガンとして『こどもまんなか』が掲げられている。
『こどもまんなか』=重力の中心
教育の分野だけでは決して不完全で不十分な難題に今ぶつかっているから、こうした言葉が生まれているのだろう。
むすびに(まとめ)
「本質」で書いた課題感。
これはおそらく無くならないのだろうと私は考える。
教育の中のとりわけ学校教育というものは、常にバージョンアップし続け、社会の良い手本、良い縮図となることが希求され続ける。
それが、本書から受け取るべき私たちへのメッセージだろう。
ただし、現代社会は、本書が表された時代とはずいぶん状況が異なるVUCAの時代。
バージョンアップが矢継ぎ早に、下手するとバージョンアップだけでは足りず、OSそのものを入れ替えなければならないということもありうるかもしれない。
むしろ、もうその時期に突入している、そんな時代である。
この社会と学校の状態の差が、今日本で叫ばれる問題点ということなんだろうと思う。
以上です。
デューイの目指すところの学校が増えると、子ども達はますますイキイキとし、社会もますます活発になるのだと思います。
子どもたちが、毎日ワクワクして行くことができる学校。
子どもたちが、将来ワクワクして飛び出していくことができる社会。
これらをしっかりとつくってあげる、その道筋をつけてあげる。
これが、今の私たち大人に課せられた重要なミッションなんだと思います。
本日も、誠にありがとうございました!
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