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【旅のことば 認知症とともによりよく生きるためのヒント】 書評#26

みなさん、いつもお世話になっております!
本日も、私の投稿の軸とする一つ「本」に関する第26弾を書かせていただきます。

自己紹介に書いたマイルールを守りながら、私の大好きな本について書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします!

今回は、タイトルにもあるとおり「認知症」に関するものです。
読み物としてとても良い本でしたし、読みもの以外のツールとしても優れていますので、ぜひご覧いただきたいという気持ちで、一生懸命に書かせていただきたいと思います。

※書影(画像)は、版元ドットコム様から頂戴しています。ありがとうございます!


基本情報

井庭 崇, 岡田 誠(著/文)
丸善出版 出版
2015年5月20日 第1刷発行

全96ページ
読書所要期間1日

私が本書に出会うきっかけ

本書との出会いは、間違いから生まれた。

最初、旅のことばカードの方を買おうとした。
認知症の方に限らず、人と人とのコミュニケーションツールとしてとても面白いと妻から聞いたため、我が家でもやろう!ということになり、オンラインでポチッとした。

届いてビックリした!!

この本の本質・言いたいこと

認知症の発症からの道のりを「旅」に例え、本人や家族など様々な立場から「認知症にどう向き合うか」を考えさせてくれるものである。

  • 自分への自信を取り戻すヒント

  • ストレスフルな家族の発想の切り替えのヒント

  • 地域がそれを支えるヒント

そしてこれらから、いざ当事者になることで生じる軋轢や葛藤をマイルドにする、ソフトランディングさせるための心の準備・心構えを学び取ることができると感じた。

「認知症とはどういうもので、なぜこういった40もの工夫が必要なのか」

こういった視点でご覧いただくと、より学びが深いものになるのではないだろうか。

私が感じたこと

1点目 〜構成について

本書では、認知症とよりよく付き合っていくための40もの工夫が示され、それにわかりやすい名前が付いている。
これにより、実際の行動と結びつけやすくすることが意図されている。

ネタバレになるのであまり細かく書けないが、猛烈にわかりやすく読み取れる工夫が本書には施されている。
この工夫に関する説明もまた、本書内で非常にわかりやすく丁寧に解説されている。

2点目 〜コミュニケーションツール

冒頭に書いたカードでなくとも、本書を活用して十分にコミュニケーションを促進するものであると感じた。
アイスブレイクや、テーマ設定によるグループディスカッションなど、様々なシーンで活用することが想定できる。

3点目 〜介護への認識について

認知症になると、必ずしも介護が必要になるという訳ではないだろうが、少し介護に対し感じたことがある。

これまでの私の介護に対するイメージは、「マイナスをいかに少なくできるか」
しかし、本書を読んでこれは誤りだったと感じている。
「プラスを増やす」という側面/見方があることを知ったからだ。

子育ては、子どもの成長を支える、つまりプラスを増やすこと。

だとすれば、介護や認知症の方と接することは子育てと同じポジティブなものと捉えることも可能ではないだろうか。

それはなぜか?
理由は本書P3にあると、私は考えている。

本書は、大人が子どもと接するためのバイブル的意味合いでの子育て論として捉えても、非常に有効なものではなだろうか。

4点目 〜本書の効果について

本書を用いて日頃からコミュニケーションを図っていれば、認知症の進行の予防になりうるのか?

これは、本書を見ての私の抱いた問いである。

完全なる素人ではあるが、少なくとも周りの人々の理解が進むという良い効果は、確実に期待できるものと感じた。
その上で、予防も目指すという著者の想いも込めれらているのではないだろうか。

むすびに

本書にある工夫の3番目「出発のあいさつ」。
これにはとても感動し、涙が出た。

31番目「わくわく実行委員会」。
介護や認知症に関わる方を含めたお年寄りに接する方々は、大なり小なり常にこれを実践されているのだと実感した。
関わる全ての方に敬意を表したい。


余談

本書を読んで、以前私たち家族に起きたある出来事を思い出しました。
それは、とある借家に住んでいた時の話です。

その借家は、以前住んでいた方が手放し、それを取得したオーナーさんから借りて住んでいた家でした。
インターフォンが鳴り玄関へ向かうと、一人のおばあさんが立っていました。
「なぜあなた方は私の家に勝手に上がっているのか?」
いきなりそう聞かれ、私は少し困ったことを覚えています。

色々対話を重ねるうちに、その方は途中で思い出したのでしょうか?話に納得してくれたのでしょうか?
「あなた方のような家族に住んでもらえて良かった」
そう言ってお帰りになりました。

今思えば、その方はもしかすると認知症だったのかもしれないなぁと思いますし、会話しているうちに途中で記憶が蘇ってきたということも考えられます。

そんなことを思い出しながら読みました。
まだ介護や認知症の方と接する経験のない私にとって、とても大きな学びとなりました。

著者と、出会わせてくれた妻、そして私の間違いに感謝したいですw

本日も、誠にありがとうございました!

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