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商品先物取引 「農産物」

お疲れ様です。

今回は商品先物取引での『農産物』を見ていきます。

『食糧危機』についても見ますので、

読んで頂ければ、
変な人に騙されないはずです。


『商品先物取引』とは、字の通り、

商品(例:大豆・とうもろこし・金・ゴムetc)を対象とした先物取引です。

商品先物取引は大枠であり、

[農産物]
大豆・とうもろこし・小豆・牛肉etcを対象。

[貴金属]
金・銀・銅・白金・パラジウム・ゴムetcを対象(ゴムは非鉄ですが、この枠です)

[エネルギー]
原油・ガソリン・灯油・経由・エタノールetcを対象。

などと色々分かれています。

[先物取引]については
[日経225先物取引の基礎知識]に書いていますので、そちらを参照してください。


対象商品が有り過ぎるのと金・白金はこれまでに書いているので、
『とうもろこし・大豆・小豆』の3つと、
食糧危機が囁かれているのでそこについても見ます。

1、とうもろこし取引概要
2、大豆取引概要
3、小豆取引概要
4、食糧危機について
5、なぜ食糧危機が問題視?




ーー1、とうもろこし取引概要ーー

とうもろこし🌽は小麦・米と並んで世界の3大穀物の一つです。

昔のドラマとかで、よく『とうもろこし』に
退職金全額を注ぎ込んで、

全て溶けて、奥さんから愛想を尽かされた男、という設定を見たことがあります。(ただ言いたかっただけです)

このとうもろこし🌽は、
家畜の飼料の主原料と、

コーンフレークやアルコール原料等の
加工食品の主原料であり、

毎日の食生活に欠かせない穀物です。

最近ではクリーンエネルギーとしての需要も増加しており、

今後に需給構造が大きく変わるかもしれません。

主要生産国はアメリカで、主産地は中西部の

コーンベルト地帯(アイオワ・イリノイ・インディアナ州)などで、

小豆・大豆と同じく一年草であるので、

アメリカの作付動向、生育期の天候などが相場の動きに敏感に反応します。

⭐️取引概要
<画像1>


⭐️価格変動要因
<画像2>




ーーー2、大豆取引概要ーーー

大豆は、食用油・味噌・醤油・納豆・豆腐などの、

日本伝統食品の材料として欠かすことができない物です。

現在その大豆をアメリカ・ブラジル・中国等から

年間消費量の約9割以上を輸入に依存しています。

なので、主産地・主要輸出国の動向が大豆の国内価格を左右します。

特に、アメリカの大豆生産量は世界の40%を占めており、

大豆は一年草であるため、作付動向・生育期の天候など相場に影響を与えます。

⭐️取引概要
<画像3>


⭐️価格変動要因
<画像4>




ーーー3、小豆取引概要ーーー

日本では古くから赤飯・小豆飯・飴にして和菓子やしるこに用いられており、馴染み深い穀物です。

日本で栽培されている小豆のほとんどが赤色で、種子の大きさにより、

大納言小豆と普通の小豆に分けられます。

小豆相場は大豆・とうもろこしといった他の穀物同様に、

産地や気温や日照時間が注目される
天候相場期と、

国内消費や輸入動向などが関心を集める
需給相場期に分かれます。

とうもろこし・大豆・小豆3つとも、その

『天候相場期』と『需給相場期』の影響で価格が変わります。

⭐️取引概要
<画像5>


⭐️価格変動要因
<画像6>

小豆は国内で生産された物を対象としているので、為替リスクはないです。

それでも価格変動要因は似たようなモノが多い印象です。

『天候』
『輸送コスト』
『食料需給の上下』など。

商品先物取引農産物での大きな特徴では、

価値がゼロになることはない事です。
人は『食べないと』死んでしまいます。

しかし、証拠金取引ですので、追証はあります。

なので、昔みたドラマで退職金をとうもろこし投資で全額溶かしたのは、

詐欺師に騙された設定だったのでしょうか。
(どうでもいいですね。)


ここまでは、基本的な事だったのですが、

ここからはちょっと派生して近年騒がれている

『食糧危機』についてみていきましょう。

これを知っておけば、変な人から

「これから[とうもろこし]爆上がりしますよ!!」

と言われても簡単に投資したりしなくなるはずです。



ーーーー4、食糧危機ーーーー

近年では「世界中で食糧危機が訪れる可能性が高い」と言われていますが、

日本などの先進国では起こりにくく、
途上国では起こる可能性はあります。
起こっても恒常的な食糧危機には陥りにくいです。

なぜかと言うと、

生産量は技術の進歩で大幅に増加しています。

日本では2018年に災害が多発しました。
1、西日本豪雨
2、大阪北部地震
3、北海道胆振東北地震
4、台風での関空水没・停電・塩害
5、福井で37年ぶり記録的豪雪
6、41.1℃ 記録的猛暑
7、東から西に移動した台風
8、首都圏大雪
9、早過ぎた桜の開花
10、早過ぎた梅雨明け(水不足)

などと沢山起きましたが、

それでも[2018年世界の穀物在庫]
余裕レベルでキープされていました。

<画像7>


しかし、途上国は成長中ですので、

大災害が起これば、

2006年〜2008年の頃のように
『食糧危機』が起きてもおかしくはありません。

この頃の原因としては、

1、穀物生産国の干ばつ
➡︎生産量が減少=価格上昇
2、原油価格の上昇
➡︎輸送コストの上昇=価格上昇
3、バイオ燃料(先進国)
➡︎合成ガス(とうもろこし・サトウキビ)=価格上昇
4、アジアの中産階級の増大
➡︎穀物食→肉食に。すると家畜の餌の需要が増加。=価格上昇。

ちなみに、
肉1kg作る為に必要な家畜の餌の量は、
鶏肉=2kg
豚肉=4kg
牛肉=10kg
(牛肉が最もコスパが悪いのです。だから高いのかも・・・)

2008年ごろに起きた途上国の食糧危機は

上記の4つが主な原因だと言われています。


ここまでは「ふむふむ」と分かりますが、

⭐️大事なのは『今後』ですよね。

農業専門家達が振り撒く
『世界的食糧危機』の理由は、

『2050年には人口が100億人近くに増加する』

これもよく言われていますよね。

現在の人口は76億人弱です。

そこから約3割増加し、
100億人ほどになるらしいです。

人口が増加すると発展し、
人口が減ると衰退していきます。

これは歴史から見て、
抗えない原理だと思われます。

『人口増加』+『経済発展』に伴う、
穀物食から肉食へ移り変わり、

肉・乳製品などの畜産物への需要が増えることで、

それを生み出すために、穀物の需要が増加することで起きると言っています。

なので、その需要を補うには、

今現在の生産量から60%程度増加しないとヤバいとのことです。

専門家がそんなこと言うと、

本当のように考えられますが実際はどうなのかというと。

35年近くで人口が25億人以上増えたことは、

もう既に人類は経験済みなんですね。

1980年〜2015年までに人口は28億人以上増えました。

過去に経験したのに、今後同じことに対応できないのか?

と疑問に思います。

しかも、2050年に突然人口が爆発的に増加するわけも無く、徐々に増えるはずです。

そうならば、段階的に穀物の価格も上昇するはずですが、そうはなっていません。

1912年〜2014年までのチャートになってしまいますが、
これを見ても、一時的な高騰はあっても、
恒常的な上昇はなく、実質価格は下がっています。

しかも、1910年〜2015年では
人口が4倍近く増加
しています。

これこそ『人口爆発』ですが、
食糧危機は恒常的には起こっていません。

日本で起きた食料危機は、
『1918年、米騒動』
『1945年、終戦後の食糧難』です。

世界の食糧危機は、
『1973年、石油危機時』
『2008年、干ばつ・原油価格上昇』です。

この時の原因としては、
・穀物生産の減少
・ソ連の大量穀物買い付け
・米国の政策変更(とうもろこしからエタノール生産の増加)
・原油価格上昇

などで、一時的なモノでしかないです。

なぜ一時的かというと、

単純に
生産量が需要を上回っているからです。
<画像8>は1961年の数字を100としたグラフです。

<画像8>

このグラフでは、
1961年(100)ー2016年
・人口➡︎2.4倍
・穀物生産
➡︎3.4倍

もう単純に生産量が人口(需要)を上回っています。

確かに穀物生産は増えたが、今後人口はもっと増える予想だが、

「農地には限度があるのでは?」

と疑問もあるかと思われますが、

ブラジルのセルラード(サバンナ地域)には農地に適した場所が、

1億ヘクタールほどまだあります。
(動物の環境を・・・はちょっと話がずれますので今回は言及しません。うまく折り合いをつけて欲しいですが。)

*ヘクタール
=100m✖️100m=10,000平方メートル
(サッカーコート1.4面分)

・日本の農地➡︎450万ヘクタール
・東京ドーム➡︎4.7ヘクタール
・甲子園球場➡︎3.85ヘクタール
・TDL➡︎51ヘクタール
・東京都➡︎21万9,000ヘクタール

こう比べると
『1億ヘクタール』は広大です。

それでも

「農地があってもインフラがないと輸送は?」

となりますが、
ブラジルのインフラ整備も進めています。

やはりそこら辺はお偉さん方もバカではないでしょう。

なので、

『技術等による生産量増加』
『世界の穀物在庫量は確保されている』
『農地の確保・インフラの整備の進展』

などにより、食糧危機は起こりにくいです。

故に、

農産物価格は上昇し続ける確率も低いです。

もちろん、一時的な上昇はありますがね。

「そこを狙って投資を・・」
なんて無理ですよ。w

もうそれは『投資』ではなく、
『投機』ですのでご注意を。

あ、[投資と投機の違い]も書いていますので、
よかったら読んでくださいな😭


ではなぜ問題視されているのか?
が気になります、



ーー5、なぜ食糧危機が問題視?ーー

この『食糧危機』を声高に叫んでいる機関があります。

・FAO(国際連合食糧農業機関)
・農林水産省(+農業界)

この2つが、

「生産を増やすべきだ」と言っています。

何故か?

それが実現すれば、

農業保護を目的とした、
『組織への予算が増える』からではないかと。

これにマスコミも便乗しているんですね。

食糧危機が『起きない』記事は売れないですが、
食糧危機が『起きる』記事は売れますよね。

そして『専門知識が少ない人』は
‘’専門家を信じるしかありません‘’

ましてや日本で食糧危機なんて起こる確率は極めて低いです。

2008年の時、

食料品の消費者物価指数は2.6%上昇しただけ。
(消費者物価指数が上昇すれば、家庭の消費支出が増加したことを意味します。なので、普段の食料品の買い物が2.6%増加したと思えば大丈夫かと)

なので、この時に

「うわ、ヤバい、食糧危機だ!!」

なんて思った人はほぼいないのではないでしょうか。

最近のが食料品を買い占める人のが多い気がしますね。

コロナ前なのですが、『週末に台風が直撃する』と予想されていたら、

スーパーのカップ麺などほとんど無くなっていましたねぇ。

まぁ台風が去った後の影響がインフラを停止させるかもしれない

と考えればわからなくはないですが、

今の日本でインフラが1週間も1ヶ月も停止されるなんて事は、

そうそう起こることはないですから、

買い占めたりする行動にちょっとの恐怖と人間の弱さを感じた記憶があります。

話が逸れてしまいましたが、

日本では食糧危機は大きく影響はないと言うことです。


以上になるのですが、これで

「これからとうもろこし爆上がりしますよ」
「人口増加に伴って穀物への投資がチャンスです」

というアホな自称投資家の話を信じることはないかと思われます。


それでは

良い週末を「適当に頑張りましょう」


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最後まで御拝読ありがとうございます。
皆様の何かのキッカケにでもなれば幸いです。
ありがとうございました。
誤字脱字があるかもしれませんが、
なんとなくの解釈でお願い奉るで候。


〜🐶今回のイッヌ🐶〜
我が娘 ベルちゃんにガムのおやつ


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