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日本に旅行に来たら日本を味わいたい!当然だけど難しい壁?

*こちらの記事は、海外・訪日インバウンドマーケティング情報マガジン【エの輪】へ掲載している記事と同内容のものとなります。

さて、前回より『新型コロナウイルス対策支援コラム』を脱し、『読むセミナー』としてお送りしております。
日本には食べ物がたくさんありますが、食べられるものが少ないと嘆く外国人も多くいます。そんな日本での「食」についてお話していきます。

食の安心・安全への意識

宗教的なこと(これについては以前お話ししたことがありましたのでそちらを参照ください)もそうですが、それ以前に食品自体の安全性を懸念しているケースがあります。
日本は食事が美味しいと高く評価される中、食品に対しての添加物が非常に多い国とされており、そのため身体に起こす悪影響も少なくはないとのことです。多くを摂取しなければ問題ないとされていますが、普段生活をしている中で多く摂取しているか否かなど考えて食事をすることは正直不可能に近いです。
普段から食事は添加物等の使用をチェックし極力摂取を避け、バランスを意識した食事をしていても、やはり加工肉や加工食品、また野菜や果物などの農薬などを避けることは限界があります。
現代では、次から次へと安価で便利で見栄えも良く、美味しい食品が世に出ますが、それと同時に消費者の食品に対するモラルやリテラシーも必要とされています。
外国ではこの食品に対するモラルやリテラシーがとても高いため、日本の食品に対してはとても厳しい判断をする方も多いです。
実際に2022年の「世界の食料安全保障指数」の「品質・安全性」の部門において、113ヵ国を対象としたランキングですが、先進国と言われる日本は大変残念な結果に位置しています。以下、エコノミスト参照
https://impact.economist.com/sustainability/project/food-security-index/
実際に、外国人旅行者の中には、食品のパッケージ裏に翻訳アプリをかざして確認する様子も見受けられます。
「便利で美味しい」よりも「身体に有害ではない」が優先されるのです。
何が入っているかわからないものは避けます。
考えてみれば、これは、当然のことです。 しかし、中には表示義務が無いものもあるため、全てを把握することは叶わないのです。
日本のものは安全だという言い伝えから何を食べても大丈夫という意識に陥りやすいのも事実です。
実際はモノによりますし、一生懸命安全な食品を作り世に送り出している生産者さんや業者さんもたくさんいます。しかしながら、手間もコストもかかるため、なかなか大衆消費者向けには難しいという現実もあります。
しかし、最近の日本でも、「少しくらい高くても良いから身体に害のないものが食べたい!」というニーズやウォンツも高まってきています。
物価等の上昇で未来が霞み気味な状況だからこそ、医者にかからない心(身)体づくりの意識を高めたのかもしれません。
生きるために食べたモノで作られる私たちの心や身体、「人が良くなる」と書き「食」という漢字があるように、「食」は重要なことです。そして、日本を訪れる外国人の方にも安心して日本の食事を楽しんでもらいたいですよね。
そんな根本的で抜本的な意識の変化が売り手と買い手には必要不可欠なのかもしれません。
また、その土地でしか味わえないものをより一層国内外にアプローチすることで、添加物を使用し加工しなければならない状況から一変し、その土地へ足を運ばないと食すことが難しい状況が自然と発生します。すなわち旅行者が増える可能性を秘めています。
結果、新たな需要を呼び、町おこしとなることもまったく夢ではありません。
特に食事に対して意識が高い外国人にとってはそういった地域は魅力的な観光地として需要が高まるのではないでしょうか?

日本にせっかく来たのだから”オール日本”・”オールその土地”を感じたい・味わいたい

例えばですが、日本での和食を楽しみにしていたのに、実はすきやき肉が”アメリカ産”、野菜は“東南アジア”から、一緒に入れられた豆腐も原料の大豆は”アメリカ・カナダまたは中国”のもの。
食後に食べたデザートは“外国産ミルク”を使用した抹茶アイス。 アイスに添えられたビスケットは”アメリカ産小麦“を使用したもの。唯一国産だったのは、白米だけだった...なんてことも。
これは、外国人にとっては『ガッカリ案件』だと思いませんか?
日本でも充分生産される牛乳や小麦を廃棄してまで外国からの輸入に頼るのではなく、規格外の野菜など廃棄せずに日本の魅力として国内外で流通されることにより日本の魅力を広めることは大切なプロモーションのひとつです。

まとめ

最近筆者は旅先の土地で育った地粉のうどんやカボチャを食べてとても感動しました。味付けを一切しなくても美味しいと思える素の食物たちは、私たちの健康を維持するだけではなく、心も豊かにしてくれます。そして、生産者へ感謝の気持ちでいっぱいになります。
こうして、日本中で食に対しての感動や感謝の気持ちが増えれば、食品の色や形が規格外だからといって流通があまりされずに廃棄されることも減るでしょう。また、飲食店でも残してしまった食事を持ち帰ることを許可してくれる店舗が増え食品ロス削減に繋がると思います。そういったことも含め、”オール日本”・”オールその土地”が定着すれば、観光客だけではなく、色々な分野で人は動きます。勿論そこに雇用も生まれるでしょう。旅行者とその土地を結ぶ、まさに本気のプライドや本当の日本の豊かさというのはそういったところに在るのかもしれません。

ライター:カイトマウリ (JOINT ONE)
海外・訪日プロモーション専門広告代理店『インバウンド ONE
海外インバウンドマーケティング情報マガジン『エの輪
元記事 https://jointone.co.jp/archives/1182


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