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社名変更の決断〜ソーシャルインクルージョンな社会を創る

 こんにちは。

 インクルード公式note編集部です。

 前回は、私たちが「脳トレジム」からどのような経緯で「就労移行支援」への事業に転換したのかについてお伝えしました。今回は、事業転換に次ぐ大きな変化ともいえる、「社名変更」についてお伝えできればと思います!

1.「イノベイジ→インクルード」に込めた想い

編集部(以下、「編」):今回も前回、前々回に続き、インクルード株式会社(旧株式会社イノベイジ) 代表取締役の高山(たかやま)社長にお話を伺います。よろしくお願いします。

高山(以下、「高」):よろしくお願いします。

編:早速ですが、2020年の2月に社名を「イノベイジ」から「インクルード」に変更しました。この変更にはどのような背景があったのでしょうか。

高:イノベイジという社名には「AGING SOCIETYをINNOVATEする」つまり「超高齢社会を革新し、課題を解決する」という意味がありましたが、脳トレジムをクローズして障害のある方の就労移行支援に注力することになり、社名と事業がフィットしないな、と。

編:超高齢社会では生産年齢人口が減少していき、障害のある方の社会参加を支援することがその課題解決にはなりますが、確かに直感的にはむすびつかないですね。

高:そこで障害のある方の社会参加を支援していき、“ソーシャルインクルージョン(※全ての人々を孤独や孤立、排除や摩擦から援護し、健康で文化的な生活の実現につなげるよう、社会の構成員として包み支え合うという概念)な社会を創っていく”という想いを込めて、「インクルード(include:~を含む)」という社名にしました。

社名が変更になっても「脳の健康を促進する」「脳の機能障害と戦う」という点で目指すところは同じです。イノベイジの時代には脳の認知機能障害である認知症の予防に主に取り組んでいましたが、これからは脳の機能障害とされる精神疾患・メンタル不調の方の社会参加・復帰の支援にフォーカスしていきます。

2.脳科学やブレインテックの活用

編:「脳の健康を促進する」「脳の機能障害と戦う」という点は変わらないということですね。もう一点、イノベイジの時代から一貫している「脳科学」という領域についてですが、就労移行支援事業や今後のインクルード全体にとって、「脳科学」はどのようなインパクトを与えるとお考えでしょうか。

高:脳トレジムのプログラム開発にあたりおこなった東北大学加齢医学研究所と共同での二年に及ぶエビデンス研究に加えて、当社ブレインフィットネス研究所の脳科学者杉浦が「精神疾患と生活習慣の関連性エビデンス研究」を約半年に渡っておこないました。

それらの研究をもとに、「運動」「食事」「睡眠」「ストレスケア」を中心に生活習慣を改善していくブレインフィットネスプログラムを各事業所に導入しています。「ニューロワークス」では、グループによるレクチャー形式でおこなっています。

編:イノベイジ時代に培った脳科学に関する知見を、インクルードとなった今、就労移行支援という新しい分野で活用しているということですね。

高:さらに新しい取り組みとしては、復職に特化した支援事業所である「ニューロリワーク」では個々にカスタマイズされたパーソナルブレインフィットネスをスタートしました。

元脳トレジムのブレインフィットネストレーナーが利用者の方々の生活習慣にしっかりと介入し、ストレス耐性を身につけることを目指します。「LifeScore® Quick」というデバイスでストレス値を測定し、トレーニング前後で計測して成果も実感いただくようにしています。

編:他にも、さまざまなデバイスの導入をプレスリリースしていますね。

高:マインドフルネスの際の脳波状態を測定する「MUSE」は以前から導入していましたが、先々月にMUSE最新verでマインドフルネスを可視化し安眠を誘う「MUSE S 」の導入もリリースしました。

他にも自然な眠りにつくための呼吸法を学ぶスリープテック「Dodow」や、リアルタイムで心拍リズムを計測しポジティブな感情の生成を促す「Heartmath」など、脳科学をベースにしたブレインテックを一部の事業所に導入しています。

今後もさまざまなブレインテックを当社のブレインフィットネス研究所でテスト・評価の上で導入し、利用者の方々のストレス低減や安定就労につなげていきます。

3. 「脳」と「心」 そして...

編:インクルードの強み・特徴である「脳」に関する取り組み以外に、どのような展開をお考えでしょうか。

高:当社は社員の約1割が公認心理師や臨床心理士です。先日、認知行動療法に基づくオリジナルプログラムである「FITプログラム(Flexibility Intervention Training=柔軟性介入トレーニング)」をリリースし、多くの方からご好評いただいています。これからはFITに限らず心理系のプログラムを開発・拡充していきます。
さらに主治医と連携して公認心理師らによるカウンセリングも強化していくつもりです。

「就労スキルだけでなく、安定就労のベースになる心身の健康を整えるスキルが身につく就労移行支援事業所をつくる」がニューロワークスの原点です。脳の健康に良い生活習慣づくりとともに、医療と連携しての心へのアプローチにより、利用者の方々の心身の健康をサポートし就職・復職に導いていきます。

編:「脳」と「心」に着目して就職・復職を支援していくということですね。せっかく就職しても精神障害の方の就職後1年離職率は約50%というデータがあります。精神障害者の安定就労は大きな社会課題ですね。

高:まだ分母が多くないため十分な実績とはいえませんが、就労移行支援事業所「ニューロワークス」卒業生の就職・復職後半年定着率は、90%を越えています。

就職・復職するだけでなく、安定的に就労すること、さらにはウェルビーイング(身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味し、「幸福」と翻訳されることも多い)であることが大切です。

これからも既存事業のサービス強化だけでなく、私たちが関わるすべての人の安定就労とウェルビーイングを支援するサービスを、障害福祉という枠組みに止まらず立ち上げていきます。

編:インクルードに社名が変わって、文字通りソーシャルインクルージョンな社会を創っていくために、障害やメンタル不調のある方の様々な課題を解決していきたいですね!

本日はありがとうございました!

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