Mr.X

生物系高齢ポスドク。明日はどっちだ!

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最近の記事

(1,530字)「ザイム真理教」なる言葉に対する個人的な感想

(要約) 「ザイム真理教」という言葉がTwitterを賑わせている。その内容の真偽は私には分からない。が、"元ネタ"を知らない世代がピンとくる言葉なのかが気になる。同時代的に体験していない言葉を人は受け入れられるのだろうか? Twitter(未だ「X」には慣れない)のトレンドに「ザイム真理教」という言葉が出ているのを見て「なんじゃこれは?」と調べてみた。 なんでも経済評論家の森永卓郎氏の著書のタイトルで、財務省の政策を批判する言葉であるらしい。経済学について無知な私はこの批

    • (1,512文字) ChatGPT-3.5と将棋を指してみました。

      私は学生時代に将棋部に在籍しており、今でも趣味としている。 ちょっと思い立って、ChatGPT-3.5と将棋を指してみた。以下は、そのコピペである。見出しになっているのが私の言葉(カッコ内は心の声)で、引用部分がChatGPTです。 あなたは将棋は指せますか? またその強さは? では私が先手で、平手で指しましょう。7六歩 (は? なんだこの手は?) 私: 2六歩 2五歩 (訳がわからんが、飛車先を簡単に破れる。すでにほぼ必勝やん) 2四歩 (???) あなたの番で

      • (862字)BLUEBACKS「船の科学」の感想

        私は生物学者であり、物理学・工学については何にも知らない。しかし生物の採集等で船に乗る機会はそこそこあり、船がどのように進歩してきたのか(生物学者なのでこういうところで「進化」と使いたくないのである)、興味を持って読み出した。 本書は船の歴史から、どのように作られるか、未来に向けてどのように開発が進むのか、「本の科学」の入門編、といった感じでまとめられている。 船の構造について語る以上、水の抵抗、波を受けた時の耐衝撃性や左右に揺さぶられても転覆しないための仕組みなど、工学的

        • (483文字) 文科省大臣にうってつけの人

          読売新聞の記事より だそうです。 話は変わって、「岸田改造内閣には女性が少な過ぎないか?」という話題に対する和田政宗参院議員のツイートより 和田議員によると、各省の大臣には最も能力的に見合った人が選ばれるという。一方で、文科大臣には「初心者」の盛山議員が選ばれた。ここから考えられる論理は以下の2つである。 「和田議員のツイートがでたらめで、閣僚人事は能力主義ではない、ただの女性差別」 「自民党には教育・科学行政に精通している政治家はおらず、"これから勉強しながら"など

        (1,530字)「ザイム真理教」なる言葉に対する個人的な感想

          感想: 中公新書「都市の鳥の生態学」、と余計なおまけ(1,736字)

          「都市の鳥の生態学」(唐沢孝一著, 2023年, 中公新書)を読んだ。 中公新書って文系のイメージが強いですが、出てくる生物系の本はいずれも面白いですね。中にはかなり専門的なものもあるけれど、この本は「自然が好き」くらいの人に薦められると思う。海深く、山深く入らんでも「面白い自然」というものはそこらにある、ということがよく分かる本です。 著者は東京都心とその周辺でどういった鳥が観察されるのか、またどういった生活を送っているのか、長年の観察の結果をまとめている。街の鳥、という

          感想: 中公新書「都市の鳥の生態学」、と余計なおまけ(1,736字)

          文部科学省の生態学

          ここ数日、国立科学博物館が始めたクラウドファウンディングに端を発した文部科学省の官僚(を名乗る、と書くと嘘臭いがおそらく本物)のXのアカウント(https://twitter.com/kouro16)のコメントに、アカデミア界隈が激怒し、憤慨し、ブチ切れている。(まだ「Xのアカウント」と言っても何がなんだかわかりませんね) 一応自己紹介をしておくと、私は「任期無し」の職に憧れるいわゆる高齢ポスドクである。現在は一応アカデミア界に属していると言えるけれどもこれもいつまで続くか

          文部科学省の生態学