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若き王子の物語

お前が子どもの頃  話してやったろ
若き王子の物語を

騎士たる彼は
父である東の国の王の命令で

西のエジプトへ旅立った
真珠を探すために

深い海から取れた真珠だ
だが たどり着いた王子は
杯に酒を注がれ、すべてを忘れた

自分が王子であることも
真珠のことも忘れ
深い眠りに落ちた

しかし、王は息子を忘れず

言葉を送り続けた
伝令や案内人も送った
だが王子は眠り続けた
         ~映画「聖杯たちの騎士」より~

若き王子のような生き方をして
きたわけである。

この世の価値観にどっぷりと
浸かり、この世の価値観に
染まりながら生きてきたのである。

眠り続けながら、生きてきたので
ある。

今思えば、とても大事に思える
メッセージや助言にも、まったく
耳を貸さず、自分なりのやり方で
生きてきたのである。

このような生き方を貫いている時は、
自分の人生を生きているように
見えて、他人の人生を生きていた
のだと思えるのである。

だから、人生のどこかで、
大切な人の言葉に、耳を傾けることが
必要となるのである。

これは、長年の深い眠りから
目を覚ますためにである。

自らの旅の目的である、「真珠」
これを深い海から発見するために
である。

自分にとっての王は、父であり、
母だったわけである。

彼らはいつも言葉を
送り続けていたのである。

その言葉を受けいれ、
自らの血肉とすることで、
ようやく旅の目的に気づいたわけで
ある。

つまり、スタートラインに
立つことが、できたわけである。

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