未來からの恋文
人生では、時折、未來から
強烈な恋文を受けとることがある。
その恋文を読んだ瞬間、寝ても覚めても、恋い焦がれてしまう。
一瞬で虜になってしまう。
そのような魅力的な恋文のこと
である。
気づけば、狂ったように邁進し、
鬼気として、自らの常識の殻を
ぶち破るような挑戦をするのである。
今思えば、ただただ逢いたかった
だけなのである。
憧れの未來というヤツに、
ただ逢いたい。
その一心だったわけである。
そして今、恋い焦がれてきた
未來を生きているのである。
しかし、あの頃感じた胸の高ぶりや、高揚感は、皆無である。
その替わり、あの頃感じたことの
ない、穏やかさと、静けさと、何とも言えない落ち着きの中に生きている
のである。
これが、未來からの恋文の正体だったわけである。
そしてまた未來からの恋文が、
届く日がまた来るかもしれない。
その時は、もう決して迷わずに、
走り出すと決めているのである。
なぜならば、今度が、最後の恋文に
なると知っているからである。
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