マガジンのカバー画像

読本レポート Magazine

8
大学生のレポート感覚で、月4本を目標に投稿してます。 このnoteを通じて、物事には様々な見方があることを僕自身を含め、皆さんと共有できたらいいなぁと思ってます。 共同運営者募… もっと読む
運営しているクリエイター

#DEATHNOTE

『DEATH NOTE』から考える善悪。(2/2)

夜神月(ライト)の純粋な悪とは何なのか。このことについて述べるために、カントの全の定義である定言命法を取り上げたい。 カントの定言命法とは、簡単に述べると、絶対的条件の順守である。例えば、「人を殺してはいけない」ということを定言命法とした場合、いかなる条件であっても人を殺すことは悪になる。ただ、カントはこの定言命法を具体的に何であるかは定義をしていない。カントの定言命法の有名な例として「嘘をついてはいけない」がある。カントは「絶対に嘘をつかず、お互いに正直に、社会を営むべき

『DEATH NOTE』から考える善悪。(1/2)

過去に2回の記事「あさま山荘事件」、「東京地下鉄サリン事件」を通して、善悪の変容について述べてきた。今回、最後に『DEATH NOTE』を取り上げ、善悪の区別の難しさについて具体性をまとめ、総括していく。なお、引き続きではあるが、今回も大澤真幸『サブカルの想像力は資本主義を超えるか』を参考に論じていく。 『DEATH NOTE』と言えば、ご存知の方が多いと思われるが、主人公である夜神月(ライト)がある日、奇妙な黒いノートを拾う。それは死神のリュークが落としたデスノートであり