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中国で最初のコロナワクチンが承認、86%の有効性

UAE保健・予防省は2020年12月9日、中国医薬集団傘下の中国生物技術に所属する北京生物製品研究所が提出した第III相臨床試験データを再審査した結果、「正式登録」を承認したことを発表しました。

125か国から募集された3.1万人の治験ボランティアを対象とした臨床試験では、中国製の新型コロナウイルス用不活化ワクチンは、ウイルス感染に対して86%有効であり、中和抗体の陽性変換率が99%で、新型コロナウイルス感染症に関する中度から重度の症状を100%予防できることが示されています。また、関連する研究から見ると、ワクチンには、安全性を巡る深刻な懸念がありません。

第III相臨床試験データが発表されず、これがワクチンの最終的な全体有効性データであるかどうかは不明ですが、中国医薬集団が開発したワクチンは、ファイザー・BioNtechのmRNAワクチン(95%)、ModernaのmRNAワクチン(94.5%)、アストラゼネカ・オックスフォードのアデノウイルスベクターワクチン(70.4%)、ロシアのワクチン(92%)に相次ぎ、第III相臨床試験に関する有効性データが発表された世界で5番目のものとなり、50%という承認基準をはるかに上回っています。

有効性にほぼ差がない状況で、中国医薬集団が開発した不活化ワクチンには、2~8°Cで直射日光を避けて保存・輸送するという優位性があります。凍結保存を必要とするファイザーやModernaのmRNAワクチンに比べ、保存と輸送がより簡単になったため、ワクチンのアクセシビリティが向上しています。Modernaのワクチンは、マイナス20度での保管・輸送が必要で、安定性は最大6か月保証されます。ファイザーのワクチンの要件はさらに厳しく、マイナス70度での保管・輸送が必要で、安定性は最大6か月保証され、2-8度では5日しか安定できません。

ここで注意すべき点は、芳しいデータでしたが、中国医薬集団によるデータの公式発表を待つ必要があるということです。「疫学的調査設計の基本原則に従い、第III相臨床試験の要件と合わせ、科学的精神によって発表すべき」と、復旦医院管理研究所の章浜雲副所長が注意を喚起しています。中国医薬集団は11月25日、中国薬品監督管理局に新型コロナウイルスワクチンの発売申請を提出しましたが、詳しいデータを発表していません。鳳凰新聞傘下のCC週刊は、状況に詳しい情報筋を引用しましたが、中国薬品監督管理局は中国医薬集団によって提出されたワクチンのデータを再審査しており、UAEの承認を踏まえて、1週間ほど発表する予定だと述べています。

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