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裕泉堂コースターでご紹介した歌①

三鷹古典サロン裕泉堂を作るときに、オリジナルコースターを作りました。

1000枚10000円〜、意外と簡単に作れるんです。

講座や句会、読書会でお越しの皆さんに、お茶を出すときに使っています。

字が下手で恥ずかしいのですが、コースターにはひとつひとつ違う和歌や俳句を書いています。そのときどきの季節の歌、恋の歌など、私の好きな作品たちです。

コースターは持ち帰り可。裕泉堂訪問のお土産にしてもらえたら、と。さらにいえば、家に帰ってから検索などしてみて、ことばとの偶然の出会いを楽しんでもらいたいと思っています。

裕泉堂は現状、最大で16名のお客様でしか入れておりませんので、気の長い話になりますが、最初の1000枚を配り切ることができる日が楽しみです。

皆さんがいらしてくださった証ですからね。

コースターで紹介した歌 第一弾

羅列になってしまいますが、書いたものたち。皆さんの好きな作品はあるでしょうか?

秋風にたなびく雲の絶え間より漏れ出づる月の影のさやけさ 左京大夫顕輔
見渡せば花も紅葉もなかりけり 浦の苫屋の秋の夕暮 藤原定家 
ゆく秋の大和の国の薬師寺の塔の上なる一ひらの雲 佐佐木信綱
白露に風の吹きしく秋の野は貫きとめぬ玉ぞ散りける 文屋朝康
君待つと我が恋ひ居れば我が宿の簾動かし秋の風吹く 額田王
春は萌え夏は緑に紅のまだらに見ゆる秋の山かも 読人しらず
紅葉せぬ常盤の山は吹く風の音にや秋を聞き渡るらむ 紀淑望
秋の月山辺さやかに照らせるは落つるもみぢの数を見よとか 読人しらず
秋深き隣は何をする人ぞ 松尾芭蕉
月見れば 千々にものこそ悲しけれ我が身一つの秋にはあらねど 大江千里
柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺 正岡子規
桐一葉日当たりながら落ちにけり 高浜虚子
今日からは日本の雁ぞ楽に寝よ 小林一茶
この道や行人なしに秋の暮 松尾芭蕉
彼一語我一語秋深みかも 高浜虚子
文庫本ほどの秋思(しゅうし)をもて余す 北沢瑞史
次の間に人のぬくみや暮の秋 山上樹実雄
いちまいの皮の包める熟柿(じゅくし)かな 野見山朱鳥
秋の雲立志伝みな家を捨つ 上田五千石
み吉野の山の白雪積もるらし古里寒く成りまさるなり 坂上是則
昨日といひ今日とくらしてあすか川流れて早き月日なりけり 春道列樹
心あてに 折らばや折らむ 初霜の置きまどはせる 白菊の花 凡河内躬恒
月を待つ 高嶺の雲は 晴れにけり 心あるべき 初時雨かな 西行法師
冬菊のまとふはおのがひかりのみ 水原秋櫻子
木の葉ふりやまずいそぐなよいそぐなよ 加藤楸邨
秋の灯にひらがなばかり母の文 倉田紘文
一枚の紅葉かつ散る静かさよ 高浜虚子
この道や行く人なしに秋の暮 松尾芭蕉
野ざらしを心に風のしむ身かな 松尾芭蕉
寒月や門なき寺の天高し 与謝蕪村
月暗し一筋白き海の上 正岡子規
淋しさも ぬくさも冬の はじめ哉 正岡子規
啄木鳥や落葉をいそぐ牧の木々 水原秋櫻子
幼子の爪切る音も初冬かな 飯田龍太
斧入れて香におどろくや冬木立 与謝蕪村
ともかくもあなた任せの年の暮 小林一茶
遠山に日の当たりたる枯野かな 高浜虚子

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