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【おいしい】リスボン旅行【おいしすぎる】

ちょうど仕事が冬休み、春は引っ越しでバタつくからその前にちょっと旅欲を満たしておきたい、ということで2024年1月6日から10日まで4泊5日でリスボンに行ってきました。今回も大満足の楽しい旅だったので、記事にまとめてみようと思います。いつもどおり居住地のドイツからの旅になります。



【おいしい、おいしすぎる!】

何もかもすっ飛ばしてまずはポルトガルご飯の紹介から始めたいと思います。なんたって、美味しすぎるんです!!!
どこの国や地域にも美味しいものはあり、これまでどの旅行先でも現地ご飯を美味しい美味しいと楽しんできましたが、ポルトガルは別です。美味しいのカテゴリーが「異国ご飯」ではなくて素の美味しい。日本の食文化と美味しいの方向性が似ているというかほぼ一致です。たいてい3日目くらいには蕎麦とかおにぎりが食べたくなる(そして日本食やアジア食を補給する)のですが、今回はその気配がゼロでした。

Sardinhas na grelha(グリルいわし)。白米が欲しくなる。
Rissol de Camarão(エビのクリームコロッケ)とPastel de bacalhau(タラのコロッケ)。お弁当に入ってたら超うれしい。
Arroz do mar(海の幸リゾット)。香草が効いててスッキリ味。
Bacalhau assado com legumes(グリル鱈の野菜添え)。タラってこんなにおいしかったっけ?
Arroz de polvo(タコのリゾット)。これまたスッキリ味。タコいっぱい。
エスプレッソとPastel de nata(パステル・デ・ナタ、エッグタルト)。濃厚。癖になるセット。朝ご飯にもおやつにも夜食にも最適。
ミックスクロワッサン。ハムとチーズの量が大サービス。
Tosta mista(ミックストースト)とフライドポテト。5.9ユーロでトーストとポテトそれぞれで1人前くらいの量のが出てくるなんて想定外だぞ。

西ヨーロッパで一番物価が安いと言われるポルトガルですが、観光客の目につく場所のレストランや軽食屋さんはドイツとあまり値段は変わらないかなという感じ。でも首都の観光地ど真ん中ということを考えるとお得なほうだと思うし、ドイツ基準で値段から想像するより具がモリモリだったり料理自体がデカかったりします。ひもじい思いとは無縁でした。

アドバイス:レストランなどに入る前はグーグルマップで評価を確認したほうがいいです。たまにぼったくりだったりかなり不親切なメニュー説明のお店もあるみたいなので。値段が高い(観光客の足元見てる)とか味がイマイチとかくらいなら問題ないですが、「悪徳商法」とかのタグをつけられてるところや極端に星の数が少ないところはやめておきましょう。ネットで探してる間割と目にしたので……。

【観光インフラ】

美味しいの後は真面目なお話です。ほとんど事前準備はいらなかったですが。シェンゲン協定加盟国なので日本パスポートならビザなし観光OK。ドイツからはパスポートコントロールすらなし。ワシの場合はEUのおかげでSIMも健康保険もドイツのままでOK、お金もユーロのまま。
観光客の多いところだと英語も難なく通じましたし、通じない人でもみんな親切で邪険にされることはなかったです。レストランやお土産屋さんは積極的に声をかけてきますが、イスタンブールのようなちょっと鬱陶しい感はなかったです。ちょうどいい。
観光エリアはアルファマ地区(旧市街)以外はほぼ碁盤の目状になっているので、方向がわからなくなっても「テージョ川はどっち?」と聞けば解決。迷子の心配もあまりないです。
空港も観光エリアも地下鉄とバスとトラムで楽々アクセス。空港でメトロの駅に向かうと階段・エスカレーターを降りたところに券売機がいっぱい並んでいます。そこの券売機でチャージ式カード(地下鉄、トラム、バスともに有効)が買えます。一回の運賃が1,7ユーロとかそれくらい。ジェロニモス修道院のように距離のある見どころもあり坂も多いリスボンで公共交通機関が安いのは助かりますね。

チャージ式カード。1年有効。プラスチックカードとかではなく紙ペラだけどコイツであってる。

グーグルマップで経路検索すると、ピンク背景のVmや緑背景のVdと表示されます。こいつらは地下鉄で、VmはVermelha(赤)、VdはVerde(緑)の略らしい。直接VmやVdとは表示されず、写真のように色で行先案内されます。グーグルマップで表示されてる色の表示を辿ればヨシ。

グーグルマップの経路案内の表示。
羅針盤や船のアイコンの色で判別する地下鉄。おしゃれ。Vm(赤)線は両行先とも直進、Vm(緑)線のCais do Sodre行きは右。

Vdと緑の案内看板が来て「ん?緑…って(多分ポルトガル語とそんな遠くない)イタリア語でverdeとかそんなんよね……Vd!」と気づくまでにちょっとかかってこれは地味にわかりにくくないかと思うのだけれど、もしかしてみんな自動でVmとかの背景色だけ見てセルフ案内できているのか……?

【特によかった見どころ】

リスボンは定番の観光地なのでちょっとググればたくさんおススメが出てくるので、ここにはあまり取り上げられないけど個人的に特によかったものを投下しておこうと思います。

・ファド博物館とアルファマ地区
音源(音声ガイド)、映像、楽器や衣装の展示物、イラスト、出版物などを通じてファドを感じる博物館です。ファドとは、リスボンなどの都市の下町生まれのちょっと悲しい雰囲気の音楽。悲しいとはいってもシクシクしてしまうようなものではなくて、わびさびのような味わいのもの。翻訳付き映像のもの以外歌詞はさっぱりわからないのですが、聞き入ってしまう音楽です。

テージョ川沿い、旧市街アルファマの入り口にあります。
某スライムみのあるギター
ファドのある下町のイメージ

入場料5ユーロ。アルファマ地区のお散歩と合わせてぜひ!

刺さる路地① 1755年のリスボン大地震で被害が少なかったおかげで、古い町並みが維持されているそう。
刺さる路地② 坂と階段がたくさん
刺さる路地③ 夜な夜な飲み歩くのも楽しそう

アルファマ地区は観光地として有名なのにローカル感が半端ないです。容赦なく洗濯物が干されていたり(それもベランダにちゃんと干してるのではなく、窓から窓へロープを渡して干してる)、えっここ入っていいの?というところにある軽食屋さん(追い出しては入ってくる鳩と店主が格闘し常連(と思しき客たちが)爆音マシンガントークしてると思えばエスプレッソをクイッとキメてさっそうと去るオジサマ(多分常連)がいたり、えっその値段であってる?何か忘れてない?というお会計だったり)があったり。なんだか他人の生活空間に入り込んでいいんだろうか、というレベルでローカル感満載です。

・発見のモニュメント
大航海時代のポルトガルによる世界の「発見」がテーマのモニュメント。青空とテージョ川に映えます。航路を開拓し、スペインと世界を二分した大航海時代は、ポルトガルの勲章のようなものなのだなあと。

展望台に上れるようです。
広場のタイル。1541年、日本発見。

・貨幣博物館
ポルトガル銀行の博物館のようです。硬貨、紙幣、決済システムなど「お金」についての博物館。入り口でセキュリティチェックがあってビビりましたが、金貨とか大判とか金の延べ棒とか展示してるので、納得。

ざ・銀行!
金庫室の中のロッカーに荷物を預けます。地味にテンション上がる。
最古の硬貨。上は中国の刀型硬貨、下はリディアのもの。
日本の大判。
クレジットカードやキャッシュレス決済の先駆け。会員証のようなもので、番号で顧客を識別、ツケを登記、週末や月末に決済というもの。売り手と買い手の距離が近かく、売り手側は買い手側の勤め先や支払い能力を把握していた時代のもの。まさにサザエさんの三河屋さん。思えばクレカのような支払い方式よね。

貨幣経済の勃興、発行元と流通ルート、銀貨1枚がどれくらいの価値なのか、偽造対策、などさまざまなテーマについてヨーロッパ、イスラム世界、アジア(主に中国)、金銀が取れるアフリカや南米など、いろいろな地域を通じて解説されています。ワシのようなお金コレクターにはたまらんっ!偽札事件や塩と金の非対面取引など、面白い小話もあります。

・リスボンストーリーセンター
リスボンの歴史を、フェニキア人から現代まで辿る博物館。音声ガイド(日本語あり!)の語りに沿って展示物を見ながらリスボンの歴史を一通り学ぶことができます。香辛料やコーヒーの貯蔵庫のところでは「匂い」もあったりと、芸が細かい。初日にここにきてリスボン史の大まかな流れを把握してから色々なところを見て歩くのもいいかも。

コメルシオ広場にあります。入場料8ユーロ。

アドバイス:1755年のリスボン大地震の映像コーナーはドラマ形式で地震や津波、火災の描写があるので、トラウマがある人はスルーしたほうがいいかもしれません。

【まとめ】

「美味しい」が日本の食文化と似ていたり、大航海時代という大歴史イベントのおかげでちょくちょく日本について触れられていたり、ファドがわびさびいぶし銀だったり、広大なユーラシア大陸を挟んでポルトガルと日本は何か縁があるなあと。今回も美味しい楽しい面白いで素敵な旅でした。

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