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新居づくり①キッチンと家具の手配

2023年の年末に新居を見つけ、翌年1月に無事契約書のサインもしました。4月1日の入居に向けて準備しているところです。今回はキッチンと家具の手配についてまとめたいと思います。


【ドイツの賃貸物件にはキッチンがない(ことも多い)】

日本の賃貸だとキッチン台やその上下の棚はついていて、シンクの排水接続もすでにされていて、コンロや電化製品を買って設置するだけという場合が多いかと思います。しかし、ドイツではキッチンが丸ごとないことも少なくありません。つまり、作業台の板やその下に配置する戸棚、ビルトイン家電の入るがらんどうのキャビネットなどを買い、建付け、作業台をシンクやビルトインコンロに合わせてカット、シンク、コンロ、オーブンを接続(水、電気)しなければなりません。うん、面倒くさい!
キッチンがついている物件もあるのですが、家探し自体が競争激しくて大変なドイツではなかなか難しいです。今回は物件自体も家賃も場所もかなり良かったのと、同じくらいの条件でキッチンのある家なんてそうそう出てこないだろうし出てきたところで借り手として選んでもらえるとは限らないので、キッチンを買うというデメリットを受け入れて契約しました。

【まずは家具を選ぶ】

まずは選びやすい家具から決めて、予算がどうなるのか見積もることに決めました。キッチンはそれこそプロに計測からデザイン、建付けまで任せれば素敵なモノが出来上がるようなのですが、そんなことすると3000ユーロとか余裕で行っちゃうので(おそらく、一軒家とかマンション一画買うような人向け)、まずは家具を仮決定して予算の具合を見ることにしました。
有名なIKEAの他にもネット家具屋さんはたくさんあるし、Baumarkt(ホームセンター)やスーパー(KauflandやAldi)で買うこともできます。いろいろ見た結果、IKEAが一番安そう。特にこだわりもないしいいかんじのがあるなら基本IKEAでそろえる方針に。副業の掃除バイトの先輩たちも、手軽に安くそろえたいならIKEAがおススメとのこと。
IKEAを選んだのは値段だけではないです。配送と組み立てが大きいです。というのも、他の家具屋さんだと配送が敷地の入り口までという場合や、部屋まで運んでくれると明記されていない場合も多いのです。となると、重すぎて一人では部屋まで運べないので、友人に手伝ってもらわないとなりません。しかし、友人と日程を合わせたりするのも大変だしお願いするのも悪いなぁ……。ということで確実に部屋まで運んでくれるIKEAさんはポイント高いです。
そして、大体の場合家具は届いた後に組み立てなければならない。うーん、自分にできるのか…。ebayやCheck24でHandwerker(職人)さんにお願いするのもありだけど……という心配も解決。IKEAはTaskrabittというHandwerkerサービスと提携しているようで、そこでお願いできる模様。このサービスは注文とは別にTaskrabittのサイトから依頼することもできるらしい。なら、できる範囲まで自分で組み立てて、手に負えなくなったらTaskrabittにお願いしよう、工賃も払えないわけではなさそう…となると、IKEAで頼んでしまうのが色々安心っぽいな、という理由です。それにIKEAは初心者でも組み立てやすく作ってありそうだし。
ちなみにバンのような大きめのクルマやAnhänger (クルマに引っかける荷台)を持っていたり手配できる場合はeBay などで中古で買うとかなり安くすみます。ワシの場合クルマやAnhänger を借りるほうが高くつくし、ここでも一人じゃ部屋まで運び入れできない(もしくは友達との日程合わせが大変)という問題で新品注文にしましたが……。

【キッチンって、どうするの?】

もうドイツに計8年ほどいますが、これまではずっと学生寮や家具家電付き物件に住んでいたので「何もわかりません!」な状況でした。とりあえずネットでセット売りキッチンを見繕う。こっちでもやっぱりIKEAが安そう、おお、棚の種類とか選べるのか…。んで、これどうやって建付けるの…?あ、IKEAさん、キッチン建付けサービス(前出のTaskrabittとは別っぽい)もあるのね!Laufender Meter(横幅)に応じての金額が決まるらしい。安くはないけれど、しっかりやってもらえるなら安心!
でも建付けサービスのお願いの仕方がわからない。サイトの注文一覧や買い物かごから追加できるわけではなさそう。ということで、チャットサービスで質問。それはTaskrabittの仕事、と言われたのでTaskrabittのチャットで聞くと、作業台のカット、戸棚の組み立て、シンクと排水の接続、と別々に頼んでくれ(セットサービスはない)と言われ、IKEAのサイトにある横幅ごとの料金は何なのか……もう一回IKEAにチャットすると、その組み立てサービスはIKEAでキッチンルームの計測も頼まないとできない云々(え、でも自分で計測して自分でレイアウト決めるなら建付けだけお願いできるってサイトにあるのに……と埒が明かない。これダメなパターンだ。どうにかサービスをお願いできても、その後揉める可能性大。仕方ない、自分で建付けるか…。いや、作業台のカットと排水の接続と電気(コンロ、オーブン)の接続はムリだ……。
ありがたいことに、そんなツイートを読んだ友人が、旦那さんが詳しいとのことでキッチン相談会を開いてくれました(°∀°)

【セミプロの目はすごい】

この旦那さんがかなりのセミプロHandwerker(DIYを超えたほぼプロ)で、キッチンを自分で建付けた経験もあるらしく、とっっっっっても助かりました!以下、その中でも特にためになったポイントをまとめます。

・壁の強度は大丈夫か、まっすぐか
打ち合わせの前に予め壁をノックしてどんな音かきいてきてと言われていました。コンコンしたのですが、特に何もわからず。キッチン以外の壁もノックしてみると、確かに場所によって音は違う。ググったところ、中の材質の違いらしい。でも何も確かなことはわからないのでモヤモヤしながら行ったのですが、どうやらスカスカかそうじゃないかが大事だった模様。スカスカだと強度が怪しくて後述のレール&吊り下げ方式に響くので。スカスカの場合は、部屋同士の間ではなくて外界に面している壁と音を比べてみればわかると思います。友人宅のスカスカ壁の音ききましたが、全然違いました。
そして「壁はまっすぐか」ときかれました。歪みがありそうな歴史的な建物でもないし壁なんてまっすぐなんじゃないの?と答えたワシ、さすがド素人。すると「あ、壁にFliesen(タイル)貼られてるよね?それも一枚一枚が大きいやつ。ってことは壁はまっすぐなはずだ。歪んでれば張れないか、張っても歪みがすぐわかるはず。」と。すごい。写真見ただけなのに住む本人よりも情報キャッチしてる……。歪んでいるとレールの取りつけが困難だったり、作業台との間にできる隙間を埋めなければならないので、大事なポイントだそうです。

・投資額(予算)
いいものを作るなら高くつく。けれど、いいものを作っておけば、引っ越すときに物件の後継者に売ることもできるし、次の家に持って行く価値もある。キッチンの手配は大変なので、特に学生や若い単身者向けの物件だと確かに「売る」ことができる可能性も高そう。自分も前の住人が売ってたら買い取ってたと思う。初期投資額は上がるけれど、安くそろえて次の引っ越しでゴミになってしまったり、結局いろいろ足りないと買い足す羽目になるよりならいいかも…?
まず初めに間取りと合わせて予算も聞かれたのですが、勝手もわからないし金持ちなわけでもないので「安ければ安いほどいい…」としか答えられず。そしたら、ケチらないほうがいいポイントと賢いケチり方を教えてくれました(°∀°)

・ケチらない方がいいポイント
まずは安全性。IKEAの安いセット売りキッチンの戸棚のほとんどが、壁に打ち付けたビスにつるす方式で組み立て説明が書かれているものが多いです。が、やっぱりこれだけだと安全面的に不安だそう。レールを買って、それを壁に取りつけて、戸棚の背中の方部分にも部品を取りつけて、その部品をレールに通して取りつける方法が安全だとのこと。安全性が高まるのは当たり前にわかるのですが、そんなに大事だったのかと。(これにかんしては、人によって基準が違うかもしれないけれど)ということで、ENHETシリーズよりはお値段が上がるもののレールで固定できるMETODシリーズに変更。

・場所は足りないことはあっても足りることはない。
ミニマムでいいから安く…と思っていたのですが、住んでいるうちに家電も食器も物も増える、場所は多めにとっておいて損はないと。うん、それは確かだ。場所が足りなくてチマチマモノを移動しなきゃいけなかったり後々追加する方が手間になりそう。ガンガン自炊するタイプなので、ほぼ確実に幸せになれる投資だ。

・食洗機は高いけど、戸棚だってただじゃない。
一人暮らしなのもあって、食洗機が本当に必要か悩んでいました。今は食洗機のある物件に住んでいて食洗機に感謝しているけれど、それは3人でシェアしてるからであって、一人ならいらないかなぁとか。
そのことを話すと、前述のようにいろいろ固定した後に後付けするとなると手間が増えることに加え、場所(作業台)を大きく取るならその下の空間に戸棚をつけることになるわけで、それだってタダじゃないんだから、その空間に食洗機を突っ込んでしまえばいいのでは…?と。

そうなれば予算の許す限り作業台も収納も拡張して食洗機も最初から導入して快適生活を!ガンガン自炊することは自明なのだから、損な投資ではない!!!!

・賢いケチり方
コンロ、キッチン、食洗機などの電化製品なども一緒に家具屋さんから買うことができますが、大体の製品が規格化されていて互換性が高いので、別途探して予算を抑えるのが賢い。もしくは、他社で別途注文すれば同じ値段でもよそでもっと質のいいものが買えたり。作業台はホームセンター系のほうがいいものが買えるそうです。結局配送料(もしくはピックアップの労力)を考えた末IKEAで一緒に注文することにしたのですが、食洗機はSaturnという家電量販店で買うことで費用を抑えられました。

この他にもたくさんアドバイスももらえました(°∀°)例えば、作業台はBaumarkt(ホームセンター)で買うならカットもお願いできるけれど、カット後の運搬は(要は穴が開いてる状態なので強度的に)リスクが高い、家電を後付けするのは配線の都合で作業台に穴をあけたり云々とかなる大変だから、最初に一緒に取りつけてしまった方がいい、とか。経験者の目はすごい。すごいなぁ……でもこれは彼が自分でやってきたからそこ持っている知識と経験なわけで、何事も自分でやらないと身につかないのだと実感。たしかに海外旅行やプログラミング、PC周りだとある程度見通しが効くけれど、これは自分が自分でやったから。ヨシ!家具やキッチンもできるだけ自分でやって経験詰むぞ(`・ω・´)俄然湧いてくる謎のやる気。
やってみてできなかったら業者さんにお願いして(その予算は取っておいて、いらなかったらラッキー)、その時は自分がどうしても苦手なこととして把握できるので、それはそれでヨシ。

【他人の力を借りよう】

というようにキッチンのレイアウトでは友人とその旦那さんにお世話になったわけですが、問題の作業台と水道・電気の接続は家探しの際にもアドバイスをもらったマブ(簡単に言うと元カレ)家の力を借りることになりました。マブと別れた今もマブ母と仲がいいので、そのへんできる人を知らないかときいたところまさかの夫と息子が派遣されることに(近っ!)。
家探しもそうですが、周りの人に話して力を借りることがとても大切です。具体的な作業で手を貸してくれる人、ツテで力になってくれる人を紹介してくれる人、耳より情報をくれる人、体験談から気をつけるポイントを話してくれる人、同じ・もしくは類似の製品やサービスを見せてくれる人、道具を貸してくれる人、と一人よりはずっとパワーアップできます。
力を借りるとなると(特にワシのようにクルマを持っているわけでも、特殊技能があるわけでも、ツテがあるわけでもない人間は)気が引けてしまいますが、頼ったっていいんです!実用的な場面で力になってお返しができないというタイプの人でも、ピザやケバブをおごる、飲み物やお菓子を用意しておく、(受け取ってもらえなさそうだけど現金のお礼も予定)というできる限りのお礼をする気持ちさえあればいいと思います。友達なんだから。それに、相手だって大人なんだからいやだったら何かしら理由をつけて断るはずだろうし。

【いざ注文】

何か見落としているのではないか…という心配で何度も確認したり、ネットで落とし穴や気をつけるポイントをググってみたり。マブ家にも注文リストを見せて、作業台と電気水道周りで足りない部品や材料があるか確認。一応なさそう、すべてを完璧に手配することは難しいからもし何か足りなかったら買い足そう、ということでポチィ。
オーブンとコンロ含めたキッチン一式と家具(ベッド、衣装ダンス、棚、デスク、イスなど)でおよそ2300ユーロ。こんな大きい買い物したことないよぉ……。注文ボタンを押した後は何か変な脳汁が出てハイでしたね。ちなみにこれに追加で食洗機と冷蔵庫が続きます。その他の小物も合わせて合計3000ユーロくらいです。

【次節・受け取り】

というわけで、一通り「絶対必要なモノ」の手配が完了しました。次回はキッチンと家具の受け取りです!日本と違って色々すんなりいかないことも多いドイツ、初めての作業ですがどうにかクリアしたいと思います!


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