「インターネット怪現象の煮こごり」「ウルティマオンライン神話存在」「胡乱の商人」「トマト岩」「群体」と畏れられるお望月さんだが、そんなお望月さんも全知ではなく未接種の分野がある。ガンダムだ。

そしてそんなお望月さんにも人類の革新が訪れたのか、ガンダム摂取を目論み始めた。しかし案の定こういう前フリだ。

やめろ！冒険王のやつはいきなり読むものではない！わたしは思わずそう叫んだ。しかしならば何からどう摂取すればいいのか？ガンダムスキルツリーをこれから登ろうとするものに伝えられる言葉はなんなのか？わたしはしばし考える。

やはり基本は劇場版3部作

色々ルートはあるが、初代の劇場版3部作を見てからあとは好きに生きてくれ、というのが一番正しい気がする。アムロとかシャアとかザクとかグフとかホワイトベースとかそういうのは大体出てくる。ガンダムは新作でも前提知識が大なり小なり必要なものが大半だけれども、劇場版3部作に関しては「これより前にガンダムは有らず」なので何も心配はない。安心してアムロ君達がえらい目にあう日々を楽しむとよい。10代しか生き残ってない船で逃げ続けるって、よく考えなくても極限ですからね。

初代はエピソードが独立している

これも最初の摂取にちょうど良い理由だ。劇場版3部作はテレビシリーズの再編集総集編にも関わらず、特に駆け足感もなく「アレ？なんかいきなり話飛んで無い？」みたいなこともない。元々の話が「戦争に巻き込まれてしまった！大人は誰もいない！僕たちだけで安全なところまで逃げるんや！」であり、立ち寄った先々で短めのミッションが発生してそこでの話が終わったら次へ進む構成だ。なので劇場版3部作は「サブクエストは放っておいてメインクエストだけやってみた」なんだね。そりゃ辻褄合うよ。ちなみにサブクエストは「なんか塩が足りなくて困った話」とか「無人島で暮らしてる敵兵とのふれあい」とか「騎士みたいなロボが襲ってくる話」とかそんなんなので気が向いたら見るぐらいで良いです。Zガンダムとか他のテレビシリーズはメインクエストとサブクエストが絡み合ってるのでそのへんどーしても駆け足だし歯抜けになるんですよ。

アムロとシャアがポカスカしている話

「否！ガンダムはそんな話ではござらん！ガンダムはそもそも宇宙に進出した人類と重力に魂を縛られた人間が…」「ロボットアニメに量産型というエポックメイキングを…」「ガンダムだけど所詮ロボットアニメなんですよっていう、こう、トミノ的なアレなんだろ？」

という異論は幾らでも湧いてくるしそこが楽しいところでもあるのだけど、とりあえず取り巻く世界は放っておいて、アムロとシャアの立ち振る舞いとかそのへんをコロナ片手に見るぐらいの気持ちでちょうど良いと思う。とりあえずどっちも人としてだいぶアレなので見てて楽しい。ララァが出て来てからが本番です。最終的に初代で出会ってから15年ぐらいポカスカしたりそこそこ仲良かったりやっぱりゴロゴロポカポカしたりする、そんな2人の主人公を見守ってあげるといいんじゃ無いかな。

モビルスーツとは

これが難しい。そもそも自分はガンダムの話などさっぱりわからないにも関わらず、なんかカッコイイからぐらいのテンションでSDガンダムのガシャポンとかカードダスを集めていた。その体験があるからこそ、ガンダムやザクを見て「実家」だと思うし、派生バリエーションを見てあぁだこうだ言えるわけだ。そんなキッズ脳への体験を今からガンダム偏差値0の大人に体験してもらうのはまず無理である(お望月さんが成人の人間だという保証はどこにも無いが)。劇場版3部作は出て来るロボットが恐ろしく少ないので、ツボに入らなかったらもうそれは単なるクルマかなんかだと思って欲しい。

結局人それぞれなのよね

哀しいな。哀しくなくするために生きているはずなのに、なんでだろうな…。
スベロア・ジンネマン

ちなみにうちの嫁様もガンダム偏差値はゼロだったのだか、わたしが見ていたガンダムユニコーンの4話におけるジンネマンキャプテンの焚き火を見つめながらの語りをチラ見して「ちょっとこれ最初から見たいんだけど？」と言ってきたのであった。そのままドハマりして最終回は一緒に劇場まで行ったものである。その後嫁様には逆シャアと劇場版3部作も摂取してもらい、ガノタとまではいかないものの、アムロとかブライトとか、その辺の共通言語は構築することが出来た。

じゃあユニコーンがいいんじゃね？最新作がいいんじゃね？となるのだけど、そうなるともう単なる「このアニメパッと見どうよ」みたいな普遍的な話になるので、とりあえず何かひとつ勧めるなら劇場版3部作。これだよ。あとはもう、そのままZガンダムに進んでもいいし、アムロとシャアの行く末が気になるなら逆シャア→ユニコーンでもいいし、冒険王版読んでツッコミ入れまくってもいい。個人的にはターンエーを推す。

でも冒険王版から触れるのは…やめようね！

いじょうです。