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「君が手にするはずだった黄金について」読書感想文

ケチな私が1600円を握りしめ、来たばかりの土地の小さな本屋さんに行き、「おっおがわてつさんの新書ありますか?!」と本屋のおばさんを悩ませた…。

さておき、彼がGoogleのニューストピックに出る度、(うわっ作家っぽい)とその見た目で判断していた。(ここでミーハーな私を見る)
どうやら、「承認欲求」について彼は書いているらしい…。

1ページ目、「あっしまった…。」途端に私は世間を馬鹿する自分を見た。(うわっ…淡々としてるヤツだ…。)どうやら、私は凡庸では無いと根拠無き自信を持ち合わせているらしい…。

ページを捲る度に私は彼の狂気に新しい自分。(知りたくなかった部分)を嫌でも引き摺り出されて処刑されて逝く…。

「満たされない自分」「他者と比較する自分」劣等感に苛まされる。数々の小川哲さんの表現力に私は「露呈」され、「共感」させられる。

最期なんか酷い物で…彼は綺麗に良い子に纏めて終わらせられる。(秀才だ彼は)
心地よくなってきたら、ぶった斬られた…。(鬼才か?)

この作品をどう見るか…は個人の判断でしょうし、どう書評され様が多様過ぎて小川哲さんの意図さえも知りたくない。
「目」を瞑りたくなる作品でした。

狡猾な女より。

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