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第2回:インサイド & フィールドセールス組織の立上げ

前記事 第1回:プロローグ

ハイブリッドワークに順応したインサイド・セールス組織の立上げ

前提

基本線は世に書籍や記事として出ているThe Modelの考え方を踏襲しつつ、独自の方針・施策部分を中心に触れていきたいと思います。

  • 商談フェーズは一般的な8段階

  • インサイドセールスはSDR/BDRのみ(OnlineでのインサイドからのDirect Salesは実施しない = 完全にフィールド・セールスに商談バトンパスする)

大前提

  • そもそもインサイドセールスチームはなかった

  • 故にフィールドセールスが一気通貫でリードのフォロー・商談対応を実施していた

  • 故に過去に獲得していた未フォロー・フォロー完遂できていないリードがそれなりに存在していた

採用戦略

とにもかくにも、まずはメンバー・リーダーの採用を行う必要がありました。メンバー採用においては

  • あえてSaaS未経験者 Only = 経験じゃなく、「素直さ」と「チャレンジ精神」のみと絞ることで間口を広げた

  • 未経験者の不安を払拭するため、事前にEnabelementコンテンツ・プログラムとキャリアパスを完全整備

  • 結果、未経験者でも「短期」で、「SaaSキャリアを爆速形成」し、「市場価値が上がる」というキーワードを用意

  • 合わせてピンポイントでガッツSales経験があり、コロナ不況で転職が活性化している業界(Ex. トラベル・イベント等)をターゲティング

Enablementプログラム Week1: 初月はWeekly,次月からはMonthlyで計3ヶ月のメニューを設定

これにより当時・現在においてある程度 再現性が高い採用がインサイドセールスチームで行えるようになり、当時 2名の立ち上げメンバーに同時Joinいただきました。

そして、リーダーについては、完全にDirect Hiringを実施。なぜなら、インサイドセールスチームのリーダーは

  • 自身でインサイド・セールスの現場経験をしている

  • 更にフィールド・セールスの経験を有しており、達成経験がある

これを最低条件にする = そうでないと失敗することが見えていたので、自ら採用に動き 縁あって リーダーにも間も無くJoinいただきました。

現在では10名ほどのSales組織で最大のTeamになり、更に毎月レベルで採用を強化・継続中となります。

KPI

独自方針部分だけ触れていくと & 当時のSDRのみの立ち上げ時でいくと

  • Main KPI = 02 Flip 20件(後に15件に変更)、08 金額 XXX万円

  • 上記にある通り、初動はキツめのKPIから人数が増えるにあたって アジャイルで半年後にKPIを変更

SDRのMain KPI

また、現在 BDRチームもメンバー2名で同様に昨日(タイムリーw)新たなリーダーを招き入れてます。

独自施策

結構 Workしたなと思いますのが、The 「インサイドセールス エコ贔屓 大作戦」です。元々、コロナによる影響で基本 完全リモートワークとなっており、オフィスも3フロアから2フロアに減床していたのですが、あえて

  • 2フロア中1フロアは全てインサイドセールス・フロアとする → 1人につき(感染対策も含めて)4人テーブルを1つ割り当てる

  • 時代に逆行して、Back Officeチームの支援を受けての感染対策を万全な状況で、「週3日 出社」として、決まった曜日に全員が集まっての一斉 リード・フォローを実施する

  • Spiff(施策 達成時のご褒美)もふんだんに企画・実施

これにより、メンバー通しの繋がり合いだけでなく、シンプルなモチベーション・熱気が醸成され、一気にフィールド・セールスへ供給される商談の件数自体が約5倍に跳ね上がりました。

実際のインサイドセールス供給 商談数 推移(2021年6月まではフィールドセールスが対応)


フィールド・セールス組織の再構築・教育

前提

  • SaaS未経験者が4名 在籍

  • 顧客セグメント・業種等の担当分けは一切なく五月雨で商談対応を実施

独自施策

  • Enteprise 1名とSMB Team 3名に分割(セグメントは顧客の従業員数 600名以上・以下※で)

  • ※現在は1-199, 200-1,999, 2000-9,999, 10,000-での4部署編成

  • 上記は使う脳・マネジメントの手法・時間軸がが違うから = EnterpriseはAccount Based、SMBはOpportunity Basedの営業活動が必要 & 時間軸がMonthly or Quarterly

  • セグメントはBIを用いて 商談件数・受注率・平均金額を常にWatchして、多い時はMonthlyでセグメントおよび人員配置を変更 = 超高速アジャイル

  • インセンティブ制度の立ち上げ = 外資系に負けない給与水準へ(こちらの詳細は第4回で説明予定です)

採用戦略

とにかく拘りたい 方針・前提となる私の考えが

  • 基本線 Enterprise SalesはSMB Top Sales出身者で将来的に固めたい(SMBで売れる人はEntepriseでも大活躍する、逆パターンは稀 = 再現性なし)

  • SMB SalesはインサイドセールスからのPromotion組で固めたい(直接 外部からSMB Salesになる人は活躍しずらい)

  • 故に 長期的に考えれば上記のPromotionの階段を用いて、インサイドセールスの採用・Enbalementさえ再現性 高く実施していれば、全体の組織自体も再現性があるスケールができる組織としたい

  • ただ、手前の台所事情は待ったなし

そんな中で 手前で進めたのが、前述のインサイドセールスチーム = 将来のTop Sales候補の立上げと合わせて、フィールドセールスのメンバー・リーダーの採用です。その中でも

  • 4人中3名をSMBに貼り、後のスケールはインサイドセールスからのPromotionに委ねる

  • ENTはメンバー 1名貼りだが、ここはDirect Hiringでカバー(プロSales人材を招き入れる = 再現性が低いが 気合いで立ち上げ時に実施すると心に決め実行)

  • リーダーについては、商談対応のプロをEnterpriseでDirect Hiringする、しかし SMBは自らがDirect Managementで見る

  • SMBをDirect Managementで見るという理由は結果以上に、「教育」。1年・2年後のEnterprise Top Salesとするためにここを譲らないとCommit。

結果、ご縁もあり Enterprise Salesに数名がJoinいただきつつ、半年後にはインサイドセールスからのPromotionもはじまり、Sales組織が充実しましたし、当時のSMB Sales達が現在のSales組織の中心人物に成長。

そして、更なる縁をいただき 先月にようやくSMBを任せられる = 単に商談対応のプロというだけでなく、People Management、メンバー1人1人に愛を持った継続的な教育を通じて爆速成長を届けられる最高のリーダーにJoinいただき、現在では完全にSales TeamのDirect Managementは任せられる状態になりました。

マインド変革

ここはシンプルで、これまでも これからも「Sales」および 第3回で説明する「SE」組織に関しては 拘って継続していきたいのですが、

  • Manager(Lineが高まれば尚更)ほど顧客接点を持ち続ける = メンバーよりManagerが(なんなら そのManagerも)顧客とのWeb会議・訪問といった商談対応を数多く行う

それが出来ないのであれば(出来ないのは 単に暇とかでなく、メンバーからの信頼がない、ひいて言えばシンプルに実力不足)なので一瞬で退場。そして、ベースとなるマインドとして

  • 「上司」「部下」という言葉自体 禁止。上も下もない、単なる役割である

  • が故に、在籍年数・年齢・過去実績・Gender・Nationalityも全て関係なく、「今現在」で 当該役割に最も適した人が その役割をやるべき

というものを持って、当社のValueであるManagerほど、Always Challenger/ Always Day 1 精神を持ち、過去の財産で生きるのでなく、メンバーと「成長角度」で常に勝負をし続けるを大事にしてます。

Enablement Program

これは基本的にインサイド・セールスからのPromotion人材向けのプログラムなのですが、添付のように いつ・何を・どこくらい・どういった内容で・どのように実施していくかを明確にして、所謂 「ベース知識のインストール」を再現性を持って実施しています。

New Sales向け Enablement Program

ただし、重要なのが これはあくまでベース知識であって、実践で必要な要素はまた別。言い換えれば、この知識で売れる人だけなら苦労なく、そうじゃない人でも全員売れる仕組み = 再現性とするのであれば、その要素は全て現場・実商談を通じた成長にあります。となると私が拘っているのが、

  • Enablement専門組織は基本的に作らない(作るとすれば、Just 添付のようなコンテンツ開発のみの組織)

  • Enablementの最終責任・役割は全てLine Managerが持ち続ける

  • 故にLine Managerの必須素養の1つは人材成長を促せる人材(ヤクルトのノムさんばり)

という考えを持ってます。

以上が、Joinから1年間で主にやってきた「フィールド・インサイドセールス組織」に対する立上げ・再構築の内容となります。自分で書きながら振り返ると、様々な人の縁に支えられてきたなと感謝しつつ、相反しますが、縁は再現性がないので、縁の中で再現性を追い求めてきたのだなと感じてます。

次回 第3回はアライアンス組織の立上げと新組織の構想、セールス・エンジニアリング組織の立上げ・New KPI設定となりますので、改めてご興味ある方は「いいね」「フォロー」をお願いいたします。

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今後の予定

<第一回>
プロローグ

<第2回>
■組織立上
ハイブリッドワークに順応したインサイド・セールス組織の立上げ
フィールド・セールス組織の再構築・教育

<第3回>
■組織立上
アライアンス組織の立上げと新組織の構想
セールス・エンジニアリング組織の立上げ・New KPI設定

<第4回>
■制度改正
モチベーティング・システムの構築(インセンティブ制度の立上げとその他 施策)

<第5回>
次世代 The Modelの構築

<第6回>
苦労したポイント達と残課題
今後の展望

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