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本の紹介

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記事一覧

斎藤美奈子著『挑発する少女小説』

映画『水深ゼロメートルから』(山下敦弘監督、2024年)は、補習と称して教師から、水を抜いたプ…

アンマchan
2週間前
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白尾悠著『サード・キッチン』

「多様性を"認め合う"」というが、この"認め合う"という言葉(行為)に戸惑う。 世界を"是正"す…

アンマchan
7か月前

森知子著『カミーノ 女ひとりスペイン巡礼、900キロ徒歩の旅』

人は深く傷ついたり、とても大切な何かを喪うと、自分を支えることができなくなり、深い孤独に…

アンマchan
9か月前
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2023年7月1日土曜日 酒。読書。観劇。それだけ~毎月1日は映画館の「ファーストデー…

私の「note」のプロフィールは、『酒。読書。観劇。それだけ』とそっけない、というか投げやり…

アンマchan
11か月前
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アイドルグループ「TRY48」爆誕!~中森明夫著『TRY48』~

「アイドル(IDOL)」とは英語で「偶像」を意味する。 故・寺山修司もある意味「偶像」だ。 歌人…

アンマchan
1年前
5

2023年GW 酒。読書。観劇。それだけ

私の「note」のプロフィールは、『酒。読書。観劇。それだけ』とそっけない、というか投げやり…

アンマchan
1年前
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金井真紀著『酒場學校の日々』

金井真紀著『酒場學校の日々 フムフム・グビグビ・たまに文學』(ちくま文庫、2023年。以下、本書)を読みながら、私は本書の登場人物たちではなく、自分の記憶の中にある人たちのことを思い出していた。 「酒飲み」を自認する人は、それぞれ「酒の飲み方を教わった学校」と言える、居酒屋や小料理屋、或いはスナックやバーといったお店を持っているのではないだろうか。 私は、入社2年目に支給されたなけなしの夏のボーナスを握りしめて、会社近くの小料理屋に勇気を出して入り、そこで一人飲みと日本酒の

岩城けい著『さようなら、オレンジ』

私の大切な友達のことを書こう、書かなければならない。 岩城けい著『さようなら、オレンジ』…

アンマchan
1年前
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「読書」について書く意味~若松英輔著『読み終わらない本』~

”note"には、本に関する記事が多く投稿されている。 "note"に限らずネット上では、大勢の人た…

アンマchan
1年前
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テクノロジーで身体感覚を取り戻す~伊藤亜紗著『体はゆく』~

インターネットやVR・ARは自分の身体を「外部拡張」するテクノロジーだと思っていた。確かにつ…

アンマchan
1年前

こんな京都に出合いたい~赤染晶子著『じゃむパンの日』~

年に何度か京都に行く。 ここ10年ほどは、年末年始を何のゆかりもない京都で過ごしている。 別…

アンマchan
1年前
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100年以上前からのバトンを引き継ぐ~植松三十里著『帝国ホテル建築物語』~

もう10年以上前のことになるが、JR有楽町駅~新橋駅間のガード下にあった飲み屋によく通ってい…

アンマchan
1年前
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取り壊される校舎が卒業していく彼女たちによって再生していく逆説~朝井リョウ著『少…

高校の卒業式というのはとても特別だ、と朝井リョウ著『少女は卒業しない』(集英社文庫、2015…

アンマchan
1年前
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ドラマ化決定! ~源孝志著『グレースの履歴』~(2024年 第42回向田邦子賞受賞)

「映画ナタリー」2022年8月31日付配信の記事によると、源孝志著『グレースの履歴』(河出文庫、2018年。単行本は2010年刊。以下、本書)が、2023年に作者本人の脚本・演出でドラマ化されるそうだ。 (2023.03.08追記) ドラマ『グレースの履歴』は、NHK BSP・4Kにて、2023年3月19日(日) 22:00 放送開始(全8回)。 NHKのサイトを見る限り、オリジナルキャラも登場しつつ、主要な人物・エピソードは概ね押さえているようだ。 草織役が広末涼子さん