初めての雪遊びハイク
寒波が到来した週の土曜日、計画通り余呉湖の周回ハイクが行われた。
こういったハイクは、雪がなければ面白くないし、あまりにも悪天候なら中止となる。
季節の花を愛でるハイクもそうだけど、時期ものはなかなか見極めが難しい。
そういった中で、木、金曜日に雪が降り積もり、当日の土曜日が晴れたと言うのはとてもラッキーな事だった。
それでも、雪はどうかなぁと高速の上から遠くの山並みを見つけては、一喜一憂を繰り返した。
余呉湖のパーキングに着き、レインウェアを重ね着して登山口まで歩く。私にとって初めての雪山ハイク、事前に用意をして来たものの、なにか足りないものはないかと考えを巡らせながらリーダーについて行く。少し歩くともう既に暑い。私の若かりし頃はスキーの全盛期で、みんなこぞって雪山に通っていたあの頃も体を動かしている時は寒さなんて感じなかった。それと同じで、やっぱり歩けば暑い。
衣服調整をして先頭のリーダーの踏み跡に同じように足を置く、斜面の雪が深く、木々の間を抜けながら登る。細いしっかりとした枝がニット帽に刺さって邪魔をしてくるので、そっちの方が厄介だった。しばらくすると交代で先頭を歩かせてもらえた。リーダーは「踏み跡のない先頭を歩くのは疲れる、こうしてみんなで交代して協力するのが、雪山のパーティーの務めだ」と教えてくれたが、ふかふかの新雪に自分の足跡をつける行為がとても楽しかった。
「俺が行くところが、道!」 後ろからリーダーの声が聞こえた。
木々の間を抜けると、王道の登山道に出た。そこはもう幾人かが通ったであろうスノーシューやワカンの跡があって、登山靴だけで歩ける状態であったが、せっかくなので靴にワカンを取り付けて歩くことになった。
初めてワカンを付ける私はもたついたが、なんとか形になった。
「ワカン取り付けたんだから、もふもふのところを歩くんだ」再度リーダーの声。
スノーシューほどの浮力はないらしいものの、なんと楽しいことか。真っ白い世界は久しぶりだった。私たちが黙れば、静かで眩しく穏やかな世界だ。凛とした空気、柔らかい日差し、自然に身を委ねて清々とした気分になった。
古戦場でもある賤ヶ岳で昼食をとる。
余呉湖、琵琶湖、雲の切れ間からエンジェルラダーが見え、伊吹山も顔を出した。
リーダーが山頂での時間をたくさんくれたので、雪だるまを作ってみたり、雪の上にバタンと倒れて人型を作ったメンバーたちの写真を撮ったり、子どものようにたくさん遊んだ。
格別な時間。また宝物が増えた。
雪遊びハイク、また来れるといいな。
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