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『システム×デザイン思考で世界を変える 慶應SDM「イノベーションのつくり方」』1970-80年代のシステム工学プロモーションの誤りを踏襲している(技術の歴史)

 現在1970年代から日本に展開されてきた「システム工学」をメタファーにすることで、あらゆる側面で活用できるようにするためのHow toをまとめているが、その派生であるシステムデザインマネジメント(SDM)が、日本の大学院でどうやって教えられているかを確認するために、この本を読んでみた。

 1970年代や1980年代に発売されたシステム工学の本を読んでみると、鳩山由紀夫氏が得意なオペレーションズリサーチなどの数学的な手段を解説することで紙面を埋めているので、それを活用できるのは、一部の専門家にしか普及しなかった、という大きな問題点がある。

 本書に解説されているのは、SDMの手法の解説が大半を占めている。ある意味、大学で学問として成立させるのには仕方ないのかも知れないが、本来は実社会で応用するための「知恵」が必要なのである。その知恵を身につける手段を「手法」とすると、以前の初期の頃のシステム工学系学者の失敗を踏襲することになってしまう。


Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。