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『14歳からの社会学 これからの社会を生きる君に 』「競争動機」「理解動機」、そして「感染動機」は内発的動機を生み出す(創造性を発揮したい)

 宮台真司氏の社会学の著書。「社会学とは何か」を語るのではなく、社会学を使い社会を解説している本。

 例えば、環境問題であれば、人間が生きるために環境をどう守るかではなく、環境が生きるために人間はどうするべきかを考える環境ラディカリズムを紹介し、アメリカ人が一人死ねば、アフリカ人50人分の資源が節約できると、遠慮なく「考えること」として、14歳に提示する。
 また、脱社会的存在として、当時の事件から「酒鬼薔薇聖斗」を取り上げ、ニュース番組に出演した高校生が「殺人のいけない理由がわからない、自分はバツが怖いから殺さないだけだ」という日本社会の実情を、遠慮なく「考えること」として、14歳に提示する。

 廣松渉氏と小室直樹氏とチョムスキーが直感的にスゴイ人だと認識し、「感染」してしまったことも紹介している。Wikiで確認すると、廣松渉氏は、1970年、学生運動を支持して名古屋大学を辞職した大学の先生で、哲学者のようだ。チョムスキーは、ユダヤ系の言語学者で、小室直樹氏は社会科学者だ。

 「競争動機」は競争に勝った喜び、「理解動機」は理解できたときの喜び、「感染動機」は、スゴイ人に感染して「何か」をしている時間が、すべて喜びの時間になるという喜び。つまり、「感染動機」は「内発性」を与えることになる。そして、感染することで教養を身につけ、彼らに感染するときにこそ「自由」を感じていたという。実によく分かる。

 また、人間は誰かが作った世界は許せないという。
 なぜなら、なんでこんなふうに作ったんだ、別のつくり方もあるのに、となってしまう。ソーシャルデザインを考えると、どんなに理想的にデザインしたとしても、誰もが幸せに生きられるはずの社会で、それでも幸せに生きられない存在、それが人間なんだ、としめくくっている。

Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。