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『はじめての森田療法』メンタルで悩んだとき、手に取る価値のある1冊(人間学)

 仕事がらみで必要なのでこの本を読んでみた。
 明治から大正にかけての海外からの文化や文明をビルトインしてきた日本は多くの神経衰弱(今でいう神経症)の患者が発生した。ドイツのフロイトのような理論でなく、森田正馬の実践した森田療法は患者を次ぎ次ぎと治癒させた。森田療法は、禅、浄土真宗などの仏教の人間理解、東洋の人間理解から影響を受けており、そこにはすでにマインドフルネスの人間理解を内包している。

 森田療法は「不問療法」と呼ばれ、患者の悩みを話題とせず、目の前の作業に取り組むことを助言する。不安や抑うつをありのままに受け入れ、その人のもつ生きるチカラを生活の場面で発揮すること、「あるがまま」で生きていくことを目指す。

 著者の北西さんは、慈恵医大で森田療法を実践し、森田正馬が開発した入院主体の治療を通院可能なものにバージョンアップした人だ。本書は、森田正馬という創始者の人柄から森田療法創造のプロセスとフロイト派との軋轢、さらには現代に適応させた外来森田療法など、分かりやすく解説されている。メンタルで悩んだとき、手に取る価値のある1冊だと思う。

Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。