1980年代にオーストラリアのメディア王マードックがFOX放送を買収しオーナーになった。FOXニュースのCEOであったロジャー・エイルズのセクハラ告発事件を描いたノンフィクション映画。

　時期的にトランプ大統領候補の選挙戦の最中だったため、トランプとロジャーがたぶり、彼らの下品な一面が絵がくだされている。トランプは保守系メディアるであるFOXニュースしか観ないと言われていたが、任期が近くなるとトランプへの批判報道も行うようになったマードックは将来を見据え、トランプが大統領の座を離れても、彼のメディアが価値を保てる道を選んだのだという。

　米国企業のCEOには権力が集中しており、ロジャーのようにセクハラを日常的に行っていたとしても、告発には大きなリスクが伴う。しかし、この映画にあるように経営と資本が分離しているため、マードックがCEOを簡単に解雇できる。これが経営と資本が分離していない日本企業の場合、幕引きはこんなに簡単にはいかないだろう。