令和OLの御簾の内

平安に生まれたかった平成生まれOL

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男もすなる日記といふものを、令和OLもしてみむとてするなり

生きる時代を一文字間違えた女 はあ〜〜、平安時代の姫君になって文のやりとりしてえ〜〜! ーー突然だが、これが私の口癖である。 豊かすぎて重たく見えがちな黒髪、社内のチャットで突然に和歌を詠みだすほどのユーモア、そこはかとなく美麗な筆跡。 悲しくもお胸のあたりがささやかな肉体は、体を寸胴に近づけんとする和服の思考にぴたりフィットする。 さらに平安時代なら、逢坂の関を越すまで御簾越しで顔も知られない。 だからきっと、異性からのモテを得ることにかけては無双できると思うんで

    • 「コーヒー飲めません」が言えなくて

      就職活動をしていたころ、採用担当の方が飲み物を出してくださることが多々あった。 それは緑茶だったりコーヒーだったり、ホットだったりアイスだったりさまざまで。 どれがいいか訊いてくれる会社もあれば、すっと自然に出してくれる会社もあった。 そして私は、コーヒーが飲めない。 大学時代、カフェでアルバイトをしていたくせに、コーヒーが飲めない。 ※余談だけれど、コーヒーの匂いは大好きだ。コーヒー豆の袋を開けた瞬間ふわりと香るあの匂いは、カフェでアルバイトをしてよかったことリストTOP

      • 感情の合法的な味わい方

        どうして物語が好きなんだろう思えば私は、昔から物語が好きだった。 きっかけは分からない。 両親は文芸に興味がなく、家には父の趣味である車の雑誌か、母がかつて使っていたであろう料理系の雑誌しかなかった。 妹も、文芸には全く興味を示さなかった。 そんな環境で育った。 だからこそ、考えるのかもしれない。 なんで私は物語が好きなんだろう、という問いへの答えを。 小論文に書いた答え受験生のとき、慶應義塾大学の過去問を解いた。 そのなかに、「戦禍でお腹を空かせた子どもの前で、文学は

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