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[決算][住友不動産] 2023年度


オリジナルデータ

不動産デベロッパー大手5社の1つ、住友不動産の2023年度決算が先週発表されたので業績推移をまとめます。グラフ化した経営数値や業績に対する着眼点は野村不動産ホールディングスの決算に対して行った以下の記事とだいたい同じなので、文章はちょっと端折ってます😅。


Financial Highlights

売上高、各種利益率の推移

リーマンショックの前、2007年からの売上高と利益率の推移です。左の縦軸の単位は100万円です。コロナ前に1兆円の大台に乗った後、売上高は少し足踏み。一方で利益率は上がり続けています。


資産状況の推移

売上高と同じ期間のバランスシートの推移です。左の縦軸の単位は100万円です。総資産、純資産、有利子負債がすべて増加基調ですが、有利子負債/純資産比率はぐんぐん縮小しています。


キャッシュフローの推移

売上高と同じ期間のバランスシートの推移です。左の縦軸の単位は100万円です。


株式時価総額とROA/ROE


2024年度見通し

売上高は1兆円(23年度比3.3%増)、営業利益は2,670億円(4.8%増)と堅調な増収増益を見込んでいます。

堅調な業績を背景に配当も右肩上がり。23年度は1株当たり60円、来年度は70円の予定。


住友不動産による業績の定性分析

会社全体

オフィスビル賃貸、分譲マンションが増収増益で業績を牽引

部門別では、市況の回復・改善傾向が鮮明となってきた東京のオフィスビルを中心とした不動産賃貸事業と、分譲マンションの引渡し戸数が増加した不動産販売事業がともに最高益となり業績を牽引しました。

賃貸不動産事業部門

需給改善継続、新規ビル募集進捗

当期末の空室率は、・・・6.9%となりましたが、働きやすいオフィス環境を志向する企業や事業拡大のため採用強化を図る企業の新規需要は引き続き旺盛で、 契約面積が解約面積を上回る傾向が続いており、空室率は改善傾向を辿る見通しです。

不動産販売事業部門

増収増益、最高益更新
マンション契約順調、次期計上分の9割契約済

野村不動産の2023年度決算もそうでしたが、不動産市場は堅調のようです。私の実感とはかけ離れている😤。


1株当たりで評価

1株当たりに換算した各種指標の推移を示します。
縦軸の単位は左右とも「円」です。棒グラフの目盛は左軸、折れ線(1株利益、1株当たり営業キャッシュフロー)の目盛は右軸です。

23年度末時点で1株当たりの有利子負債は8,000円強、
純資産は4,000円強、
1株利益は400円弱。
保有不動産の含み益は有価証券報告書に記載されるので6月末まで待たないと分かりませんが、昨年から変わりなければ8,000円弱。

借り入れも多いけど含み益もそれに迫る規模。

なにより1株利益が右肩上がりで、10年前はカクカク上下していた営業キャッシュフローも安定してきている。

ビルの賃料という安定収入を増加させてきた戦略が実を結んでいます。

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