「前しか見なくていい!」アキさんから学ぶ、自分のやりたい事に素直になる生き方
世の常識にとらわれず、自分で人生を切り開いていく。
そのユニークな魅力から、周囲の人たちへ自然と影響を与えている。
そんな強くパワフルに生きる女性たちをフォーカスする、Inspiring Women マガジン。
今回は第一弾。
初回にふさわしい、パワフルで生き生きとした女性を取り上げたいな〜と思った時に、フッと一番最初に思い浮かんだお方がいた。この方にぜひお願いしたい…!という思いがあったので、早速ラブコールさせて頂いた。
そんな私たっての願いを引き受けてくださった Inspriring Women File No.1 は…
上村亜紀 [ウエムラ アキ] さん!(以下、アキさん)
現在アキさんはフリーランスとして、キッチンやインテリアのファブリック(布製品)の企画製造に携わっている。ファブリック以外にも、聞くとワクワクするようなプロジェクトがいくつか進行中とのこと。
一見、多様な活動をされているように見えるけど、すべては「ものづくりがしたい」という共通の思いで繋がっている。
また、現在に至るまでに、世界各国を旅されてきたアキさん。
「やりたい事のヒントというものは、今の環境から離れてみて、新しい世界を見たときに初めて見つかるものかも知れない」
そんな風に思わせられるほど、アキさんの人生は変化とサプライズの連続で、まるでジェットコースターのよう。
掘れば掘るほど面白い、そんなアキさんの人生を覗いてみよう。
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今回は、なんとアキさんおすすめのレストランを予約頂きました…✨
今回の取材場所:ソウルドレッシング/恵比寿
お店のHP:https://www.souldressing.jp/
ーー今日はありがとうございます!お洒落なレストラン…。お料理もすごく美味しいです。
ここは最近よく来てるんです。実はオーナーの方と知り合いで。コロナ禍になってからランチが始まって、美味しいコースがお手頃価格で食べれるのでオススメですよ!
ーーそうなんですね。他のコースもコンプリートしたいくらい、本当に美味しいのでぜひまた来たいと思います!では早速ですが、始めていきますね。
私で本当に良いのかな!?(笑)はーい、お願いします!
ーー今のアキさんのお仕事内容を教えてください。
フリーランスとして東京で活動しています。
ここ数年はキッチンやインテリア関係のファブリックを企画製造する会社の仕事がメイン。
同時に別のプロジェクトも進行中の何でも屋さんです。笑
ーー学生の頃はどんな風に過ごされていましたか?
昔からファッションや写真が好きで、アートにも興味がありました。とにかく色々なことに興味を持ってたんだけど、高校生の時は何を専攻にするか漠然としていて。周りにいた先輩の影響もあり、まずは海外に出てみよう!ってことでニューヨークに留学しました。
親は留学に猛反対だったけど、自分でお金貯めて行くなら問題ないでしょ?って説得し、地元でバイト掛け持ちして必死にお金を貯めた。そして貯金を握りしめて念願のNYへ渡りました。ちなみに、これが私にとっての初海外(笑)
初めて行く海外の地をNYにしたのは、当時の友達が留学したり遊びに行ってて色々な情報が入ってきてたことと、好きなアートがNYの美術館に沢山あったから。
▼NY滞在中に住んでいたYMCAにて
ーーすごい行動力ですね!ニューヨークでは何をされたんですか?
平日は語学学校に通って英語を勉強しました。最初の1〜2週間は休日も家に引きこもってたましたね(笑)やっぱり初海外だったから、辛いし寂しいっていう気持ちが結構強かったかなぁ。
でも少しずつ生活に慣れてからはひたすら美術館を巡ってました。NYの美術館は入場料が任意で寄付の日もあったので、お金がない学生からするととても助かりますよね(笑)
結局NYには2ヶ月ほど滞在しました。
ーー今のお仕事を始めるきっかけは何でしたか?
今の仕事はテキスタイルデザインに関わるものなんですが、ファッションデザインと違って業種としてよく目にするものではなかったんですよね。だからNYに行く前に地元で進路を考えていた時は、そのカテゴリーのデザインには辿り着けていなかった。
ただある日、当時よく読んでいた「装苑」という雑誌でテキスタイルの特集を見かけて。その記事を見た瞬間に、これだ!と思ってテキスタイルについて色々調べ始めましたね。
それがきっかけとなり、次はイギリスへ渡りました。ヨーロッパのテキスタイルデザインを肌で感じてみたくて。日本人の友達がホームステイしていたので、そこで居候させてもらって色々見て回りました。
ーーそれほどテキスタイルに心惹かれたんですね!イギリスでの経験はいかがでしたか?
テキスタイルをやりたい、という気持ちがさらに強くなりました。帰国後は仕事をするために必要な知識をつけたくて、テキスタイルの勉強をするために上京を決意したんです。
そして卒業時の就活で、ある東京の会社に騙されて就職しました。(笑)
ーーえっ、騙されて就職…!?そこではどんな仕事をされたんですか?
就職当初は、海外の商品を買い付けるバイヤーの仕事を担当しました。
まず最初に任されたのが、ベトナムや香港へブランドの視察。そこではデザイナーとの打ち合わせやベトナム雑貨商品の買い付けに連れて行かれました。
その後に頼まれた仕事が、なんとヨーロッパへの買い付け出張(笑)
まだ20代半ばの頃だったかな。アルバイトで入った友人と一緒に呼び出されて。「2人で買い付けに行ってこい!」っていう突然すぎるお願いをされました。しかもクリスマスだし!向こうはお店閉まってる!(笑)
結局、数百万を託されて2週間くらいイタリア・スペイン・フランスへ行きました。でも自分が良いと思った商品を選んで買い付けるのは、すごく楽しかったですね。
ただ結構ぶっ飛んでいた会社だったので、帰国後すぐに友人はやめちゃいました。私は残ったので、セレクトショップを立ち上げるためにショップデザインの進行などをやりました。
ーー1社目からすごくチャレンジング。そこでの仕事は楽しかったですか?
楽しくはあったけど、やっぱり色々とぶっ飛んでましたね(笑)でも元々テキスタイルの勉強をしてたので、どうしても何か作る側になりたくて。そこから少し職を転々としました。
雑貨屋に勤めた後、インテリアファブリック製造の会社で企画をやってました。その会社から独立した人に誘われて、それから新会社の立ち上げと企画を担当しましたね。
その後にフリーランスとして活動し始めました。実はどうしてもやりたいことがあって。それでフリーランスになったんです。
ーー目まぐるしい…!やりたいことって何だったんでしょう?
ものづくりの、もう少し深いところをやってみたくなった。当時働いてた会社の製品はインド製が多かったので、日本や他のカテゴリーの商品にも関わってみたくてフリーランスという道を選びました。
そして1年間、タイへ行くことを決意しました。
▼タイ滞在時の様子、モン族のイベントにて
というのもある経験をきっかけに、自分の人生を振り返ってやり残したことがないか毎日考えてたんです。
ーーきっかけとなった経験について、教えていただけますか?
きっかけは、東日本大震災でしたね。
実は震災当日、旅行でハワイにいたんです。ヒロという街に滞在してたんですが、そこは大分昔に東北で震災があった時に壊滅的な被害を受けた場所だったので、その時も避難所へ避難を余儀なくされました。
結局特に大きな被害はなくて無事だったのですが、テレビ越しに東北の様子を見た時は本当にショックでしたね。帰国してから自分にできることはないかと思い、被災地にボランティアに行ったんですが、実際の光景を生で見て、人生で一番というくらい衝撃を受けました。言葉では言い表せなかった。
それから、「忙しいことに囚われて生きたくない、自分のやりたいことにもっと正直になりたい」と強く思うようになりました。自分のやりたいことって何だろうと考えたときに、やっぱりものづくりだなって思ったんです。やっぱり商品ではなくもっと血の通ったものづくりに関わってみたかった。
そんな時、ふと目にした雑貨に感動して、タイのあるNPOに行き着いたんです。
ーー震災を通して、アキさんの心の中に大きな変化が起こったんですね。タイではどんなものづくりに関わったんですか?
孤児院の中にある小さな工房でバッグや雑貨、洋服などを制作していました。
そこでは、商品の裁断や縫製はタイ人スタッフが、手刺繍や“SAORI“という手織機を使って織る手織りの生地は山岳民族女性が担当していました。私は全体の生産管理と、手織りする生地のデザインと色指示、ミシン刺繍のパッチワークなどを行なっていました。
▼作業の過程
▼タイの施設での仕事風景
NPOが運営する孤児院だったので寄付も届いてはいたのですが、寄付だけに頼らずに運営費を自分たちでも生み出せるよう、また、いつか大きくなった子どもたちが働ける場所になれば、という代表の思いもある素晴らしい場所でした。
実は今日持ってるバッグも、その時に作ったものなんですよ。
ーーそのバッグ、色使いとデザインがすごく可愛いと思ってました!
▼タイのNPOで作られたバッグ(アキさん私物)
▼アキさんが色や素材を指示した小物たち
ーータイでの経験を経て、何を感じられましたか?
1番印象的だったのは、現地の子どもがすっごく幸せそうだったこと。
私たちが持ってる発展途上国に対するイメージって、「貧しくて大変そう」「不便な生活で可哀想」みたいなものが多い気がしませんか?世間的にもそういう風潮が強いのかも。NPOとかの広告も、悲しんでる子どもたちを切り取ってあったりとか。
それもあって、私もちょっとそんなイメージを持っていたんですよ。だからこそ、タイの山岳民族の村を訪れたとき、高床式住居に住む地域の子どもたちに出会った時のことをすごく鮮明に覚えてる。
日本人から見たら不便な暮らしかもしれないけど、彼らは本当に幸せそうだし、すごく満足しているように見えた。その時、ふと思ったんです。
発展途上国の暮らしを「可哀想」っていうけど、誰から見たら可哀想なの?みんなすごい幸せそうだよ!って。
それから、可哀想っていう枠にはめたくないし、はめられたくもないって思うようになりました。
ーーそれは、ずっと日本にいたら得られなかった経験ですね。その経験から、そういう思いを抱かれることも素敵だなと思います。
そうですね。実はタイのNPOに参加するのも、一筋縄ではいかなかったんです。
NPOの枠が応募制で事前面接があったんですよね。私の面接日が締め切り最終日だったのに、その日から中国へ出張する予定で(笑)でも、どうしても諦められなかったんです!ダメもとで面接を調整頂いた結果、合格して参加できました。
後で聞いたんですが、私が受ける時点で実は枠が埋まっていたらしくて。でも面接をした後、私に決めて頂いたそうです。
頑張って動いてよかったって思いました!
ーーすごい行動力と熱意…!!タイへ行くまでも、そんな努力があったんですね。NPOの活動を経て、現在の活動を教えてください。
冒頭でも話した通り、現在はファブリックの企画製造をする会社の仕事に、フリーランスとして携わっています。出張で度々インドに訪れる機会もありますね。
▼インドのメーカーの玄関に描かれた、歓迎の意を示すコーラム
▼布の染め場にて
▼お世話になっているインドのメーカーのご家族から、誕生日を祝ってもらった時の様子
といっても実際に関わっているのは、ものづくりの部分だけではなくて(笑)最近は、営業や経営という今まで経験してこなかった領域に足を踏み入れています。
ーこれまでと違いすぎる…!また新たなチャレンジですね。
本当に分からないことだらけですよ!やったことないんだもん(笑)でも自分がやらなきゃ誰がやる?って思っちゃって。
「ここ上手くできてないな」「もっとこうしたら良いのに」って一度気づいたら何かやらないと気が済まないんです。もともと、肩書きに縛られるのが嫌いで。自分の業務範囲を決めたくないし、できていないことを見て見ぬふりするのが好きじゃない。周囲に経営者なども多いので、日々アドバイスを貰ったり、勉強しながらやってます!
ー気づきをすぐに行動に移す習慣が、図らずもアキさん自身成長に繋がっているのかなと思いました。普段から意識していることってありますか?
「前しか見なくていい、後ろは崖だから!」と言われてから、前向きに考えるようにしているからかも。だからダメなんだよ、で終わるんじゃなくて、ダメだからどうすればいいの!?というスタンス。
ー最後になりますが、キャリアを通して実現したいことを教えてください!
周りのみんなを幸せにしたい!これはずっと変わらない目標。
よく、人より自分を幸せにしろ!って言われるんですけど(笑)でも周りをほっとけなくて。自分も楽しく、人も幸せにできたら良いじゃんと思ってます。ものを作るにしても、自分が作りたいものだけじゃなくて、人が喜んでくれるものを作りたいと思う。それを見て、自分も幸せになるんだと思います。
▼いつもパワーとハッピーオーラで溢れるアキさん
ーとっても素敵なモチベーションですね。アキさん、今日は本当にありがとうございました!!
ありがとうございました〜!
◼︎ ◇ ◼︎ ◇ ◼︎
インタビュー後には、アキさんから刺激とエネルギーをいっぱいもらって、私自身の心もお腹もしっかり満たされた。
アキさんと話していると、「これが面白い」「これがやりたい」という自分の本能に対して、素直に向き合っている姿がインタビュー中ずっと印象的だった。そして、その本能を実行に移す行動力と決断力が本当に素晴らしい!と思った。
最後に、アキさんからもらった素敵な言葉4選をどうぞ。
1. 「忙しいことに囚われて生きたくない、自分のやりたいことにもっと正直になりたい」
2. 「誰から見たら可哀想なの?みんなすごい幸せそうだよ!って。可哀想っていう枠にはめたくないし、はめられたくもない」
3. 「前しか見なくていい、後ろは崖だから!」
4. 「自分が作りたいものだけじゃなくて、人が喜んでくれるものを作りたいと思う。それを見て、自分も幸せになる」
Inspiring Womenでは、自分の道を切り開いていくパワフルな女性たちをこれからも追っていきたい。
もし身近にそんな女性がいる、インタビューしてほしい!という方がいればぜひ、私の方までご連絡をください😌
✉️aoi.okumura1159@gmail.com
次回もお楽しみに〜!
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