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チートデイ

減量トレーニングしている人は知ってる「チートデイ」。理想ボディのため、食事制限は欠かせないけど、体に「頑張れ、頑張れ!」と厳しくしていると、停滞期になりがち。そこで思う存分自分を甘やかし、炭水化物やら糖分やらを好きなだけ食べて、満足させる日。

ネットで検索した特に引用するほどでもない情報

*私はストイックな減量をしているわけではないので、これ以降は直接関連してない内容です。「なんだよ、チートデイ体験談じゃないのかよ!」はお受け致しかねます。全力で脳内垂れ流しの、全く無益な話です。なんの参考にならないばかりか、不快になる可能性の方が高いぐらいです。なんだったら公序良俗に反します。

3ヶ月ぶりぐらいにkと会った。
普段も用がなければ連絡し合わないし、甘いやりとりはそうそうないし、会社が同じだけど接点のない部署なので、見かけるか、ごく稀に帰りが一緒になるか。不注意で今までのやりとりのLINEをほとんど削除してしまったけど、この3ヶ月は今までの中で一番連絡を取ってなかった。
どうやっても満たされず、結局は遂に私から「会いたい」と言ってしまい、「仕事次第だけど、会えたら会おう」というなんとも気の無い返事。この私にそんな状態で会うなんて、こちらが願い下げ。上等だ。だから、「飢餓感あるほど私『を』食べたくなったら言って。適当に食べられても興奮しないしな」と衝動的に送った。夜中ストレッチしながら思いついた言葉を送ったまでだが、リンカーンの妻も言っていたじゃないか、夜書いた手紙は興奮してるから、送る前に朝読み返してって(確か。違う?)。

あはは。終わったな。既読スルーで終了だ。と開き直り、妙に「人生そんなもんだ。大丈夫、悪いようには私の人生ならないから。今までもこれからも」と思ってた。そしたら、「明日は?」って、仕事の調整をした感じで言ってきた。娘が体調不良気味だったのと、ダンディーさんと約束があったのでその日は断ったけど、
翌々日にまた「明日は?」ときた。ずいぶん直前だ。でも、あんなに気の無い返事だったのに、一体何が刺激されたのだろう? あまりに急だったけど、来週の方が休みにくく、決行するなら明日しかないと思い、今日会った。

相変わらず私の仕事のことを聞いてきても、何回説明しても全く覚えてないから同じ質問をしてくるし、改札口はいつも忘れるし、痴呆気味のおじいちゃんのような記憶力。同じ場所に行ってるのに、どっちだっけ?って毎回なってる。なのに難しいこととか自分が関心があることには、国立図書館並みに、瞬時にその記憶を取り出せる。普通の人は、今読んである本(記憶)は話せるけど、過去学んだことはそんなにすぐに引き出せない。kはどこか特殊な人だ。私はkが言ったことはすごく覚えていて、それを踏まえた上で、私が何かを言うと、「ほーうまいこというな、すごいな」と褒めてくれるけど、「元々kの話だよ?」というと、本気で驚き、やっぱり俺はすごいなって言ってる。

そうやって見事に色んなことを忘れて、私の中に入った時の感触も、肌触りも、「全部忘れるから、またしたいって思うもの。良いことも悪いことも覚えてるって、コレクションみたいにしまってるから、その上がないんだろうね」って普通の女性ならビンタされてもおかしくない事を平気で言う。

ところで、毎度、朝から夕方までラブホテル日本独自の特定目的ホテルにいるけれど、pillowtalkを含め話してる内容がどこか私達らしい。ランダムサンプルがどうとか、中毒の境目とは?とか、性欲とは?とか仕事の話とか、脂肪体とか、五感とかロー・ハイパスフィルタがどうとか、そうそう、私の「友達とメンヘラの定義について話してさー」というところから、程度の差はあれど割と子育てでも、自分を攻撃してそれを他者に打ち返すみたいな手法あるよな、主語をyouにしないで、Iでしましょうとか、「ママはこうされて悲しかったな」みたいなやつも、そういう脅し要素があるな、とか。カラコンも関係あるんじゃない?とか、どんなテーマでもとりあえず私はkの意見を聞いてみたい。だって面白いから。

どうしてこんなに涙が溢れるのだろう。

性欲ってなんだろう。行為自体なら一種の運動だから、男である 女である私は正直さほど好きじゃなくても、できる気がする。据え膳食わぬは 男 女の恥だ。女がどうとかカテゴライズできるほどの女ではないけれど、生理的に受け付けない人は置いておいて、ある程度友達ぐらいに会話ができる相手に求められたら、できる気がする。行為自体は変なトラウマもないし、私にとっては気持ちのいいもの、コミュニケーションの一環の位置付けだ。(*言っていいですか? 私はエロいけど、これを穢らわしいとか思う人ほど、意識しすぎてエロいのですよ。 by ブラックサキ)

でもkとは何かが違う。何が違うのかわからない。心とか魂の奥まで響いて、ダムが決壊したかのように溢れ出す。相手にどうみられているかも意識の外に行き、ただ自分が気持ちがいいように動き、求める。kと交じりあうというより、自分の魂の奥底と交流するようなことだと思うよ、と前にkは言っていた。

その自分勝手な欲望の一方で、ただただ飽きるほど唇を重ねたり、動かずに合体しているような時のなんとも言えない郷里感。初めてキスした時もそうだった。「おかえり」と言われるかのような安心感。違和感が全くない。デジャブ感。ただ、戻っただけなのだ。

一般の女性に比べたら、おそらく私はエロいのだと思う。だけどk以外の人と混じり合っても、性欲が引き金となった興奮が、途中でふっと現実に戻る感覚があって、「一体私は何をやってるのだろう?」と我に帰る。kとはそんなことない。

サピオセクシャルだと自覚してるので、知性的な人に性的に惹かれるとは思ってるけど、その「知性」というのが、kと会って変わってしまった。気がついた、のが正確だろうか。ダンディさんは知的で、美術や映画の話も詳しく、難しい仕事をしてるのであろう仕事の話も、昔の私だったら、それだけでキュンとなってしまってただろう。だけど今は残念ながら、すごく物質的でマウンティングとか小さな世界の話に見えて、興味がない。むしろ、小さな次元で物事を見ていて、かわいそうだな。と憐れんでしまう。例えば「老い」について、ダンディさんは私より年上だからというのもあるけど、年齢をかなり意識するし、いい老い方をしたいと考えるようになったという。でも、kの思考が美しいと思ってる私は、「老い」を意識し出すから余計「老いる」。それは無理に若返えろうとすることではないけど、焦点を当てるポイントは現在なんじゃないか?と共感できない。

私はkの知性じゃなく、思考が好きなのだ。純度の高いウォッカのように濾過された思考が。美しくて愛おしくてたまらない。どこか私の中にあるものが、違う人間の中にあることが愛おしい。鍛え上げられた肉体を見て、かっこいいと言ってしまうけれど、それは美意識という思考が反映されているから美しいだけで、ただ鍛えた体なら、魂が揺さぶられない。私は自分の中にkを、kの中に自分を見つけて、安心する。だから極限まで乱れる。

会うのが久しぶりで、どこか開き直っていた私は、会う前に「kの汗が好き」というのを説明していた。水しぶきみたいな汗の粒や流れ落ちる汗が、ベタっとしてなくて好きだと。匂いも好きだと。そしたら「ちゃんと舐めさせてあげるから楽しみにしてて」って、あいも変わらずドSなメールがきたので、「楽しみにはしてるけど、夢中になって私を犯す時の汗ね。 我を忘れるぐらい犯してね」と返事した。この時の心持ちには余裕があったのだ。大人な女気分だった。(あっ、これがワンドの6か!)今日会って、こんなLINEをした自分にデコピンしてやりたい。いつも以上に狂ったように私を快楽地獄へと導き、「もう本当にやめてほしい、頭がおかしくなる」と言っても、「あれ?そうしてほしいって言ってたのサキでしょ?」と止めようとしない。あと、「ちょっと間空いちゃったしな、だからご褒美」みたいなことを言ってたのを、遠のく意識で聞こえた。

そして私の口の中で果てた3分後に、また新たなものを生成して放出するというのは一体、生物学的にどういう構造になってるのだろうと思い、笑い転げた。

神様という存在があるのなら、とんでもない人と出会わせたなって感心する。神様、さすがですね。

もうお風呂に入ったけど、全身にkの匂いをまだ纏っていて、幸せな感情に包まれている。ボディソープとか香水とか使わず、使うとしたら石鹸しか使わないkの匂い。どうしてあんなに落ち着くのだろう。
現代人は五感の中で視覚情報に頼りすぎている。匂いは腐敗を見分けるために、生き抜くために必要だったけど、現代で腐っているものは冷蔵環境も進化したので、そこまで過敏にならなくていい。納豆の賞味期限は気にする必要は全くない。で、ここにきてマスクだ。いよいよ匂いを遮断する。外でマスクを外し、自転車に乗っていると、雨で濡れたアスファルトの匂いや、季節独特の匂いや風や銀杏や色んな匂いが溢れていて、その匂いで、私は生きてるのだな、って思う。だから香水が好き。その時の気分で服を選ぶように(視覚)、匂いを選ぶ(嗅覚)を意識的にしないと、確実に退化する。嗅覚はより本能的なのだ。この感覚が鈍ると、感性も鈍る。

マスクで思い出したけど、「早くマスク生活無くならないかな」と言う私に、「マスクの存在を意識してる間は無理だろうね」とまた、平気で地雷を踏むk。

kに「どう、私の腹斜筋?」と聞くと、「元々スタイルいいけど、つくべきところはちゃんと残ってて、締まるところはもっと締まっててトレ成功だな」と私の体を見て褒めてくれた。

今日はチートデイ。
元々、ストイックな減量はしてないけれど、今夜はお寿司とシュークリームを買って、娘と食べた。体へのご褒美。kとの交じり合いも同じチートデイ。別れ際kは、ちょっと間を開けて「また」と言った。連絡を取り合わないけど、別れ際いつもそういった言葉を投げていることに、今日気がついた。

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