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UP! mini

UP mini 3Dプリンター(日本販売代理店PP3DPのページ)

2015年から使っています。格安デスクトップ型でありながら精度がそこそこ出る3Dプリンタとして販売されていました。いまは生産が終了しておりUP! mini2 ESが後継機種になります。格安3Dプリンタ黎明期の機種であるので、格安とは言っても当時の販売価格は10万円弱で、決してお安いとはいえないものです。販売元は中国は北京のTiertimeという2003年創業のメーカです。最初にTier time UP Plusという3DプリンタをMakerbotやPrusaといった黎明期を代表するメーカと同時期に発売し、安いながらもそこそこ精度がいい(しっかり角がでる)プリンタとして広く認知されていきました。この UP Plusという機種はUSではAfinaという名前で販売されていたため、UP PlusとAfinaが似てる、UPがパクったのか、なんてことが言われもしましたが、もともとAfinaがUP Plusなんです。このAfinaはUSの雑誌「Make:」にてBest overall experience of the yearを獲得したことで、3DプリンタとしてのUPのポジションが確立されていった感が当時はありました。この辺の詳しいお話は https://www.tiertime.com/once-upon-a-time-2009/ からご参照ください。

これは私的な意見ですが、2010年代初頭はこのような格安3Dプリンタはほとんど登場しておらず、あったとしてもまともに積層ができないものでした。私の研究室では2009年からDimension 1200esを購入して制作に活用してきましたが、当時は3Dプリンタ自体の価格は500万円超え、1kgのマテリアルが10万円、更にサポート材が1kgで5万円というとんでもない値段だったため、サステイナブルな運用には向かないなと考えていました。一方で精度や品質は本当の良いものだったので安定して利用することができました。Dimensionは造形エリアも大きかったので、PocoPocoの筐体自体を出力することができました。下の動画はPocoPocoの演奏の様子。黒い筐体と浮かび上がる白いポコはすべてこのDimensionで造形したものです。

そしてときが流れ、2015年あたりから卓上型で格安な3Dプリンタがたくさん発売されるようになりました。このあたりはtiertimeの年表でも示されていますが、当時はこのDimensionと比較して、まともに制作に使えそうだったのはMakerbotとUP Box/mini でした。中でも最も価格のやすかったUP miniを2015年より購入し、試験的に研究のプロトタイピングで活用していきました。結果としては良好で、私の所属するインダストリアルアート学科ではUP! miniの他、Box, X5, 300等の多くのTiertimes社の3Dプリンタを工房や研究室レベルで導入することになりました。インダストリアルアート学科でどれだけの3Dプリンタが利用されているかを調べてみても面白いなとは思いましたが、それはまた別の記事で。

このUP miniは以上の状況の中利用してきたので、これが他と比較してどうだ、というのは少し説明しずらい(実際には選択肢がほとんどなかった)のですが、良いところとダメなところをまとめておきます。

良い点
・いちおう密閉型なので、匂いが気になりにくい
・面、エッジはそれなりにきれいにでる。
・温度設定が自由にできるので、様々なマテリアルに対応可能
・Windows, Macの両方にプリントソフトウェアが対応している

悪い点
・Macのプリントソフトウェア動作が不安定。Windowsでは同様の問題なし。
・ディスコン
・マテリアルとの相性で詰まりが発生しやすい(研究室ではPolymax PLAで統一することで詰まりは改善されました)
・今んなって思うと、ちょっと高い。学生にすすめる意味でも3万くらいがいいなって思う。

とりあえずコロナ渦で学生の自宅に格安デスクトップ3Dプリンタを発送し、このマガジンをスタートさせたので、まずは記事を一本書きました。これから様々な格安3Dプリンタレビューを学生と一緒に開始していきたいと思います。


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