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英語学習の決定版【後編】

例えば新しい単語一つとってもそうです。アルファベット順に並んだ市販の単語帳で、ある程度暗記できた遠い日もありました。しかし大人になってから出会う単語は抽象的で複雑ですし、日本語と英語が一対一で対応してくれているものばかりではありません。力づくで暗記しようとしても、もはや手に負えなくなっています。
更にその先の、「使える単語」に格上げするためには、単に「意味を知っている」だけではなく、似た単語との使い分けや、どんな単語と一緒に使うのが自然かも(コロケーションですね)分かっていなくてはなりません。

その言葉が使われた時の状況や、その言葉を発した人のその時の表情。それも合わせて、記憶に残ります。あるいは、その単語を知らなかったがために、うまく訳せなかった。恥をかいた。惨めな思いをした・・・。これでもう、その単語は決して忘れません。

もちろんいろいろな学習法を知って、良いものは取り入れていこうという柔軟な姿勢は大事です。でも、巷に溢れる情報に翻弄されてしまったり、その通りにできないからといってモヤモヤしたりするのであれば、一旦立ち止まることを自分に許してもいいんじゃないか。自分に必要なもの、ありたい姿をまず考えて、そこから逆算して、今やるべきことを決めるほうが生産的ですし、自分の目的に合った自分のやり方を生む機会なのかもしれません。

他人の決定打が自分の決定打とは限らない。逆もまた然り。・・・と私は思っていますが、これもまた、巷にある意見のうちの、ひとつに過ぎないのかもしれません・・・。

執筆者:川井 円(かわい まどか)
インターグループの専属通訳者として、スポーツ関連の通訳から政府間会合まで、幅広い分野の通訳現場で活躍。
意外にも、学生時代に好きだった教科は英語ではなく国語。今は英語力だけでなく、持ち前の国語力で質の高い通訳に定評がある。趣味は読書と国内旅行。

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