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DXは流石にやりすぎな気がする

2023年も社会全体の取り組みとして、様々なワードが注目されている。ニュースやCMなど、テレビを見ていても、目新しく一見何かわからないワードというのは、毎日のように生み出されている。

今やかなり当たり前になりつつあるが、SDGSなどとてもいい例である。Sustainable Development Goalsの略称で、日本語で訳すと持続可能な開発目標といった意味になる。冒頭の単語である「サステナブル」だけがキーワードとして出てくることもある、かなり社会に根付いてきた言葉である。

他にも、トヨタのCMでも取り上げられているCO2の排出量を実質ゼロにするという意味のカーボンニュートラルやゼロエミッション、学びなおしによるスキルの再構築を目指すリスキリングなど、様々なワードが新たに社会に登場し続けています。共通して言えることは、こうしたワードは初見にとって殺傷能力が高すぎるということである。

大体、今でこそかなりメジャーになったとはいえ、「SDGS」なんて初見殺しもいいところである。何かの略称っぽいことはわかっても、恐ろしくヒントもない。仮に初見が意中の女性といい感じになっている時で、「犬井君って素敵…とってもSDGSなんだね…」みたいなことを言われたら僕はどうすればいいというのか。しかも「知ってる知ってる…!ええ…ほら…何の略やっけ…!」と苦し紛れに言ったとしても「もうかわいいんだから…サステナブルでしょ」ってまた別の謎ワードを言われてしまうのだ。もうちょっとわかりやすくしてもいいと思えるようなワードである。

ただ、こういったニュースや社会で出てくるワードというのは、総じて分かりにくいワードだということは、僕も認識はしている。何かの略称であったり、造語であったり、パッとわからないものが多いのは、経験としてわかっている。だがその前例をもってしても、これだけは言える。


DXはやりすぎだ。


もちろんここでいうDXとは、デラックスのことではない。2年ほど前から登場し始めた、デジタル技術を活用して改革を行うという意味の「デジタルトランスフォーメーション」の略称である。

知らない人のためにもう少し詳しく説明すると、DX:デジタルトランスフォーメーションとは、AIやIoTなどのデジタル技術を使って業務改善などを行い、改善にとどまらず製品自体やビジネスモデル自体を改革するという考え方のことを指すキーワードである。これまでIT化や、すべてのものがインターネットにつながるIoTといった言葉で、デジタル技術をビジネス現場に活用するということは、昔から言われてきた。そういった内容は、品質向上や改善目的で使用されるものが多かったのに対し、デジタル技術で新たな価値を生み出すという考え方をこれまでのものと区別して、DX:デジタルトランスフォーメーションと呼ぶ。わからなかったら、第3次コンピューター革命αとかで覚えておけば、なんとなく伝わる。

前置きが長くなったが、こんな細かいところはどうでもよくて、この略し方が全く僕には解せないのだ。DXでデジタルトランスフォーメーション。よく考えてほしい。

DはデジタルのDである。DigitalのDこれに関しては何の文句もない。むしろ、D以外の英語が入っていた方が驚きである。問題はXである。もちろんトランスフォーメーションを指す言葉なのだが、トランスフォーメーションはtransformationである。


Xなんて、ついていないのだ。

全然、DTなのである。


今までのビジネスワードはまだ納得ができた。僕は知らないけど英語の造語なんだろうな、僕は知らないけど英語の頭文字をとったんだろうな等、知らないなりにも、まだ納得できる作り方をしてくれていた。もっと言うと、僕に学さえあれば、わかりようがあったと思わせてくれるものではあったのである。

そんな中で、DXはXでトランスフォーメーションなんていう、えげつないTをほり込んできたのである。もちろんこれがDTだったとしても、「チェリーボーイかな?」としか思っていなかったとは思う。下世話な略称を思いつく30歳の脳を呪うことになったことは必至だろう。でもまだ、納得はできた。

ただ、Xがトランスフォーメーションなんて言われて、こっちはどうすればいいというのか。いくら何でも問題がトリッキーすぎて答えさせる気がないレベルなのは、いただけない、解せないのである。


デジタルトランスフォーメーション。ChatGPTをはじめとする、AI技術の進歩が目まぐるしい今、ますます注目を集めるであろうワードであることは間違いない。これを機会に様々な企業や団体が、デジタルによって新たな価値を生み出されることだろう。

「DXによって、生活が便利に!」そんな言葉がIT化のように、当たり前に街中にあふれだしても、僕はずっと引っかかり続けるのだろうと思う。


なぜ「DX」と表記するのか? デジタルトランスフォーメーションの英語表記は「Digital Transformation」です。

大塚商会-デジタルトランスフォーメーションはなぜDXと略す?-


それがたとえ。


これは、英語圏では接頭辞の「Trans」を「X」と書く慣習があるためです。

大塚商会-デジタルトランスフォーメーションはなぜDXと略す?-


TransをXと書く習慣があったとしても。

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