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ピアノレッスンのスランプの原因が意外すぎるアレのせいだった話

最近、大学院を卒業して1年半ぶりにレッスンに通っています。
卒業してからは演奏の仕事をしていたのですが、コロナで全部なくなったこともあり、改めてちゃんと師匠に見てもらおうと思い行くことにしました。

最初のレッスンはやけに緊張するし上手く弾けなかったけど、細かく指導を受けているうちに毎週レッスンに通った頃の感覚を取り戻し「あぁこれだ。。。」と。もはやピアノを診てもらうような、処方箋、カウンセリング、オーバーホールしてメンテナンスしてもらうような、まな板の上で丸裸にされて観察されるようにごまかしの一切効かない場、そんな感覚です。そんなに大曲をレッスンしていただいたわけでもないのに、1時間半ほどのレッスンをして帰宅したあとはもう何もできないくらいにヘトヘトでした。やはりレッスンは常に必要なんだと自覚して、本当にいいきっかけになりました。

今回の記事の本題はここから。発表会に出演する予定があってそれを一つの目標に数回レッスンしていただいていたのですが、発表会前最後のレッスン、一昨日のことです。レッスン最初に満を時して暗譜で演奏したのですが、まあ調子が出ない。全然出ない。なんだこの音は。普段弾いている感覚と違いすぎる。緊張しているのもあるけど、それにしてもこんな風だっけ。実はレッスンに再び通い出してからも思っていたことだけど、自分の音が全く出せない。そして今日もやっぱりだ、、びっくりしてわずか数小節で暗譜が飛び(こんなこと普段はほぼない)弾き直すことに。。。その後は最後まで弾き通せたけど、自分の普段の表現ができた瞬間が一瞬でもあったか...?1年半のレッスンブランクってそんなに大きいものか...?俺ってこんなにダメだっけ。先生のピアノは華やかなスタインウェイで、かなり音が出るので難しさもあるけど、でもこのピアノでずっと何年もレッスン受けてきたわけだし、よくわかってるはず。これでいい演奏もしてきた。1年半でそんなに扱えなくなるものなのか?レッスンはなくても自分なりにはピアノはちゃんと弾いてきた。どうしてだ。緊張のせい?ここまでメンタル影響するっけ?そういう範囲の問題じゃない気がする。でもわからない。。。結構ショックで、悔しくて、ありのまま先生にそれを伝えました。あれこれ思いつく限りの原因を喋ったけど、結局たどり着くのは自分自身の気持ちの問題じゃないかということ。レッスンでどうなることでもない。なんだかナーバスになってしまい先生の前でデリケートでめんどくさい奴みたいになってしまった。本番前にこんなスランプなんて...

その後は普通にレッスンを受け、最後に「じゃあもう一回通しておく?」と言われたので弾くことに。その時、感染症対策のためにしていたマスクが暑くて耳も痛かったので(小さいサイズをつけていたせい)紐を引っ張ったりしていたところ、「通す時くらいマスク外してもいいよ」と言ってくださったので、外してスッと開放感で爽やかになりました。そうして弾き始めると...

!?!?!?!?!?!?!?

これは俺の音だ!!!!!!!!!!

え!?!?!?!?!?!?!?

あれ!!!!!!!!??????

戻ったぞーーーーーー!!!!!!!

めっっっっちゃ衝撃でした。
あっさりと自分の音、自分の調子を取り戻した。
いつも弾いている感覚と同じ。まさしく。

動揺してミスはあったものの、演奏の良し悪しは別として、とにかく自分の音を出せて音楽に入り込んでよく聴いて集中して演奏できた。自分で音をちゃんとコントロールできた。

先生に「全然演奏が変わった!今の演奏ならもう言うことない」とまで言われた曲もあり、拍子抜け。。。

原因は完全にマスクでした。
マスクでこんなに音の聴こえ方が変わるんだ。

...って、元々経験的にわかっていたはずなのに。
レッスン中は気づけなかった。忘れていた。

あるピアニストが「マスクをしてピアノを弾くと、ほっぺで音を聴けなくて感覚が違う」と言っていて、ほっぺ、、なるほど、だからか!とすごく納得したことを思いだしました。顔の皮膚で音を聴く感じ、マスクはそれを覆ってしまうから鈍くなる。後小さいマスクだったから耳が突っ張られてたのもあるかも。

ここ最近の謎がパァッと解けて晴れやかな気分で帰れました。

本当に、マスク1枚にここまで翻弄されるなんて。。。
灯台下暗しもいいとこ。

何はともあれ、ホッ。。。

皆さんもこのような経験ありませんか?
もし同じような悩みの人がいたらマスクをちょっと外してみてください。
もしかしたら、もしかするかもです。。。

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