過去の短歌たち 2
少しだけ甘いと言うから手に取った正直煙の味はわからん
真っ白な部屋に映え得る赤色の紙パックジュース甘めのりんご
「ラーメンの半ライスセット、あと餃子、あ、生中もひとつください」
真っ黒な夜に聳え立つ街灯に目が眩むもしかしてこれは毒
もういっそ嫌いになると意気込むが嫌いになれない好きでいたいよ
馬鹿でいい罵ってくれおれはもう助からない、お前を好いている
しあわせな叶わぬ夢を見た朝は寝ても起きても満たされないな
「かわいい」を身に纏うことで私ごと「かわいい」になれこれは呪いよ
さようなら、名もない感情に手を振る 名前をつけてはいけない夏夜
きみの目を覗いて刺されて恋だった、知らぬまま死んだほうがよかった
少しだけ教えてほしいきみのこと わたしのことは知らなくていい
何もかもあなたに侵食されていて何をするにも思い出に泣く
「ねえ今度飲みに行こうって言ったよね、話聞いてくれるって言ったじゃん」
秋が好き、冬が好き、春が好き、夏は暑くて生きていけないからだめ
ずるいとか言われても困るこの恋は私の意思で操作できません
好きな色、食べ物、季節、アーティスト、アレルギーの有無、浮気のライン
夢でならあれこれそれも叶うのに(叶ってしまったら終わりなのに)
「夏が好き」?よくわからない、暑いのに?正気を保て、冬を待つのみ
いつの日か救われたいな救世主 わたしがわたしをすくってあげる
日常の端に映り込み無抵抗 逃れられずに慕っています
幻想と夢で作られた恋でした「盲目すぎてバカ」って笑って
好きだった好きだった好きだった好きだった好きだったはずなのに
夜のまま沈んでいたいもう朝を迎えたくないかみさまどうか
いつだってあなただけだようそだけどぜんぶがすきよしらないけれど
かわいいになるためだけに生きるのにかわいいをすると苦しくて泣く
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