空とべじゅうたん (朝の作文2017.12.4)

 山田は空飛ぶじゅうたんに憧れていた。毎晩家のそれっぽい模様のじゅうたんに怒鳴りつけては、飛ばないことにがっかりして寝た。
 山田は空飛ぶ牛タンを知っている。しかし、山田が飛ばしたいのはじゅうたんなのでこれまで気にしたことがなかった。しかしある日いい事を思いついて、空飛ぶ牛タンを大量に買った。
 山田は同じじゅうたんを二枚買って、その間に空飛ぶ牛タンを詰め込んでフチを縫い付けた。すると牛タンが浮かんでじゅうたんが飛んでいるような形になった。
 しかし山田は空飛ぶじゅうたんの使い道がなかったので、一通り近所を飛び回るとじゅうたんから牛タンを取り出して食べた。思っていたより新鮮でもなかったので、それから山田が空飛ぶじゅうたんを求めることはなかった。

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