脳みそのなくなった死体が見つかった。しかしその死体は、それ以外はまったく怪我をしていなかった。脳みそだけがなかった。その事件は多発した。しかも、密室で死んでいたり、とにかくどこでも起きた。さらに、電車の中で、周りの人が見ている前で突然脳みそがなくなって死ぬパターンもあった。
　あましにも不気味なので、警察だけでなく政府も調べ始めた。死亡者の身辺を調べてみると、なんと死亡者は全員同じメーカーのイヤホンを使っていた。「黒崎オーダーメイドイヤホン」である。
　警察が社長の所へ捜査に行くと、目の前で黒崎が死んだ。やはり脳みそがなくなっていた。黒崎の持ち物から、「耳から脳みそを吸うイヤホン」の設計図が見つかった。黒崎は死んでしまったので、なぜこんな物を作ったのかはわからない。

つづく。