帰るまでの時間 (朝の作文2017.11.28)

 Y村は生まれつき時間を操れる力を持っていた。
 Y村は家を出ると時間を夕方まで進めて家に入った。これを繰り返していたから、今まで一度も仕事に行ったことがなかった。
 ある日、時間を操ることが出来なくなった。理由はわからない。しかたがないので、初めて出勤した。5年も同じ会社に勤めているのに、仕事はしたことがないので見よう見まねでやったら、全然違っていたので、あとで全部やり直したりした。
 Y村はもう一度時間を操れるようになろうとして、特訓をしてみた。しかし元には戻らなかった。
 結局Y村は、そのまま普通に仕事をして、普通の人と同じような一生を過ごした。しかしその反面、ただの社員から総理大臣になった、普通の人とは違う一生を過ごした男がいた。

つづく。

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