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今でも魅かれる名曲「ルビーの指環」レビュー

2023年の紅白歌合戦歌唱曲の中で、最も魅かれたのが寺尾聰の「ルビーの指環」だ。
テレビ70年特別企画「テレビが届けた名曲たち」による出場だった。

「ルビーの指環」がヒットしたのは1981年。私は、この当時、まだ流行音楽を理解できる歳ではなかったので、リアルタイムでは聴いていない。

既に43年が経過しているのに、今の私が聴いても魅かれる曲だった。

調べてみると、当時、圧倒的なヒットを記録していたことが分かる。
ザ・ベストテンで12週連続1位。これは誰にも破られなかった歴代最高記録だという。トップテンでも10週連続1位を含む12週1位、オリコンで10週連続1位。
1981年だけで年間1位の132万枚以上を売り上げている。
昭和を代表するヒット曲の中でも屈指の名曲と言っても過言ではない。

作詞松本隆、作曲寺尾聰、編曲井上鑑。今では3人ともレジェンドだ。

「ルビーの指環」は、歌い出しの3小節で、一気に歌の世界観にどっぷり浸かってしまうほど、歌い出しのメロディーが見事である。

そのメロディーに作詞の松本隆がまるで映画の場面を映し出すかのように情景を描く。
最初に冬の別れの場面を描き、続いて指環を買った夏を思い出す場面を描き、再び冬の別れの場面に戻り、最後はその2年後を描く。

最後の2年後を描く場面で鮮やかに転調しているところも、よく練り込まれている。

切ないロックサウンドも、渋い男を演出しているし、寺尾の低音ボイスも、楽曲の雰囲気にぴったり合致している。

キーを低めに抑え、基本的には1オクターブ内でメロディーを構成し、誰もがカラオケで歌いやすくなっているのだ。

まさにヒットすべくしてヒットした作品と言えるだろう。

そんな名曲なのに発売前は、所属していた石原プロの専務から「こんなお経のような曲が売れるわけがない」と酷評されていたそうだ。

低音でロックと歌謡曲を融合させたような曲調は、当時としては異質に聴こえたのかもしれない。

テレビ70年特別企画「テレビが届けた名曲たち」は、1回限りの企画になりそうだが、紅白歌合戦らしい企画だと感じられた。
毎年、また別の歌手の過去の大ヒット曲を復活させて披露する企画をやってほしいものである。


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