マガジンのカバー画像

株式投資の我流説明

16
株式投資に興味を持ってもらえるように株式投資の説明を自己流で書いてみました。株式投資経験は20年以上なので、ありきたりな説明よりも経験から身に着けた説明を心がけています。
運営しているクリエイター

記事一覧

~~株式投資の我流説明~~         その1:はじめに

はじめに タイトルのように、株式投資を自分なりの考え方で説明します。20年以上の株式投資経験から、多くの知識と経験を積みました。どちらかというと、失敗の経験を多く積んだことで学んだような気がします。 赤毛のアンの作品の中で主人公のアンが「私、同じ失敗は繰り返さないの。ひとりの人間がする失敗には、きっと限界があるはずなの。だから全部しつくせば、それ以上失敗することはないはずよ」と言っています。 その通りだと思います。株式投資で多くの失敗をしてきましたが、同じ失敗は繰り

~~株式投資の我流説明~~        その2:前門編 株式投資の面白さ

企業価値から株式投資を考える 企業価値を知ると、株式投資のイメージがつきやすいので、企業価値について説明します。 企業価値は「会社の資産」、「未来の貢献度」、「経営能力」の3つの要素からなると自分は考えています。 会社の資産とは会社が保有する現金、土地、生産設備、無形資産等のことで、決算書に記載されている貸借対照表の資産の部に金額が書かれています。 未来の貢献度とは未来の生活に貢献できるかどうかということです。 人間の生活において、会社はなくてはならない存在です

~~株式投資の我流説明~~         その3:入門編1/7 企業価値

株式は有価証券 株式は買い手と売り手の株式の価格が合ったときに売買が成立します。その価格が株価です。 同じ株なのに買い手と売り手という真逆な思考を持った人が取引をしていることを考えると、株価の基準は人それぞれといえます。 ただ、株式は有価証券です。有価証券は財産的価値を持つ証券です。株式の財産的価値を突き詰めると、企業価値だと自分は考えています。 入門編では企業価値から適正株価を導くことを説明します。 企業価値とは 企業価値は株価との関連性が強いので、前門編

~~株式投資の我流説明~~        その4:入門編2/7 株価

企業価値と株価の関連性 企業価値から株価に至るまでの変化を図で示しながら順に説明します。 企業価値は未来の貢献度、経営能力、会社の資産の3つの要素からなると自分は考えています。 図1は企業価値の要素の縦軸に金額を示した図です。 未来の貢献度と経営能力は投資家によって変化する想定価格になります。 会社の資産は決算書に記載されている実際の金額になります。 図1の右側は会社の資産に含まれる有利子負債を表記しています。 図2は企業価値から有利子負債を引いた金額を表してい

~~株式投資の我流説明~~         その5:入門編3/7 基準株価

基準株価 企業の価値の要素から企業価値を考えると、自分はいろいろな視点から考えます。(表1参照) これは株式投資が趣味である自分だから考えることです。趣味になると、細かいことまで知りたくなる気持ちになるのは多くの人もそうだと思います。それと同じです。 まずは、簡単に基準株価を算出する方法を説明します。簡単な分だけ、あまり精度が高くはありませんが、大体の基準株価がわかります。また、基準株価の基礎となる部分なので、覚えておいた方がよいです。 株式投資に慣れてきたら、徐

~~株式投資の我流説明~~          その6:入門編4/7 PER、EPS

PERとEPS PERとEPSは純利益を基準となる参考指標です。まず、純利益について説明します。 純利益について 純利益は決算書に記載されている損益計算書の純利益になります。 損益計算書にはいくつかの利益が記載されています。それぞれの利益の違いを簡単に説明します。 損益計算書は一期(1年間)の収益でみた決算です。 【売上高】  顧客が支払ってくれる金額 【売上総利益(粗利)】  売上高から材料費あるいは仕入れ価格を引いた金額 【営業利益】  売上総利益から

~~株式投資の我流説明~~            その7:入門編5/7 PBR、BPS

PBRとBPS PBR、BPSは純資産が基準となる参考指標です。まず、純資産について説明します。 純資産について 純資産は決算書に記載されている貸借対照表(バランスシート)の純資産の部の金額になります。 貸借対照表は会社の資産からみた決算です。 【資産の部】 会社が保有する資産価値を金額で表したものです。注意することは株式でもわかるように日々、資産価値は変化します。会計基準に則り、資産の部に書かれている資産価値が時価と大きく乖離しない限りは変動しません。 【負

~~株式投資の我流説明~~        その8:入門編6/7 適正株価

適正株価 入門編の最初に 「同じ株なのに買い手と売り手という真逆な思考を持った人が取引をしていることを考えると、株価の基準は人それぞれといえます。」 と書いたように、投資家の考え方は大きく違います。 その1つの例として、図1のような証券アナリストのレーティングを見ると、強気と弱気という正反対の判断をする証券アナリストが存在します。 株式投資は未来を予測するため、投資家の考え方がそれぞれ違うのは当たり前かもしれません。未来の予想が当たる時もあれば、外れる時もあります。

~~株式投資の我流説明~~        その9:入門編7/7 適正株価の具体例

適正株価を導く 実際にYahoo!ファイナンスの参考指標を使用して、「三ツ星ベルト」の適正株価を導いてみます。三ツ星ベルトは伝動ベルトの大手企業で、高配当銘柄でもあります。 やり方は「その8:入門編6/7 適正株価」の通りに進めていきます。 三ツ星ベルトの成長性を判断する 図1は三ツ星ベルトの株価と参考指標です。 参考指標から、PER=15倍以上、PBR=1倍以上なので、高成長株でなければ、割高感があります。 三ツ星ベルトの成長性を知るために過去10年間の決算を

~~株式投資の我流説明~~         その10:基本編1/4 株式投資のリスク

企業価値と適正株価の重要性 入門編では企業価値と適正株価を中心に説明しました。中長期型のファンダメンタルズ分析で重要なことは企業価値を理解して適正株価を導き出せることです。 適正株価は普段、買い物するときの適正価格と同じです。りんご1個の適正価格が100円だとすれば、80円だと安いと感じますし、120円だと高いと感じます。1000円になれば、大金持ちでなければ、買うのを控えるでしょう。しかし、りんご1個の適正価格を知らなければ、1個1000円でも買うかもしれません。

~~株式投資の我流説明~~         その11:基本編2/4 中長期的な投資方法

リスクを考えた株式保有方法 株式投資のリスクには以下の2つがあることを説明しました。 【リスク1】経済全体の不透明感による株価下落 【リスク2】会社の業績悪化による株価下落 このようなリスクは未来に起こることなので、完全に回避することはできませんが、リスクを軽減させる対策はできます。 【リスク1の対策:短期的に必要とする現金を証券口座に預けない】 経済全体の不透明感による株価の大暴落が起こった時に株価が戻るまでに時間がかかります。また、短期的な株価の変動は企業価値を無

~~株式投資の我流説明~~         その12:基本編3/4 損切りの判断

決算書の種類 基本的には損切りは行わずに長い目で投資をする方が良いですが、会社の継続性が疑われる銘柄であれば損切りします。 仮に、危機を抜けられたとしても、株価が戻るのに相当な時間がかかり、株主還元もないので、損切りしたお金を他の有望株に投資した方が効率的といえます。 損切りの判断材料になるのが決算書です。四半期毎の業績の変化を知るためには決算書の内容をしっかり理解しなければいけませんが、損切りするかどうかの判断であれば、決算書をあまり理解しなくても問題ありません。

~~株式投資の我流説明~~         その13:基本編4/4 会社の成長サイクル

会社の成長性 中長期型のファンダメンタルズ分析では短期的な決算に惑わされないことが重要です。特に成長性の高い会社は毎年、業績が上がるのではなく、業績が悪い時期があります。さらなる成長に必要なことで必ずしも悪いことではありません。 会社の成長性は会社の資産が増えることです。図1は株式投資の我流説明で何度も示した企業価値の要素です。会社の資産は有価証券報告書に記載されているので確定要素です。 「未来の貢献度」と「経営能力」の不確定要素を予想することは、会社の資産がどのくら

~~株式投資の我流説明~~         おまけ1/3 株式購入の基礎知識(証券口座、NISA、取引時間)

はじめに 株式を購入するために知っておくべきことを説明します。株式投資経験がある方はほとんど知っていることだと思います。 内容は下図の通りで3回に分けて説明します。 今回は証券口座、NISA(ニーサ)、取引時間です。 証券口座 株式を購入するためには証券会社の口座を開設する必要があります。 口座の種類としては以下の通りです。 ①特定口座(源泉徴収あり) 証券会社が源泉徴収を代行で納付してくれるので、確定申告をする必要がありません。 ②特定口座(源泉徴収なし)