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個人投資家とプロの違い

私は、投資のプロとして長らく従事してきました。

個人投資家の方と投資の専門家の考え方の違いについて記載したいと思います。

まず、1つ目は金利に最も重きを置くことです。個人の方と話したり、ブログをみると株や為替のことは知っていますが、金利のことを語る人はすくないように感じました。直接的に債券などの金利商品を扱わずとも、為替は短期金利差に連動しますし、株などのリスクアセットは短期金利で割り引かれます。各国、特にFEDの金融政策により、市場は大きく左右されます。従って、金利を制するものこそ、市場を制するといっても過言ではありません。


2つ目は、グローバルに市場を観察することです。個人投資家は、日本の個別材料はしっているものの、世界の市場情報はあまりしらないことが多いようです。しかし、日本は経済指標や政府高官の発言では株価はほぼ動かず、日銀の金融政策が唯一マーケットインパクトを与えられる日本の機関といっても過言ではありません。(最近、日本株が上昇していますが、TKY時間の上昇は0.5%程度に対して、夜間は4%程度上昇しています。)上述したことに関係ありますが、まずは欧米、特に中央銀行のスタンスの変化を注視しています。(発表する声明文の細かな言い回しの変化ですら重要視します。)また、それらを決定付ける経済指標、製造業PMIなどの購買者のセンチメントやGDPNow、雇用統計を最も重視しています。


3つ目は投資の背景を重視することです。例えば、デットクロスしたからポジションをとるのでは上手くいっている間は良いですが、はずれた場合原因がわからず、ポジションを維持するのか、同じようなシチュエーションになった際どうするかながわかりません。何事の仮説・実行・検証が重要となってきます。例えば、投資家には持ち値を意識しないといけない投資家が一定層いて、デットクロスはそれらの投資家の損益分岐点であり、ポジションを投げなくてはなくなり、それが大きくトレンドとなるといった考え方です。


必ずしも投資のプロが優れているとは限らず、個人の方が意識している考えも参考になることが多いですが、両方の良いところをとって相互補完していくことが望ましいのではないでしょうか。



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