【半導体業界の基本と仕組み】半導体業界の動向とカラクリがよ~くわかる本 要約①
こんにちは。
都内でひっそりと生きる専業主夫です。
昨日は世界中が注目するFOMCでしたね。予想通り政策金利は据え置きとなり、年内3回の利下げ予想を維持となった結果を受けて米国株が買われ、ダウ、S&P500、ナスダック全てプラスで取引を終えました。
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/LWUAVMGZNVLQBIG2CJVR2RXVXQ-2024-03-20/
相場に大きく影響を与える日銀政策会合とFOMCを無事に通過し、米国株も上昇基調が見込まれているものの、
>利下げ時期の決定は今後入手される一段のデータ次第とし、「慎重に進めたい」という考えを改めて示した。
とパウエル議長の発言にもあるように、投資家も株の買い増しには慎重になる必要があります。
なお、「今後入手される一段のデータ」とは「CPI(消費者物価指数)」などを指しています。
特にCPIが注目されるのは、2%を超える上昇となった場合です。 物価の上昇率が2%以下であれば、経済は安定して成長していると考えられます。
しかし、この基準を超える上昇になると、景気が過熱して企業業績の悪化や個人消費の落込みに繋がり、株式市場にマイナスの影響を及ぼします。
今月13日に発表された2024年2月のCPIは、総合指数が前年比+3.2%、コア指数が前年比+3.8%と市場予想(総合指数が+3.1%、コア指数が+3.7%)を上回っており、目標値の2%からはまだまだ上回っているため、未だインフレ状態にあると言えます。
なお、私は新NISAでの投資信託と個別株で約500万円を米国株に投資しています。
読者様の中に私と同じく米国株投資家の方がおりましたらフォロバさせていただきますので、何卒フォローのほどお願いいたします。
今回は半導体関連の記事になります。
1つの記事ではまとめ切れないので、3回くらいに分けて記載する予定です。
(前回の半導体の記事については下記を参照ください。)
今回は動画ではなく本の要約となります。先月(2024年2月1日)に発刊したばかりのこちらの本を図書館で借りてきました。
図書館では、無料で最新の本も借りることができます。(こちらの本は定価で購入すると税込1,540円となります。)
もちろん人気の本はなかなか予約が取れないのですが、私の住む地域ではネットで在庫を検索して予約することができます。
誰かに借りられている場合でも予約しておけばメールで連絡がきますので、後は受け取りに行くだけです。
高い住民税を払っている以上、図書館を利用しないと損だと思います。
(参考までに、私は図書館で無料で借りてきて勉強し、後で見返せるようにnoteで重要な箇所を記録するという使い方をしています。)
①半導体業界の基本と仕組み
・20世紀最大の発明といわれるトランジスタの誕生から75年以上が経った。その間に電子部品はICから超LSI(※)へと進化し、半導体産業は目覚ましい急成長を遂げてきた。
・急成長した半導体産業だが、日本国内ではバブル崩壊後、一気に国際競争力を失っていった。これには1986年に結ばれた日本とアメリカ間の「半導体協定」が大きく影響しているのだが(詳細は上の記事を参照)、その頃アメリカではその後の半導体産業の行く末を左右することになる、IT産業などのニューエコノミー(※)が台頭し始める。
・半導体の初期の利用分野は国によって異なっていた。日本では主に民生品(家電や自動車)への採用が広がり、お家芸であるデジタル家電の急成長をもたらす。半導体を生み出したアメリカでは軍事用が主体であり、真空管と比べて軽量で低消費電力、しかも高性能となれば航空機の制御に限られることなく、軍事用ミサイルの巡航制御や目標の補足制御などへと採用される。
また、自動車においてはヨーロッパを中心に提案された車載ネットワーク(制御システム同士の通信を行う上で必要なネットワーク)が浸透するとともに、半導体需要が飛躍的に伸びていった。
今ではエンジンコントロールはもちろんのこと、タイヤ空気圧の自動調節、前車との車間距離自動測定とそれによる衝突回避システム、衝突時の衝撃を最小限にとどめる安全システムなど、半導体による電子回路の高速性能や信頼性に負うところが大きくなっている。
現在最も注目されているのは自動運転で、最高クラスのレベル5(※)の実用化に向けた開発競争が激化しており、半導体の高性能化や高信頼性化が強く求められている。
・半導体がもたらしたメリットの中で最も効果的だったのが、電子機器の小型化と軽量化である。モバイル機器の小型化やテレビの薄型化も、半導体がなければ実現できなかった。電卓は登場したてのころは現在のパソコンよりも大きかったのに今では手のひらサイズが当たり前で、スマートフォンなどにもその機能が搭載されていることを見ても、もたらした影響は大きい。
また、複合型のICであるシステムLSI(※)などを考えれば分かるように、単機能のICに比べるとサイズは大きいものの、1つの基板上に単機能ICを多数配置することを考えればスペースファクタ(※)が大幅に向上し、設計上の有利さが得られることは明らかである。
・コロナ禍は半導体業界に影を落とすことになった。影響は自動車やゲーム機、ICT関連などを始め多方面の分野に及び、一時的には世界的な半導体不足という自体を招くことになった。特に影響が大きかったのは自動車産業ではないかと言われている。
「自動車は半導体のかたまり」と言われる一方で半導体の使用量は半導体産業全体の1割程度であり、ゲーム機やパソコンなどに使用される半導体に比べ製造期間が1ヶ月ほど長く掛かってしまうことや、信頼性の基準が厳しいことも相まって納入が後回しになるといった事態も引き起こされた。
・産業用ロボットの分野では、安全なロボットが生産性を向上させるという見地から、機能安全やフェールセーフ(※)などが重要視されている。そのため、同様に安全確保が重要であってその技術面で一歩先を行く自動車産業に世界中が注目している。
・半導体の高集積化は、半導体チップ自体の超小型化を実現するとともに、MEMS(※)などの技術を応用した加速度センサやジャイロなどの機能を搭載することで姿勢制御を可能とする。この機能を応用するとドローンや無人飛行機から送られてくるセンサ情報をもとに、手元で有人飛行と同様のコントロールをすることも可能になる。
・世界の半導体製造装置販売額は700億ドル超(2020年)と大きく伸びており、エリア別に見ると、アジア勢が世界を牽引していると言われている。世界シェアも中国を筆頭に、台湾、日本、韓国などが8割以上を占めている。中でも中国の成長は著しく、世界シェア25%以上でトップに君臨している。
日本はプロセス技術(※)に関する評価が高く、半導体製造より早く世界的な競争に勝ち残っている。プロセス材料の分野では、「供給できるメーカーが世界中で日本の1社のみ」という部門もあり、半導体を取り巻く周辺産業では日本メーカーが世界で活躍している。
・半導体の製造形態には、1つの企業で全ての製造を行う「垂直統合型」と、専業メーカーが製造工程を分業する「水平分業型」があり、現状では「水平分業型」が主流になっている。
半導体の製造工程には大きく分けて開発・設計・製造・組立の4つがあり、4つ全ての製造工程から販売までを一貫して手掛けるメーカーは「垂直統合型企業(IDM型メーカー)」と呼ばれる。
一方、それぞれの企業が独立して生産工程を分業し、製造していくのが「水平分業型企業」である。開発工程は「IPプロバイダ」、設計工程は「ファブレスメーカー」、組立工程は「組立メーカー」というように、各工程を専業メーカーが受け持って1つの半導体製品を作り上げている。
・製造装置でも材料分野でも世界的レベルにあり、基礎技術も決して引けを取らない日本メーカーの半導体はなぜ凋落したのか。そこには技術とは別の問題が横たわっている。
半導体の需要は5Gのスマートフォンやレベル5が現実味を帯びてきた自動運転などの市場拡大により今後も一層伸びていくと見込まれている。
そこで必要なのは政府による支援ということになるが、トップランナーの国とは世界的に大きな差があるのが現状である。
決定や対応の遅れは産業界だけではなく、国家安全保障上も大きな問題になると考えられることから、大胆な方針の打ち出しが求められている。
今回は基礎となる「半導体業界の基本と仕組み」についてでした。
次回は産業構造の変化や、知的財産権の流出、各国の国家的な取り組みについて取り上げたいと思います。
気になる方はフォローしてお待ち下さいませ。
それでは今回はこの辺で失礼します。
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