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新型コロナ不況とリーマンショックや震災不況などとの違い。今やるべきこと

新型コロナ不況がやってきています。

身近なところでは、飲食店が倒産したり、航空会社が未曽有の減収減益におちいったりしています。仕事がなくなった方や、失業した方も多くいらっしゃいます。

明らかに景気の状況はよくないわけですが、これまでの震災不況やリーマンショックなどとどう違うのでしょうか。

地域限定の震災不況

神戸・淡路大震災を経験した私としては、東日本大震災や新潟・熊本の震災、中国地方を中心とした集中豪雨など、日本各地を襲った災害は生々しく非常に辛辣なものでした。

震災が起こった当初は、当然ですがそのエリアの経済は全く機能せず、とにかく災害で崩れた建物を片づけたり、元の生活に戻るためのインフラの復旧をはじめとして、様々な活動を行うしかありません。

被災された方の心情を考えると心が痛みますが、経済の面で見ると、被害範囲は限定的なので、そのほかの地域は経済活動を行うことができます。

辛い日々を送る地域がある一方で、他の地域がその地域を助けることも可能でした。

業界限定のリーマンショック

金融業界や不動産業界を中心に大きなダメージを受けたリーマンショック。米国起点だったこともあり、多くの産業がダメージを受けました。

御多分に漏れず日本も、金融や不動産はもちろんのこと、製造業や飲食業などにも大きな影響を与えました。

しかし、中国経済の盛り上がりなど、米国経済に影響を受けづらいエリアや、リーマンショックの影響から遠い産業は通常の経済活動行っていて、世界全体で見れば限定的な不況であったともいえます。

インフラ産業や、有価証券や不動産による収入をあてにしていない企業、そういう企業通しの商売で成り立つような企業に関してはほとんど影響がありませんでした。当社もそういった企業が多かったため、特に影響を受けることはありませんでした。

新型コロナウイルス不況は世界経済を止める

これらに対して新型コロナウイルス不況は、皆さんご存じの通りで、

・エリアは世界中
・影響を受ける業界は広範囲

となります。エリアについては、わかりやすいですが、業界についてはどうでしょう。この状況でも元気な業界はあるといえるのですが、「ヒトが経済を動かしている」「ヒトの活動を止めることで感染拡大を防ごうとしている」という施策となっている以上、長期化すればするほど動きはどんどん制約されることになります。

災害のように、解決したと思われるエリアから順に通常経済にもどっていったとしても、世界はつながっています。特定エリアだけで経済が回っているのであれば、そのエリアから順に好転しそうなものですがそうもいかないのです。

例えば、輸出入でモノが動いた時のチェックはこれまで以上に時間がかかるでしょう。通常に戻ったからとヒトが動き始めれば、収まったと思っていた感染が再び拡大するという懸念もあるといいます。

副作用が少ない薬が開発され、ワクチンも開発されるようになるまでどれくらいかかるのか、当初イギリス政府がやろうとしていたように特定エリアにおいて60-70%の人が感染し抗体ができるまで待つしかないのか、いろんな見解が日々登場しますが、経済の側面からみると緊急事態宣言が発出されているゴールデンウイーク明けくらいまで頑張ったとしても、単純に収束するとは言えなさそうな感触です。(でも、やるしかないので、当然外出など控えるわけですが)

長期化する新型コロナウイルス不況、生活の変化は?

長期化が予測される新型コロナウイルス不況。限界はあるものの、自宅にいながら可能な経済活動をできるようになっている企業のほうが強い、もしくは、この状況であっても必要とされる企業が強いということになります。

前者は、例えばメーカーなどで、設計者や開発者が集まって何度も会議をして決めていたプロセスが見直され、コールセンターなどは在宅で行う企業も増えていくでしょう。

こういう流れが一定進むと、ヒトがどこに住んでいるか?わざわざ都心に住んでラッシュアワーの電車にのるのか?といったことに疑問を持つ人も増えるはずです。そして、より一層のECサービスやNetflixのようなクラウドベースのエンタテイメントを楽しむ人も増えるでしょう。

その結果、新型コロナ不況が長期化すれば、あるタイミングから「本当の意味での働き方改革」が起きます。そして、それに対応した企業に人があつまるようになり、「働く場所の自由」を得られない企業はブラック企業と呼ばれてしまうかもしれません。

その一方で、物流業や製造の現場のように、物理的な活動を必要とする産業に関しては、必要性・重要性が再認識されるはずです。

これまで、工場労働者や運送業者などの人が動く労働環境にある人は、下請け構造から賃金も安く、ヒト不足も進む中過酷な労働を強いられていました。

もともと、特に物流業にかかわる労働者の賃金は見直されようとしていましたが、今後は、その動きも加速していくはずです。

自分の働く産業がこれからどうなるのか、新型コロナウイルス不況が長引けばどういう方向に向かうのか、思考実験を行って備えることが今やるべきことなのです。


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