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白隠禅師の渡橋図を読むが・・・心の目に映らない

白隠慧鶴(はくいんえかく)禅師の絵に魅せられて長い。白隠禅師は江戸中期に衰退していた臨済宗を復興させた、中興の祖といわれている禅僧である。私の心にのこる白隠禅師の自らの公案(禅問答)ひとつ「隻手音声(せきしゅおんじょう)」が印象深い。「両手を打ち合わせると音がするが、片手ではどんな音がするのか」というもの。心の耳で聞くと聞こえてくるらしいが、いまだ私の心の耳には達してないようだ。
 
さて、本題の絵であるが、白隠禅師は「達磨図」を多く描いている。達磨さんも好きだが、この絵(写真)がもっと好き。そんな心境なので紹介してみる。
観た感じ少々分かりづらいが、三人の盲人が杖を頼りに、右がその杖をさしのばし、次に体を折り曲げ、最後に杖に履物をくくりつけ腹ばいになって丸太橋を渡っている。なんと滑稽な姿で表現している。こんな姿で描く白隠禅師が大好きである。この図に暗示したものは、盲人のごとく人生という厳しい橋を渡る様子を描いている。一人の人物の三段階変化を表わしているといわれている。
 
横長の構図が好きである。ユニークでユーモラスなタッチで描かれている。よく見ると、丸太橋の先が対崖まで届いていない。橋としては役立たずであるが懸命に盲人は渡ろうとしている。対崖と丸太橋の先との間に賛(文字)が添えられている。
「養生も浮世も座頭乃丸木はし ワたる心か好き手ひき也」と書かれてある。
なんぼ頭をひねっても白隠禅師の思いが解けぬ。あぁ~、残念至極!


渡橋図 (杖を頼りに盲人の三段階変化) 


リポート/ 渡邉雄二
 
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よろしければサポートお願いします。日本の伝統文化に関心を寄せています。若いころに文化圏の異なる地域の方たちとの交流で日本のことをあまりにも知らなかったことに気づかされ、それがきっかけで広く浅く学んでいます。拙いレポートですが、お目に留めていただければ幸です。