新司法試験純粋未修から一発合格への道~第4話 速度は正義~

処理速度は人によって異なる

新司法試験の勉強において、純粋未修者が法学既修者に追いつき、追い抜くためには、彼らと同じ勉強していても無駄です。彼らは彼らで必死で勉強をしていますので、その距離はなかなか縮まりません。
すでに周回遅れとなっている徒競走で、前のランナーに勝つためには、凄まじいスピードで走るしかありません。
そんな勉強を司法試験でどうすればいいのか。
それは、自分の人間としての処理速度を上げることが近道です。

「処理速度」とはなにか

司法試験の勉強において、処理速度とは、①読む速度、②考える速度、③書く(タイプする)速度です
①の読む速度は、日頃の予習復習などの勉強にとても密接に関わってきます。②の考える速度と③の書く速度は特に論文執筆の際にものを言います。
司法試験においては、この①②③の速度が高い方がもちろん有利です。
しかし、多くの受験生はこのスペックについて無頓着です。
なぜかというと、多くの受験生が持つ誤解として、この速度は天性、天賦のものであり、変えることができないというものがあるからです。

まずは自分を変える覚悟を

私は、これまで何百人もの不合格者を見てきましたが、指導をしていて「この人は落ちる」と確信できる人が大勢います。それは、自分を変えられない人です。
自分を変えられない理由は人によって違うのですが、多くの受験生は自分を変えられない理由を無限に言うことが出来ます。
そう、ダメな受験生は論証パターンは全く言えないのに、勉強が出来ない言い訳はスラスラ出てきます。
つまり、頭のいい人は大勢いる試験ですが、要領の悪い人も多い試験でもあると言えます。
このnoteをお読みの読者の方は、謙虚に自分の勉強方法を継続的に見直して頂きたいと思います。

速読道場に通ってみた

さて、私の司法試験チャレンジの最初のハックは、速読でした。
もともと私は法曹志望ではなく、普通に会社で働く普通のサラリーマンでした。法律の勉強などしたこともない30過ぎのおじさんでした。
ある日、人事異動でかなり暇な部署に配属されました。
そこで、同じ部署の同僚と「暇なときには推理小説を読もうぜ」とどちらかが言い出しました。そのくらい暇な部署でした。
そこで私が「どうせ仕事さぼって小説を読むなら、沢山読もうぜ。速読教室に行くのはどうだ。」と言ったところ、相棒もその気になりました。
その後我々は会社の近くの速読道場に入門し、3ヶ月ほど修行に励みました(本当に暇でしたね・・・)。

速読の成果は・・・・

我々は通常人の10倍ほどの速度で小説などが読めるようになり、読書の楽しみが加速しました。ブックオフに行く頻度もかなり高まり、大量に本を買っては帰り、数日後にはそれを売りに行くという日々になりました。
簡単な推理小説なら5分ほどで読めるようになりました。

何を受けても受かってしまう

もともと推理小説を読むために始めた速読ですが、読書が楽しくなってくると他の分野の本にも手が伸びるようになりました。歴史書やビジネス書、そして園芸や料理など、今まで全く興味がなかった分野の本にも手が出るようになり、急に好奇心旺盛な人間になったような気がしました。

そして、ある日どちらともなく「この能力は資格試験に使えるのではないか」と言い出して、色々な資格試験を受けてみました。

私は、社会保険労務士試験を受験したところ、4ヶ月の勉強で一発合格してしまいました。(真面目に勉強している受験生の皆さん、ごめんなさい。)
その後、TOEICを受けたところ、二人とも満点近く(私は975点)取れるようになってしまいました。何しろ読むのが速いので、テキストを何回も、何十回も回せてしまうので、出題範囲が決まっている試験には無敵です。

その後、証券外務員、内部管理責任者試験などの国家資格にも合格しました。ほんと、何を受けても受かってしまう状態です。
この何でも受かる無双モード中だった私に、「もしかして司法試験も受かるのではないか・・・」というささやきが聞こえたような気がしました。

ロースクール入学後

その後私は琉球大学法科大学院に進学するのですが、クラスの中でも最も勉強時間が少ない学生の一人だったと思います。机に向かっていた時間はだいたい1日4時間程度です。しかし成績は常に学年3位前後に入っていました。2年次の成績はオールAでした。純粋未修の私がです。
それはひとえに、速読術を身につけていたからだとしか思えません。
だいたい、ロースクールの授業は一コマの予習に90分、復習にまた90分くらいかかります。3コマの授業がある日などは大変です。
しかし私は、速読術があるので、1コマの復習に10分程度しかかかりません。なので、1コマの復習を1時間で6回できます。

そして合格

速読が司法試験の学習や試験本番にもたらす効能は色々とありますが、私が新司法試験に純粋未修から一発合格をした要因のひとつは速読術だったと思います。
実際、司法研修所に入ってみると、速読をやっていたという合格者は結構いました。
私は、たまたま最初にのべた①読む速度をハックした者ですが、他の②③については特段の工夫をしませんでした。それはあえてしなかったのではなく思いつかなかったからです。
もしかしたら、②③も何かハックできれば、もっとすごい受験生になったかも知れません。

長くなりましたが、自分の処理速度を上げないと、先行者に追いつくことはできません。


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