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新司法試験純粋未修から一発合格への道~第3話 何を暗記すべきか?~

暗記すべきものは決まっている

前回のnoteで、暗記を先行させようという話をしました。
では何を暗記すべきかというと、答えは決まっています。
試験に出そうな判例と条文を覚える。ただそれだけです。
私は、法科大学院在学中に、とにかく情報の取捨選択をして、試験に出そうな条文と判例だけを勉強の対象にして、それ以外は目にも耳にも入れないように徹底していました。
学校の定期試験でも、それ以外のことは聞かれないのですから、それで十分なのです。
なぜか、友人には、全く試験にでなさそうな学説を整理する表を作っている人や、いろいろな基本書をくまなく読み込んでいる人などがいましたが、それは間違いだと初学者の私にもわかりました。

司法試験は、何が試験に出るのかある程度わかっている試験です。
もちろんその試験範囲は広大ですが、他方で「試験に出ないもの」もわかっています。
例えば、特許法については出願手続きは試験範囲外であること、著作権法については補償金制度は試験範囲外であることなどが法務省のサイトで公開されていました(当時)。しかし、そういうことを知らずに一生懸命そこを勉強している受験生は結構います。ちゃんと情報チェックしようよといってやりたい。

暗記のツールは

辰已の肢別本

私は、初学者の頃から直感的に「辰巳の肢別本」が最強の暗記ツールだと確信し、1年生の頃からひたすらこれを回していました。
毎日毎日、とにかく肢別本を回す日々です。基本書よりも、肢別本に触っていた時間の方が多い受験生時代だったと思います。

肢別アプリ

その後私は2年生になった頃、肢別本のコンテンツを全てMicrosoft Accessというデータベースソフトに取り込んで、○×形式のクイズアプリを自分で開発しました。現在辰巳法律研究所が販売しているアプリ「辰巳の肢別」とそっくりのものを20年前に作っていたのです。
これで私の肢別回しは加速しました。多い日は一日500問くらいは回せるようになり、卒業までに10万回を余裕で上回るほど、肢を回したように思います。
今は、私の作ったアプリとかなり開発思想の近いアプリが辰巳から出ていますので、これをひたすら回すとよいと思います。

「フラッシュ肢別」ができるようになる

毎日のように肢別本を回していると、やがて肢を見た瞬間に正誤がわかるようになる、フラッシュ暗算ならぬフラッシュ肢別という芸当ができるようになります。
これは、記憶領域からの情報の抽出が脊髄反射のようにできるようになったことを意味します。
もちろん本番でも、必要な知識がすぐに出てくるようになっている訳ですから、これは大変強い武器になります。

論証パターンは覚えるべきか

これについては賛否両論がありますが、私は論証パターンも取捨選択しながら暗記していました。
やはり、最高裁判例の規範のなかには、スラスラと正確に書き出せなければいけないものというのがいくつかあり、試験でそれが書けないとどうしても他の受験生と比べて見劣りしてしまいます。
やはり、Aランクと言われる論証は、丸暗記しておくべきだと思います。
そして、論証パターンを覚える際は、やはり理解しながら覚えた方が、やりやすいかも知れません。しかし、知識がある方が理解しやすいということもあるので、論証の暗記は条文と判例をある程度頭に入れてからでよいかと思います。

理解してなくても、暗記していれば書けるものもある。

他方で、どんなに理解していても、覚えていないものを答案に書くことはなかなかできません。
やはり、理解<暗記なのです。
そして、暗記を重ねて、知識量が増えると、理解が追いついてくることもあります。
理解しているうちに覚えるということも確かにあるのですが、非効率です。

様々な暗記術を研究しよう

受験生の人たちを見ていると、みんな法律の本はよく買うし、よく読みます。しかし勉強方法に関する本を読んでいる人はもの凄く少ないです。
なぜでしょう。理解できません。
このnoteをお読みの皆さんは、様々な勉強方法を研究し、正しそうな勉強方法を見つけてから、勉強に臨んでほしいところです。
私のやっていた暗記術を少しご紹介します。

歌う、躍る

私は論証パターンなどを流行の歌に乗せたりして覚えていました。
情報というものは、何か奇異なものに絡めると記憶に残りやすくなります。
なので、勉強をする際にも、奇異なことをしながら接した情報にはフックが生じ、長期記憶領域に格納されやすくなり、また取り出しやすくなります。
その記憶過程が奇異であればあるほど、記憶に残りやすくなるので、ふんどし一丁で躍るとか、とにかく変な態様で勉強するとよいです。
ただし、大学院の自習室ではやめましょう。

場所を変える

記憶術は、とにかく情報を印象に残すよう工夫することが大事です。
私は、気合いを入れて覚えなければいけないところを勉強するときは、ブセナテラスのプールサイドに行って勉強したり、トロピカルビーチで日が沈むまでそこで勉強したりと、勉強スタイルがマンネリ化することをとにかく避けました。マンネリ化した環境で勉強すると、その情報に関する印象が薄くなるので、記憶に残りにくくなりますから、毎日コツコツ机に向かっている人は注意しましょう。

他人に教える

実は他人に教えることはとても勉強になり、記憶への定着効果も高いです。
しかし、法律未修者に勉強を教わりたい人などいないので、教える相手がいません。そこで私は、自宅で犬に向かって法律の講義をしたり、ぬいぐるみに話しかけるなどして、法律の授業をしていました。これは、よく覚えていない箇所がすぐにわかるという点でもよかったです。

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