見出し画像

「満場一致」は多様性が欠落している証拠

みなさん、こんにちは。
わたしはとある日本企業のサラリーマンです。所属する部署で、2年前まで管理職に就いていましたが、メンタル不全に陥り管理職を降りました。
気力と体力が回復したら、また管理職に復帰してバリバリと仕事に励もうと志してきましたが、最近自分が就いていた仕事を第三者視点で見ているうちに、「なんて非生産的で、非効率な仕事をしていた、もしくはやらされていたのだろう」と考えるようになりました。果たして自分の仕事のどのくらいに意味があるのか、もしくは自分の働き方が効率的なのか、という視点で日々考え、本を読んで勉強するようになりました。まだまだ勉強中ですが、自分の頭を整理する意味も込めて、noteを使ってアウトプットしていきたいと考え、この記事を書いています。


今回参考にした書籍はマシュー・サイドの「多様性の科学」です。
CIAが同時多発テロを予測できなかった事例など「組織が多様性を欠くと盲点を見抜けなくなる」ことを解き明かした名著です。

多様な視点を持つと正解率はあがるものの…

コロンビア ・ビジネススクールのキャサリン ・フィリップス 教授の実験をご紹介します。
その実験は、被験者を特定のグループに分け、複数の殺人事件を解決するというものです。
グループの半数は4人の友人で構成され、残りの半数は友人3人と全くの他人 (社会的背景も視点も異なる人物)が1人です。
各グループには証拠やアリバイ、目撃者の証言や容疑者のリストなど、様々な資料が提示されました。結果は、他人を含めたグループの方が高い成績を上げました。彼らの正解率は75%。友人ばかりのグループのそれは54%でした。※ちなみに個人で取り組んだ場合の正解率は44%だったそうです。
多様性を取り入れると視点が広がることを証明しています。

しかし、特に興味深いのは次の点です。多様性のあるグループと画一的なグループではメンバーが全く異なる体験をしていました。
前者はグループ内の話し合いについて認知的な面で大変だったと感じていたのです。 多角的な視点で様々な議論がなされ、反対意見も多く出たからです。しかも高い確率で正解を出したものの、それを知るまで自分たちの答えには強い自信を持っていなかったのです。
一方、画一的なグループの体験は180度違っていました。彼らは気持ちよく話し合いができたと感じていました。皆、似たような視点で互いに同意し合うことがほとんどだったからです。
そして、正解率は低かったにもかかわらず、自分たちの答えにかなりの自信を持っていた。彼らは異なる視点を取り入れられないまま、自分たちが正しいと信じてしまったのです。

組織の居心地の良さは危険信号?

みんなの考え方が似通っている組織は、居心地は良いかもしれませんが、正しい判断を下せていない可能性が高いです。価値観が似通っているため、反対意見は出ず、話し合いはスムーズに運ぶ。その為、重大な過ちがあったとしても自信を持っているので、気付く人もいない。
やはり、組織には多様なものの見方=多様性が必要です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?