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美文字家 根岸和美先生の講演会&ワークショップ

ある日、喜多川泰先生のホームページで大分の別府で講演会が開催されることを知り、ぜひ行きたいと一人行く気満々だった私。いつものことながら、行きたいと思ったら、もう止められない(笑)

昨日も書いたように「背中で育てる」がコンセプトの私、行くしかないよね。

しかもその上、喜多川先生の講演会の前には根岸和美先生の講演&ワークショップまで開催され、喜多川先生の講演後にはお二方の対談も企画されているという豪華講演会だったんです。

実は私、幼稚園の頃から受験生の時を除き、結婚するまで書道をならっていた。特に書道の先生になりたいとか、目指すところがあったわけではないが、ただただ無心で書いている時間が好きだった。

社会人になって仕事が忙しく、バタバタしながら仕事帰りや休日にお習字の先生の所へ行っていたわけだが、不思議なほど教室に入った瞬間からすっと気持ちが落ち着くのだった。何だろう、墨の香りとあの空気感がその日の雑念を一掃する感じ?

そんな書道も結婚を機に地元を離れることになり、辞めてしまった。あれから20年。子どもの冬休みの宿題など習字をするときはふと書いてみたりしたが、集中して一字一字に向き合う時間は皆無だった。

それが今回、根岸和美先生の講演&ワークショップも受けられるということでとても楽しみに別府に向かったのだった。

そして始まった講演会。まず、根岸先生のお美しい所作にお言葉遣いうっとり…

先生のお話の中で心に響いたのは
・字は人の想いを伝える道具であり、上手・下手の評価はいらないこと
・誰が書くか、誰に書くか、何を書くか、いつ書くか、「その人が書く文字」や「想い」に価値があるということ

本当におっしゃる通りで頷きが止まらなかった。

今やちょっとしたひと言をLINE、更にはスタンプ1つで済ませられる時代になったが、そんな時だからこそ手書きのメッセージという相手の心遣いにほっと心温まる。手紙は書くのにも、いやその前段階、便箋や筆記用具を用意する段階から時間もかかるし、書いた後にも投函に行く時間、届けられるまでの時間と決して効率のいいものではないかもしれない。でもこの時間にこそ相手の想いが込められており、受け取った人も電子メールでは感じられない想いまでをも受け取ることができる。

手紙ももちろんだが、日常生活の中でのちょっとしたメッセージをもさらっと手書きで伝えようと思うきっかけを頂き、日常にちょっと心が豊かになる時間をとる楽しみが増えた。自分も満たされ、相手にも喜んでいただけたら、そんなありがたいコミュニケーションツールを使わない手はない。

またワークショップではあさ出版様のご厚意で特別にワークショップ用ノートをご準備して頂き、その上、根岸先生からは今回限定のお言葉のお手本に、参加者一人一人に楷書と行書の名前お手本をプレゼントして頂いた。

講演会の中のワークショップということで短い時間ではあったが、実際に手を動かし、自分の名前や素敵な言葉をじっくり丁寧に書くことで心が洗われた。20年前から忘れていた感覚を思い起こさせて頂き、本当にありがとうございました。

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