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#253 「性」という記号を越えた人としての強さ

英語学習をしている時に、youtubeで以下の動画を見つけました。

 Emma Watson氏は動画の冒頭でこう述べています。

I’m really genuinely disturbed by the idea that men can’t cry.
男性が泣いてはいけないという意見に本当に困惑している

 多様な価値観が生まれ、一人ひとりの人権の価値を見出しつつある中で、彼女は「男性らしさ」・「女性らしさ」という考え方に疑問を呈しています。
 人権の世紀に生きる私たちにとって、「性の多様さ」への理解もまた必要不可欠でしょう。

 一方で、2017年には国内のバラエティー番組で、同性愛者を揶揄するような番組が放送され炎上したことも。

 今でこそ、LGBTQという言葉が一般に広がりつつあり、多様な性の概念が世の中に浸透しつつありますが、未だ道半ばです。

 東京都内にある男子校・巣鴨中学・高等学校では、家庭科の授業で人気ドラマ「逃げるは恥だが役にたつ(逃げ恥)」を教材に男女共同参画や妊娠・出産について学んでいるそうです。

 家庭科の授業を担当するのは男性の黒木義郎氏。

 日焼けしており、短パン&Tシャツという、いかにもスポーツマンな風貌で、家庭科を教える。それを「意外」と感じてしまう私には、まだ無意識のバイアスがあることを自覚させられる。

と取材した教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏は語ります。

 ドラマの中では「性」の違いによって生まれた様々なバイアスや固定観念を徐々に崩していきながら、性を超えた「一人の人間」として大切なことは何かについて多くの学びがあるそうです。

 私たちは、長い歴史の中で、社会から様々な「記号」を与えられ、その「記号の役割」を果たすことを求められてきました。
 しかし私たちは決して「記号」として生きているわけではありません。  「性」の区別は私たちの一部にすぎないし、それをどう捉えるのかは自分たち次第。誰かや何かに押し付けられるようなことは決してあってはならないし、その価値観を押し付ける社会であってはならないのです。

歌手・俳優である三輪明宏さんは、2021年のインタビュー記事で

今で言うLGBTへの偏見とは、ずっと闘ってきました。東京に出てきてから、同性愛者が差別を受け、家族や職場に知られないよう息を潜めて暮らしていると知りました。閑古鳥が鳴いた銀巴里に客を呼び戻そうと、髪の毛や爪、下着に靴下まで好きな紫色にしてショーを盛り上げた時は、「オカマか。吐き気がする」と罵声を浴びました。雑誌で「恋愛の対象は男性」と話すと、石を投げつけられました。でも、戦前に歴史を遡れば、LGBTが社会的に認められてきた事例は枚挙にいとまがありません。人間が人間を愛しているだけなのです。

と語っています。

「性」という記号を捨て、ただ「人間が人間を愛する」ことができる社会を創造する必要があるのです。


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