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中国でビザ発給停止、観光に対する影響は?

中国政府は1月10日、入国の水際対策を強化した日本と韓国に対してビザ発給を停止しました。

中国の狙いは何か

中国政府としては、大きく分けて3つの狙いがあります。

  1. 中国政府としてはコロナに打ち勝ったと表明している中、他国からコロナ感染を疑われる構造は避けたい

  2. 主に旅行代理店を締め出すことにより、海外渡航による資金流出を抑えたい

  3. 海外の情報を国内に持ち込ませたく無い

昨年のサッカーワールドカップを起点とし、中国国民はゼロコロナ政策に対して反発、大規模なデモ活動が行われました。中国共産党政府としては、デモの悪化は避けたいけれど、3年間継続したゼロコロナ政策を否定することは出来ません。結果、コロナに打ち勝ったのでゼロコロナ政策を止める、という表現に切り替えています。

一方で、他国が中国人に対して水際対策を行うと言うことは、失策を指摘されていることが明るみに出てしまいます。そこで、水際対策は日本による恣意的な差別と位置付けることにしたと考えられます。

また、中国では経済活動も停滞し始めており、2022年11月の輸出は前年比8.7%減と、コロナが話題となった2020年2月以来の大きさの減少幅を記録しています。

基本的に海外旅行は他国にお金を落とす行為なので、政府としては出来る限り抑えたい行動です。

日本には、どのような影響が出るのか

現状から見て、観光業界に対してはあまり大きな影響は出ないと考えられます。

2018年のコロナが話題となる前、訪日外国人観光客の内訳では中国が全体の26.9%を占めて第1位となっていました。

一方で直近では、訪日外国人観光客全体の2.2%、月に2万人程度来訪しているにしか過ぎず、影響は限定的だと言えます。

日本の観光市場はどう対応していくべきか

2020年までは、様々な施策で訪日外国人観光客を囲い込む「数」の政策が中心でした。想定していたよりも訪日外国人観光客数は積み重ねることが出来たものの、観光消費額は伸び悩んだという経緯があります。

また、観光客が増えることで、地域住民は生活がしにくくなったり、そもそもの観光客の満足度が下がる観光公害に焦点が当たりはじめました。

結果、私たちとして考えるべき方向性は3つに集約されていくと考えています。

  1. 広く顧客を知りつつ、特定の顧客(国)に依存しない

  2. あらゆる観光客の満足度を上げる

  3. 付加価値と共に、健全に価格を上げていく

今年は訪日外国人観光客の復活が期待される年でもあります。コロナ禍の経営では雇用を絞り、コスト削減を行って来たと思いますが、今後は満足度を高めながら収益を生み出していく必要があります。

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