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留学経験なし純ドメ会社員が3か月でIELTS6.0→7.5に成長した勉強法

IELTSはTOEFLと並ぶ国際的な英語試験で、リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4技能が試される。当時海外MBAを目指していた私は、IELTSのスコアメイクに向けて勉強していた。その結果、2023年4月にIELTSの勉強を開始し、6月にOver all(以下OA)7.5を獲得。今回は当時の学習方法を振り返り、これから留学を目指す方の参考になればと思う。


もともとの私の英語スペック

IELTS対策開始時点での私の英語へのかかわりはこんな状況。

  • TOEIC800点台後半(2021年)

  • IELTS OA6.0(2022年)

  • 全業務のうち5割ほど英語を用いるがリーディングがメイン

  • 留学経験なし

  • 非帰国子女

英語の文書を読む機会が比較的多い部署だったため英語への苦手意識はない。ただし英語のアウトプットの機会は少なかった。

1日のスケジュールと勉強時間

3か月間の勉強スケジュールはこんな感じ。投下できる時間はほぼすべてIELTS対策に割いた。

平日

平日のスケジュール。

休日

休日のスケジュール。

平日は科目ごとに一日のTodoを設定した。日数の比重としてはリーディング:リスニング:ライティング:スピーキング=3:2:3:2くらい。もちろん残業がある日はそこまで時間の確保ができないため、朝の勉強が重要になった。休日はひたすら単語と問題演習を行った。
平日4時間×60日、休日10時間×24日で、3か月でだいたい500時間弱の勉強時間をささげた。

使用教材と勉強方法

英単語

右の単語帳を使用

IELTS英単語の定番書を用いて暗記。まるまる1冊を短いスパンで何度も繰り返し読み、暗記するようにしていた。

2024年2月に改訂版が出たとのこと。

私の暗記の仕方はこうだ。例えば1日10ページ暗記したいとする。
①見開き2ページを暗記し、わからない単語に付箋を貼る
②次の見開き2ページに進み、わからない単語に付箋を貼る
③①に戻り付箋を貼った単語の意味を確認し、意味を覚えたら付箋を外す。暗記できていなければ付箋残留
④②に進み付箋を貼った単語の意味を確認し、意味を覚えたら付箋を外す。暗記できていなければ付箋残留
⑤新しい見開き2ページに進み、わからない単語に付箋を貼る…(②~⑤繰り返し)
⑥当日割り当てられたページから付箋がなくなれば終了

とにかく単語暗記は覚えたい単語に何度も出会うことが大事だと思っているので、「一発で覚えよう」とは思わず地道に読み進めること。翌日新しい10ページに進む前に、パラパラと前日の割当分を眺めてから取り組むようにしていた。
この方法の良いところは、自分が覚えづらい単語との遭遇率が否応なしに高まってしまうところ。短期記憶でも良いので覚えない限りは付箋が取れないという縛りを課すことで記憶が促され、結果的に超暗記マシーンになれるのだ…!

リーディング

Cambridge University Pressの出すIELTSの問題集のみを使い演習を行った。

左の問題集

このシリーズの15~17までをメルカリで購入し、ひたすら演習と精読を繰り返した。1パート20分で解けるため、昼休みに昼食をとったあとの休憩時間で1本解くようにしていた。
何本か解き進めていくうちに、自分が苦手なタイプの問題がどれかが分かってくるため、YouTubeで「IELTS +(問題タイプ)」で検索し、弱点を克服するようにしていた。ちなみに自論だが、問題のタイプにかかわらず偏りなくミスが多いのは基本的な読解力が不足している可能性があるので、精読を徹底したほうが良い。逆に言うと、偏ってミスをしている場合はそこさえ乗り越えられればリーディングで高スコアが狙えると思う。
問題集の進め方としては、時間制限あり演習→答え合わせ→間違えた問題を時間制限なしで回答→精読というステップ。
精読では回答根拠を探すだけではなく、文章の構成や文と文の関係性を理解することに注意していた。問題集をPCのカメラで撮影し、OneNote上で書き込んでいた。

精読の様子

これは演習の精読記録の一つ。この問題ではピラミッドの周辺の構造の理解ができず、精読段階で自分で図示し整理した。
リーディングを解くのは好きなのだが、とにかく復習に時間がとられてしまうので覚悟が必要。

リスニング

平日で共通する通勤の徒歩40分は英語のPodcastを聴きながらシャドーイングをしたり、小声でスピーキングしたりしていたため周囲からはかなり怪しい人と思われたかもしれないが、結果私のリスニングのスコアアップにつながったと思う(スピーキングは伸びなかったけど…)。
よく聴いていたのはIELTS Energy English。元IELTS試験官の二人がインサイダーの目線でIELTS受験のTipsを教えてくれる。IELTS Energyという名称の他のチャンネルもあるが、私はJESSICAとAUBREYのチャンネルが好き!内容が役立つのはもちろん、彼女たちのハイテンションな会話が面白い。

机上での勉強はリーディングと同様Cambridgeの問題集を活用。問題集に掲載されているQRコードをスマホで読み取ると、音声を聴くことができる。リーディングと同様、何度か繰り返し解くと苦手な問題がどれかが分かってくるため、「IELTS Listening + (問題タイプ)」でYouTubeで検索し集中的に解くようにしていた。自論だが、問題のタイプにかかわらず…(以下略)。
ちなみに私は複数人の会話(学生同士とか、学生と教授とか)から話した内容を選ばせる問題がとても苦手だったのだが、解き方のコツを習得したので別記事でまとめたい。これでだいぶ正答率が上がった!

ライティング

ライティングではあまり活用せず

ライティングの全容を理解するために購入したが、正直ほぼ使わなかった。
代わりに利用していたのが「IELTS Answer」が提供するWriting correction serviceだった。

IELTSの有料添削サービスで、最初に問題タイプごとの回答マニュアルが送られてくる。このマニュアルに書いてある文章構成や表現を覚えた。
ある程度ライティングができるようになった段階で自分で作成した回答案をワード形式で担当者にメールで送ると、1日以内に添削結果と予測スコアが返却される。問題に指定はなく、自分の好きな参考書の問題で回答を作っても良い。
この添削がとても有用!ライティングの対策として無料のGrammarlyを使う人も多いが、このサービスでは語彙やミス、文章の構成等実際のIELTSのレベル判定基準に即した予測スコアが共有されるため、自分がどのレベルにいるのかがわかりやすい(そして添削が厳しい)。

添削結果
採点欄。Overall 6.5~7の評価。

実際の添削結果。文法やスペルに誤りがある個所にハイライトされたり、記載したロジックに疑問がある場合は「ここの主張が弱いからこう書いたほうが良い」といったアドバイスが書かれたりする。採点欄では、項目ごとにどのような評価をしたのかや、最終的なスコアのレンジが示される。
サービスのプランはいくつかあるが、私はWriting Correction: 10 taskを選んだ。10個まで添削してくれるプランで、3ヶ月で消化するにはちょうど良いボリュームだったと思う。

スピーキング

私のスピーキングのスコアは芳しくなかったため、反面教師として「こんな勉強だと伸びないんだな」程度に読んでほしい。
スピーキングもこの教材を活用し、パターンごとの回答をエクセルで管理し暗記していた。

大枠の情報整理のために活用

英会話はレアジョブを活用していた。他のオンライン英会話に比べて安くはないものの、講師の質が全体的に良かった。

ここで昔IELTS塾の講師をしていたというフィリピン人と仲良くなり、毎日彼女にIELTSスピーキングテストの演習をしてもらった。「もっと簡潔に言いなさい」「Part1はひたすら喋りなさい」とビシバシ指導してもらった。IELTSはサイクルごとに同じ質問がなされる傾向にあるので、彼女とで練習した問題が本番で質問されたこともあった。
出題される問題は中国系のサイトの他いろんなページでで共有されているため、ある程度予測しながら対策はできるのかもしれない。

上記のような練習をしておきながらIELTSスピーキングではスコアが芳しくなかったのだが、おそらく暗記に頼りすぎてしまったのが原因だと思う。
例えば、「あなたの国の特有の服装は何ですか?」と未対策の質問されたとすると、着物について説明するために「一枚の大きな布でできていて、現代だと特別な式に着ていく女性が多い」とぱっと思いついた考えを日本語→英語に変換しようとする。すると、「一枚の布でできているって何て言うんだっけ…」と日本語のアイデアを英語に変換できず、つっかえてしまう。

IELTSでは、基本的な文法と基本的な語彙だけで回答してもある程度のスコアメイクができる。ゆえに、自分が伝えやすい英語を自分自身で把握し運用していくことが重要。無理に日本語のアイデアを変換しようとするのではなく、自分で今持っている英語の材料から文章を作っていく癖をつけていったほうが圧倒的にスコアメイクしやすいため、そのような手法を身に着ける練習をしていればより高いスコアが取れたのかもしれない。着物の例でいうと、「伝統的」「京都の観光」「結婚式」といった自分が使えるワードから説明を膨らませるべきだった…。

最終的なスコア

OA 7.5ではあるものの、ライティングとスピーキングが弱い典型的な日本人タイプ。

リーディング 9.0
リスニング 8.0
ライティング 6.5
スピーキング 5.5

スピーキングは改善余地あるものの、次またIELTSを受験するときは同じ勉強方法で対策したい(と思えるほど良かった本・サービスだった)。
テスト本番の画面上の目線の進め方、解き方など、もう少し深堀した記事を別でまとめたい!