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Sweet Rain

数日前のこと、朝5時前に目が覚めた。まだ静かな時間の中で雨の匂いと秘やかな雨音を感じた。まだ梅雨なのだ。

窓を開けしばらくベッドに横になっていた。雨で冷やされ、湿り気で程よい質量を得た早朝の風が体を包む。ぼんやりした頭にいろいろなことが浮かんでくる。

高村薫さんの『土の記』を思い出した。物語の冒頭で描写される湿度感は印象的だった。雨と湿気が私の体に自然に浸透してくるようだった。読むうちに、小説の細部を丁寧に描くことがどれほど大事なことであるかを痛感した。

映画『地獄の黙示録』の湿度感はちょっと耐えられそうもないなぁとか思いながら・・・うとうとする。

ふと Stan Getz の Sweet Rain を思い出したので、PCを起こして聴いてみた。眠い頭が少しずつクリアになっていく。

これまでは梅雨は苦手な時期だった。しかし、Sweet Rain を聴きながら雨もいいではないかと思い始めた。


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